ホーム > 雑誌を探す > 雑誌詳細:新潮 > 雑誌詳細:新潮 2012年12月号

新発見 安部公房「天使」

新潮 2012年12月号

(毎月7日発行)

特別定価996円(税込)

雑誌の仕様

発売日:2012/11/07

発売日 2012/11/07
JANコード 4910049011225
定価 特別定価996円(税込)

◆◆ 新発見・幻の最初期小説 ◆◆
安部公房「天使」[短篇]
一九四六年、病と狂気が蔓延する満洲からの引揚船の中、後の世界的作家はノートに永遠を綴り、未来に発信した。
解説・加藤弘一

さきちゃんたちの夜/よしもとばなな
ずっと続くことはない。よいことも悪いことも――。突然訪れた兄の死。父を亡くした姪が、先行きの見えない私の生活に射すある光。

わたしの小春日和[新潮新人賞受賞第一作]/滝口悠生
謎の白線が家の内外を区切る。少年が路上を這う。切実なヒューモアに充ちた震災後の生。

方違(かたたが)え/古井由吉

いつも彼らはどこかに/小川洋子
 第七回・断食蝸牛

死小説[第六章]/荒木経惟

■連載小説
・ニッチを探して(六)/島田雅彦
・双頭の船(九)/池澤夏樹
・満月の道(十一)/宮本 輝
・しょうぎ(娼妓)に おや(親)は いりませぬ[遊女考(十二)]/村田喜代子

第45回《新潮新人賞》応募規定

新世紀神曲/大澤信亮
主役は名探偵・犬神修羅。共演は21世紀日本文学の主人公たち。「この世界という殺人事件」に挑戦する批評と小説の前代未聞のキメラ。
[大型批評・250枚]

追悼 丸谷才一
・丸谷才一の思い出/ドナルド・キーン  角地幸男/訳
・機嫌のいい文学者の肖像 精一杯のobituaryのつもりで/池澤夏樹
・小説論を洗練して/菅野昭正
・そこから始まる/湯川 豊

島尾ミホ伝 『死の棘』の謎[第二回]/梯 久美子

批評時空間[特別篇] 「ロボット」と/の『演劇』について/佐々木 敦

地上に星座をつくる/石川直樹
 第八回・片目しか見えない仮面

世界同時文学を読む 第十七回・追放された人々/都甲幸治
 ――エドナ・オブライエン『聖者たちと罪人たち』

アメリカスケッチ2.0 ウェブと文化の未来を考える/池田純一
 第三十回・ディベートからバズへの展開

見えない音、聴こえない絵/大竹伸朗
 第一〇三回・独国蛙と女木島猫

■新潮
・尖閣諸島、波高し――「日中青年作家会議」のこと/川村 湊
・アーティヴィズムの馬鹿力/岩城京子
・奪われない時間――映画『天のしずく』から/河邑厚徳

■本
・エドゥアール・グリッサン『フォークナー、ミシシッピ』/大辻 都
・中原昌也『エーガ界に捧ぐ 完全版』/大和田俊之
・安藤礼二『祝祭の書物 表現のゼロをめぐって』/佐藤雄一
・村田沙耶香『しろいろの街の、その骨の体温の』/内藤千珠子

編集長から

この世界という殺人事件
大澤信亮『新世紀神曲』
◎これは批評なのか? 大澤信亮氏の長篇作品『新世紀神曲』(260枚)を読みはじめた者がそう感じたとしてもやむを得まい。なにしろ主人公(犬神修羅)がいる。しかも犬神は名探偵! 数多の難事件を解決した果てに、彼が挑んだのは、世界最大の事件だった。「この世界という殺人事件を解決したい」。彼は追う、〈言葉〉という犯人を。言葉が人を人たらしめ、大量殺戮兵器を生み、日本だけでも年間三万人の自殺者を生んだ。では、言葉とは何か? 前代未聞の推理=批評の果てに、犬神は密室に辿り着く。そこには、やはり言葉に憑かれた六人、二十一世紀の日本文学を代表する六作の主人公たち。そして彼らの大論戦が始まる……。これは批評なのか? 答えは読者に委ねよう。本作は現代日本文芸への真摯で過激な挑戦だ。◎丸谷才一氏の最後の長篇小説は小誌掲載の『持ち重りする薔薇の花』となった。氏の逝去を悼む切実な言葉の弔花を掲載する。

新潮編集長 矢野 優

バックナンバー

雑誌バックナンバーの販売は「発売号」と「その前の号」のみとなります。ご了承ください。

雑誌から生まれた本

新潮とは?

文学の最前線はここにある!
人間の想像力を革新し続ける月刊誌。

■「新潮」とはどのような雑誌?
「新潮」は日露戦争の年(1904年)に創刊された、百歳を超える文芸誌です。現役の商業文芸誌としては世界一古いという説があります(ただし第二次大戦中は紙不足のため数号、関東大震災のときは1号だけ休刊)。その歴史の一端は小誌サイト内にある〈表紙と目次で見る「新潮」110年〉でご覧ください。

■革新し続ける文学の遺伝子
もちろん古いことと古臭いことはまったく別です。百余年にわたり、たえず革新を続けてきたことこそが「新潮」の伝統であり、その遺伝子は現編集部にも確実に引き継がれています。ケータイ小説やブログ、あるいは電子配信、電子読書端末まで、いまだかつてない〈環境変動〉がわたしたちの生に及びつつある今、時代精神を繊細に敏感に感じ取った小説家、批評家たちが毎月、原稿用紙にして計1000枚以上(単行本にして数冊分)の最新作を「新潮」を舞台に発信し続けています。

■日本語で表現されたあらゆる言葉=思考のために
デビュー間もない20代の新人からノーベル賞受賞作家までの最新作がひとつの誌面にひしめきあうのが「新潮」の誌面です。また、文芸の同時代の友人である音楽、映画、ダンス、建築、写真、絵画などの領域からも、トップクラスの書き手、アーティストが刺激的な原稿を毎号寄せています。文芸を中心にしっかりと据えながら、日本語で表現されたあらゆる言葉=思考の力を誌面に結集させたい――それが「新潮」という雑誌の願いです。

雑誌主催・共催・発表誌の文学賞