新潮新書

創刊23周年・注目の3作品

自民党が圧倒的多数を獲得した先の衆院選以来、にわかに憲法改正への動きが目立ってきました。改正は自民党結党以来の党是なので当然ですが、ではあなたの考えはどうかと問われると、ほとんどの人が口ごもってしまうでしょう。戦後多くの知識人が改憲・護憲の立場で議論を戦わせてきましたが、かつては護憲政党が強かったこともあり、改憲はどこか空想めいた話のようにも感じられました。少なくとも第二次安倍政権下での「解釈改憲」までは──。『天皇への敗北─シリーズ哲学講話─』(國分功一郎・著)は当時メディアを騒がせた「立憲主義の危機」に立ちはだかった天皇という存在をめぐって、憲法学と文学の両面から「天皇・憲法・戦後」の核心へと迫ります。『目的への抵抗―シリーズ哲学講話―』『手段からの解放―シリーズ哲学講話―』に続く「シリーズ哲学講話」3作目は、人間の自由や嗜好という普遍的なテーマを探究した前作とは異なる、深く、痛切な戦後日本論となりました。
今年は毛沢東没後50年に当たりますが、冷え込んだままの日中関係もあってか、日本ではあまり話題になりません。その一方で、台湾の歴史資料を所蔵する国史館で、抗日戦争中の軍事機密電文集が機密解除され、歴史研究者の注目を集めています。『台湾軍事機密文書が語る中国「抗日戦争」の真相』(遠藤誉・著)は、「国共合作」で日本軍と戦っていたはずの中国共産党軍が、実は日本軍と共謀して国民党を追い詰めていた事実を丹念に実証し、前著『毛沢東―日本軍と共謀した男―』で状況証拠をもとに描いたストーリーを、史実によって裏付けていきます。旧満州に生まれ、国共内戦を経験、生涯をかけて中国研究に邁進してきた著者による渾身の論考です。
4月は新社会人誕生の季節、勉強と交遊から仕事と社交の中心の日々へ、公私ともライフスタイルが大きく変わるタイミングですが、様々な環境変化に無理に適応しようとすると、ついついオーバーワークやメンタル不調にも陥りがちです。『コミュ力不要の社交術』(古市憲寿・著)は、20代でデビューして以来変わらずメディアで活躍し続ける著者が、友人の作り方から会話や社交、コスパよく働くための仕事術や思考法まで、実践的ライフハック術を大公開。目からウロコの「頑張りすぎない」スタイルに納得です。
今月は2003年の新潮新書創刊から23周年にあたります。折にふれ数々のベストセラーを生み出してくださった著者の方々並びに大勢の読者の皆さまに、あらためて感謝を申し上げます。今後とも「新潮新書」をよろしくお願いいたします。
今年は毛沢東没後50年に当たりますが、冷え込んだままの日中関係もあってか、日本ではあまり話題になりません。その一方で、台湾の歴史資料を所蔵する国史館で、抗日戦争中の軍事機密電文集が機密解除され、歴史研究者の注目を集めています。『台湾軍事機密文書が語る中国「抗日戦争」の真相』(遠藤誉・著)は、「国共合作」で日本軍と戦っていたはずの中国共産党軍が、実は日本軍と共謀して国民党を追い詰めていた事実を丹念に実証し、前著『毛沢東―日本軍と共謀した男―』で状況証拠をもとに描いたストーリーを、史実によって裏付けていきます。旧満州に生まれ、国共内戦を経験、生涯をかけて中国研究に邁進してきた著者による渾身の論考です。
4月は新社会人誕生の季節、勉強と交遊から仕事と社交の中心の日々へ、公私ともライフスタイルが大きく変わるタイミングですが、様々な環境変化に無理に適応しようとすると、ついついオーバーワークやメンタル不調にも陥りがちです。『コミュ力不要の社交術』(古市憲寿・著)は、20代でデビューして以来変わらずメディアで活躍し続ける著者が、友人の作り方から会話や社交、コスパよく働くための仕事術や思考法まで、実践的ライフハック術を大公開。目からウロコの「頑張りすぎない」スタイルに納得です。
今月は2003年の新潮新書創刊から23周年にあたります。折にふれ数々のベストセラーを生み出してくださった著者の方々並びに大勢の読者の皆さまに、あらためて感謝を申し上げます。今後とも「新潮新書」をよろしくお願いいたします。
2026/04































