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筒井康隆「モナドの領域」(330枚一挙掲載)

新潮 2015年10月号

(毎月7日発行)

特別定価998円(税込)

雑誌の仕様

発売日:2015/09/07

発売日 2015/09/07
JANコード 4910049011058
定価 特別定価998円(税込)

モナドの領域[330枚]/筒井康隆
GODは人類を慈しみ、小説家は小説を愛し抜いた。いま、小説は神を超えた領域へ――著者最高傑作にして(おそらく)最後の長篇!

大津波のあと[100枚]/赤坂真理
震災から四年、陸前の浜での奇妙な宴の招待状が届く。『東京プリズン』後を示す新境地!

道に鳴きつと/古井由吉
東京に鳴いた時鳥(ほととぎす)が導く、母親との死出の旅

プーシキン並木通り/多和田葉子
郊外に佇む戦争の記憶。言葉で描く伯林地図

籠の鸚鵡[第二回]/辻原 登

光の犬[第二回]/松家仁之

■■ 連載小説 ■■

薄情(十四)[連載完結]/絲山秋子

荒れ野にて(十)/重松 清

名誉と恍惚(十五)/松浦寿輝

◆第47回《新潮新人賞》予選通過作品発表
◆第48回《新潮新人賞》応募規定

■■ 特 別 対 談 ■■
漱石100年後の小説家/大江健三郎×古井由吉
日本文学の原形・漱石の「真面目の力」に導かれ、近代化以後の日本人とその未来を問う

■ 追悼・阿川弘之 ■
阿川弘之のこと/三浦朱門
大きな子供/瀬戸内寂聴

■ 追悼・鶴見俊輔 ■
便器でカレーライスを食えるほどの自由/黒川 創

■ 追悼・出口裕弘 ■
辛辣な太陽崇拝者/四方田犬彦
出口裕弘に導かれて/野崎 歓

『風と共に去りぬ』の謎を解く/鴻巣友季子
第二回・黒のヒロイン、聖愚者メラニー・ウィルクスの闇(一)

石川啄木[第十六回・連載完結]/ドナルド・キーン 角地幸男・訳

小林秀雄[第二十六回]/大澤信亮

島尾ミホ伝 『死の棘』の謎[第二十九回]/梯 久美子

地上に星座をつくる/石川直樹
 第三十四回・ぼくは悔しい

見えない音、聴こえない絵/大竹伸朗
 第一三三回・船型と工場

■新潮
・第三個拿到直木賞的台湾人――東山彰良『流』読後感/垂水千恵
帰還することが困難な場所から/椹木野衣
・ラディカルに生きる キム・ゴードン自伝/林 央子

■本
・ミランダ・ジュライ『あなたを選んでくれるもの』/岸 政彦
・高橋弘希『朝顔の日』/谷崎由依
・いしいしんじ『悪声』/細川周平
・黒川 創『鷗外と漱石のあいだで』/四方田犬彦
 

編集長から

筒井康隆最高傑作「モナドの領域」

 筒井康隆とは何者なのか?
 1934年誕生、IQ178の天才少年は映画や漫画に熱中し、演劇青年となるも、古今東西の文学から哲学までを濫読し、やがてSF同人誌を自ら創刊。江戸川乱歩に認められ、創作活動に入る。だが、この作家が真に特別なのは、それからだ。SF精神とナンセンスと毒に溢れた作風で頭角を現して以後、半世紀以上にわたって作品世界を爆発的に多様化し続け、唯一無二の〈筒井ワールド〉を生み出したことは誰もが知っている。
 その筒井氏が「わが最高傑作にして、おそらくは最後の長篇」(公式サイトより)と呼ぶ小説『モナドの領域』(330枚)を一挙掲載する。二つのことだけを読者に予告しよう。本作の最も重要な登場人物は「神などよりずっと上位の存在」である。そして、自らのペンひとつで創造してきた作品たちへの筒井氏の愛が、感動的かつ前代未聞の形で告白されるのだ。
 それにしても……筒井康隆とは何者なのか?

新潮編集長 矢野 優

バックナンバー

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雑誌から生まれた本

新潮とは?

文学の最前線はここにある!
人間の想像力を革新し続ける月刊誌。

■「新潮」とはどのような雑誌?
「新潮」は日露戦争の年(1904年)に創刊された、百歳を超える文芸誌です。現役の商業文芸誌としては世界一古いという説があります(ただし第二次大戦中は紙不足のため数号、関東大震災のときは1号だけ休刊)。その歴史の一端は小誌サイト内にある〈表紙と目次で見る「新潮」110年〉でご覧ください。

■革新し続ける文学の遺伝子
もちろん古いことと古臭いことはまったく別です。百余年にわたり、たえず革新を続けてきたことこそが「新潮」の伝統であり、その遺伝子は現編集部にも確実に引き継がれています。ケータイ小説やブログ、あるいは電子配信、電子読書端末まで、いまだかつてない〈環境変動〉がわたしたちの生に及びつつある今、時代精神を繊細に敏感に感じ取った小説家、批評家たちが毎月、原稿用紙にして計1000枚以上(単行本にして数冊分)の最新作を「新潮」を舞台に発信し続けています。

■日本語で表現されたあらゆる言葉=思考のために
デビュー間もない20代の新人からノーベル賞受賞作家までの最新作がひとつの誌面にひしめきあうのが「新潮」の誌面です。また、文芸の同時代の友人である音楽、映画、ダンス、建築、写真、絵画などの領域からも、トップクラスの書き手、アーティストが刺激的な原稿を毎号寄せています。文芸を中心にしっかりと据えながら、日本語で表現されたあらゆる言葉=思考の力を誌面に結集させたい――それが「新潮」という雑誌の願いです。

雑誌主催・共催・発表誌の文学賞