【創作特集】想像力の新しいパースペクティブ
新潮 2016年1月号
(毎月7日発行)
発売日 | 2015/12/07 |
---|---|
JANコード | 4910049010167 |
定価 | 特別定価1,049円(税込) |
想像力の新しいパースペクティブ
⇒立ち読みはこちら
⇒立ち読みはこちら
/円城 塔
あの晩、実際に自殺をしたのかどうか/山下澄人
/佐々木 敦
/中条省平
・星野智幸『呪文』/想田和弘
・瀬戸内寂聴『わかれ』/中上 紀
・森田真生『数学する身体』/三浦雅士
・加藤典洋『戦後入門』/吉川浩満
・松浦寿輝『黄昏客思』/鷲田清一
編集長から
パースペクティブ
◎2001年にデビューした綿矢りさ。昨年デビューしたばかりの高橋弘希。さらに、朝吹真理子、上田岳弘、円城塔、小山田浩子、滝口悠生、田中慎弥、藤野可織、山下澄人。「21世紀の作家」という言葉がふさわしい十人の作家の最新作を一挙発表する。これらの作品から一つの時代精神が浮上する、などと安易には言うまい。むしろ、まず読者に新鮮な驚きを与えるのは、この時代に相応しい想像力の多様性ではないか。古都を舞台にした三姉妹の物語から、源氏物語が文字データとして容赦なく解体される言語空間まで。グロテスクなまでに強烈な政治的寓話から、堅固なはずの眼前の時空間を豊かに解体してみせる言葉の運動まで。十の作品が私たちに開示するのは、文学の新しい星座、想像力の新しいパースペクティブだ◎小誌は、日露戦争開戦から間もない1904年に創刊された。そして明日の世界情勢も予測できないような2016年、創刊112年目に向けて最初の一歩を踏み出す。
バックナンバー
雑誌バックナンバーの販売は「発売号」と「その前の号」のみとなります。ご了承ください。
雑誌から生まれた本
新潮とは?
文学の最前線はここにある!
人間の想像力を革新し続ける月刊誌。
■「新潮」とはどのような雑誌?
「新潮」は日露戦争の年(1904年)に創刊された、百歳を超える文芸誌です。現役の商業文芸誌としては世界一古いという説があります(ただし第二次大戦中は紙不足のため数号、関東大震災のときは1号だけ休刊)。その歴史の一端は小誌サイト内にある〈表紙と目次で見る「新潮」110年〉でご覧ください。
■革新し続ける文学の遺伝子
もちろん古いことと古臭いことはまったく別です。百余年にわたり、たえず革新を続けてきたことこそが「新潮」の伝統であり、その遺伝子は現編集部にも確実に引き継がれています。ケータイ小説やブログ、あるいは電子配信、電子読書端末まで、いまだかつてない〈環境変動〉がわたしたちの生に及びつつある今、時代精神を繊細に敏感に感じ取った小説家、批評家たちが毎月、原稿用紙にして計1000枚以上(単行本にして数冊分)の最新作を「新潮」を舞台に発信し続けています。
■日本語で表現されたあらゆる言葉=思考のために
デビュー間もない20代の新人からノーベル賞受賞作家までの最新作がひとつの誌面にひしめきあうのが「新潮」の誌面です。また、文芸の同時代の友人である音楽、映画、ダンス、建築、写真、絵画などの領域からも、トップクラスの書き手、アーティストが刺激的な原稿を毎号寄せています。文芸を中心にしっかりと据えながら、日本語で表現されたあらゆる言葉=思考の力を誌面に結集させたい――それが「新潮」という雑誌の願いです。