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鴻池留衣「ジャップ・ン・ロール・ヒーロー」(210枚)
新連載 前田英樹「保田與重郎の文学」

新潮 2018年9月号

(毎月7日発行)

930円(税込)

雑誌の仕様

発売日:2018/08/07

発売日 2018/08/07
JANコード 4910049010983
価格 930円(税込)

ジャップ・ン・ロール・ヒーロー[二一〇枚]/鴻池留衣
幻のバンド、ダンチュラ・デオ。その預言者・喜三郎と共に、僕は情報戦の舞台でマイクを握る。虚構オリジナル現実コピーが渾然一体をなす、超弩級想像力!
アイスピック[一四〇枚]/佐藤友哉
戻るはずのない雪深い故郷に、息子を連れ、男が戻ったのは何故か。狂気と妄執の追跡行。
猫の夜加藤幸子
自然界に悲劇は存在しない――高齢者施設に暮らす私と相棒と四匹の仔猫の真夜中の冒険。
NO SEX【戯曲】/岡田利規
するひとがいる。ウチらはしないけど。権力に抵抗し、未来の性を歌い上げる、野心的音楽劇。
ひよこ太陽田中慎弥
仕事と生活から行方不明になろうと逃げ帰った故郷で、作家は記憶にない小説に対面する。
■■ 連載小説 ■■
ビッグ・スヌーズ(八)/矢作俊彦
■■ 新潮 ■■
もう直感は役に立たなくなってしまった伊藤ガビン
◆音楽が生まれる高木正勝
「到来しない未来」の戯曲を創作する谷 竜一
世界で建築を教えるということ中山英之
見て、書くことの読点について福尾 匠
◆第51回《新潮新人賞》応募規定
【選考委員】●大澤信亮 ●川上未映子 ●鴻巣友季子 ●田中慎弥 ●中村文則
保田與重郎の文学【新連載】/前田英樹
考え、考えて、どうしても解けぬ時、古典が教えに来るとその文人は言った。注釈と愛読、抵抗としての保田文学をあきらめる畢生の批評。
[対談]因果律の抜け落ちた話
朝吹真理子 + 町田 康
自他の区別もない道の記憶、小説に響く無数の声――『TIMELESS』刊行を機に語り合う。
[鼎談]北海道と想像力をめぐる冒険
古川日出男 + テッド・グーセン + 柴田元幸
「ハックルベリー・フィン」「風の歌を聴け」から「ミライミライ」へ。創作と翻訳の最前線。
平田オリザの芝居『日本文学盛衰史』拝見関川夏央
亡霊たちの舞台――岡田利規『NO THEATER』を観る安藤礼二
検索の外へ都甲幸治
――柴崎友香『公園へ行かないか? 火曜日に』を読む
【円城塔『文字渦』を読む】
設文改字山本貴光
もじがかたるもじのものがたり黒田夏子
小林秀雄[第一部完結・一一〇枚]/大澤信亮
批評を体現した男の生涯を近代史と重ね合わせ描く決定的評伝、いよいよ一九四五年へ。
これは小説ではない(五)/佐々木 敦
地上に星座をつくる石川直樹
第六十六回・チェビさんと会う
見えない音、聴こえない絵(一六六)/大竹伸朗
■■ 本 ■■
◆津村記久子『ディス・イズ・ザ・デイ』/小山田浩子
◆温 又柔『空港時光』/小竹由美子
◆谷崎由依『鏡のなかのアジア』/日和聡子
◆鵜飼哲夫『三つの空白――太宰治の誕生』/村上克尚
◆伊藤亜紗『どもる体』/尹 雄大
◆大谷能生『平岡正明論』/四方田犬彦

この号の誌面

立ち読み

編集長から

鴻池留衣
「ジャップ・ン・ロール・ヒーロー」

◎新鋭・鴻池留衣「ジャップ・ン・ロール・ヒーロー」(二一〇枚)は、「荒唐無稽の何が悪い」と言わんばかりに虚構の臨界点に挑む野心作だ。前作『ナイス・エイジ』(小社刊)も、並行宇宙からタイムマシンで現代に来たと称する〈未来人〉が大震災や新元号をネットで予言するという、まさに「荒唐無稽」な力作だった。今回の主人公はロックバンド、ダンチュラ・デオ(DD)のボーカル。では、DDとはいかなるバンドなのか。それを知りたければ、ウィキペディアを見ればいいと作者は誘惑する。そして読者が飛び込んでいく作品世界は、夥しい編集合戦や荒らしを経たウィキペディアの「ダンチュラ・デオ」の項目そのものなのだ。学生バンドに過ぎなかったDDが、なぜ冷戦期以来の国際諜報戦と関わるのか? 中央区マイクロバス爆発炎上事件とは? 作者は確信しているはずだ。現実対虚構というフレーム自体が激動する現代において、「荒唐無稽」こそがリアルなのだと。

新潮編集長 矢野 優

バックナンバー

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雑誌から生まれた本

新潮とは?

文学の最前線はここにある!
人間の想像力を革新し続ける月刊誌。

■「新潮」とはどのような雑誌?
「新潮」は日露戦争の年(1904年)に創刊された、百歳を超える文芸誌です。現役の商業文芸誌としては世界一古いという説があります(ただし第二次大戦中は紙不足のため数号、関東大震災のときは1号だけ休刊)。その歴史の一端は小誌サイト内にある〈表紙と目次で見る「新潮」110年〉でご覧ください。

■革新し続ける文学の遺伝子
もちろん古いことと古臭いことはまったく別です。百余年にわたり、たえず革新を続けてきたことこそが「新潮」の伝統であり、その遺伝子は現編集部にも確実に引き継がれています。ケータイ小説やブログ、あるいは電子配信、電子読書端末まで、いまだかつてない〈環境変動〉がわたしたちの生に及びつつある今、時代精神を繊細に敏感に感じ取った小説家、批評家たちが毎月、原稿用紙にして計1000枚以上(単行本にして数冊分)の最新作を「新潮」を舞台に発信し続けています。

■日本語で表現されたあらゆる言葉=思考のために
デビュー間もない20代の新人からノーベル賞受賞作家までの最新作がひとつの誌面にひしめきあうのが「新潮」の誌面です。また、文芸の同時代の友人である音楽、映画、ダンス、建築、写真、絵画などの領域からも、トップクラスの書き手、アーティストが刺激的な原稿を毎号寄せています。文芸を中心にしっかりと据えながら、日本語で表現されたあらゆる言葉=思考の力を誌面に結集させたい――それが「新潮」という雑誌の願いです。

雑誌主催・共催・発表誌の文学賞