新潮新書

「そもそも」を深く問う

「本」とは何か──出版業界で働いて30数年、週刊誌や月刊誌、書籍と様々な本づくりに携わってきましたが、この問い自体を深く追究することはありませんでした。
町の書店で欲しい本を買ってもらった小学生時代、小遣いで文庫を買い漁った中学・高校時代、大学では通学途上の古本屋街が格好の暇つぶしの場でした。読書離れと業界の苦境は入社以来ずっと聞かされてきましたが、それでも「本を読む」ことでしか得られない体験があり、大なり小なり人生に影響を与えてきたように思います。
『本とは何か』(難波優輝・著)では、本や雑誌やコミックスから書店という存在と役割まで、本をめぐる思索が縦横に展開されます。生成AIが普及し「本が読めなくなった人たち」が話題になるなか、新潮社は今年で創立130年を迎えます。かつても今も、また未来に向けても、目からウロコの「本の哲学」の誕生です。
日々、文字と言葉を駆使しながらも、音楽のない人間社会は考えられないもの。ではそもそも「音楽」とは何か、どのようにして生まれ、変容し、進化してきたのか──音楽史の本は世に数多ありますが、実作者の視点から音楽に革命をもたらした出来事をピックアップしたのが、『ヒトと音楽の進化』(佐野芳彦・著)。ときに西洋音楽史には定番の大作曲家さえ素通りしながら、触れられることのないサティの革新性に注目し、さらには現代ポピュラー音楽についても詳説するなど、まったく新しい音楽通史にご注目ください。
そして、発売前からメディアやファンのあいだで注目されているのが『星野源論』(戸部田誠(てれびのスキマ)・著、つやちゃん・著、小田部仁・編)です。音楽家であり、俳優であり、文筆家──ジャンルを超えてすぐれた活躍を続ける星野源とは、いったい何者なのか。幼少期に抱えた世界への違和感、歌い踊るための型、作品の奥にそっと忍ばせたもの、生死をさまよった体験、創造の源泉と次世代への影響などなど、「アナーキーなポップスター」の表現の根幹に「芸能史」と「音楽批評」から迫ります。
当たり前のように存在する何か、それに対してAIがはじき出すよどみない解説......そんな「答え」とは遠く離れた、人間ならではの批評にあふれた3冊です。
町の書店で欲しい本を買ってもらった小学生時代、小遣いで文庫を買い漁った中学・高校時代、大学では通学途上の古本屋街が格好の暇つぶしの場でした。読書離れと業界の苦境は入社以来ずっと聞かされてきましたが、それでも「本を読む」ことでしか得られない体験があり、大なり小なり人生に影響を与えてきたように思います。
『本とは何か』(難波優輝・著)では、本や雑誌やコミックスから書店という存在と役割まで、本をめぐる思索が縦横に展開されます。生成AIが普及し「本が読めなくなった人たち」が話題になるなか、新潮社は今年で創立130年を迎えます。かつても今も、また未来に向けても、目からウロコの「本の哲学」の誕生です。
日々、文字と言葉を駆使しながらも、音楽のない人間社会は考えられないもの。ではそもそも「音楽」とは何か、どのようにして生まれ、変容し、進化してきたのか──音楽史の本は世に数多ありますが、実作者の視点から音楽に革命をもたらした出来事をピックアップしたのが、『ヒトと音楽の進化』(佐野芳彦・著)。ときに西洋音楽史には定番の大作曲家さえ素通りしながら、触れられることのないサティの革新性に注目し、さらには現代ポピュラー音楽についても詳説するなど、まったく新しい音楽通史にご注目ください。
そして、発売前からメディアやファンのあいだで注目されているのが『星野源論』(戸部田誠(てれびのスキマ)・著、つやちゃん・著、小田部仁・編)です。音楽家であり、俳優であり、文筆家──ジャンルを超えてすぐれた活躍を続ける星野源とは、いったい何者なのか。幼少期に抱えた世界への違和感、歌い踊るための型、作品の奥にそっと忍ばせたもの、生死をさまよった体験、創造の源泉と次世代への影響などなど、「アナーキーなポップスター」の表現の根幹に「芸能史」と「音楽批評」から迫ります。
当たり前のように存在する何か、それに対してAIがはじき出すよどみない解説......そんな「答え」とは遠く離れた、人間ならではの批評にあふれた3冊です。
2026/06































