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【日本ファンタジーノベル大賞2018 決定発表】大塚已愛
【特集】ファンタジー最新地図

小説新潮 2018年12月号

(毎月22日発売)

998円(税込)

雑誌の仕様

発売日:2018/11/22

発売日 2018/11/22
JANコード 4910047011289
定価 998円(税込)
■目次
日本ファンタジーノベル大賞2018 決定発表】
「いずれも高レベル」と評された最終候補の中で栄冠に
輝いたのは、堂々たる時代エンターテインメントだった

◆受賞作
大塚おおつか已愛いちか勿怪もっけがかり(抄)
――秘剣の術を父から授かった少年は、異国の少女を助けるために長崎へ向かう――選考会で圧倒的支持を集めた伝奇ロマン!

◆受賞の言葉

◆選評
恩田 陸 萩尾望都 森見登美彦

◆日本ファンタジーノベル大賞2019募集要項

特集 ファンタジー最新地図
【小説】
柿村将彦/脳と手足
――身体の一部のように思っていた年下の幼なじみが突然消え

一條次郎/貝殻プールでまちあわせ
――奇妙な絵とプールがある別荘で、おれが出会ったのは――

◆清水裕貴/或る観賞魚
――私は綺麗なだけの魚。硝子の向こうには人間たちが蠢いて

冴崎 伸/悪魔の花
――白い部屋に集められた子供たち。運び込まれた花の正体は

清水 朔/めでた隠し 奇譚蒐集録
――大正三年正月。鹿児島で耳慣れぬ風習を聞きつけた主と私

◆三好昌子/百鬼遊行絵巻 影の段
――御所に現れる影喰らいの噂。将軍後継問題と関わりが?

【特別インタビュー】
◆上田久美子(宝塚歌劇団演出家)/ファンタジック・タカラヅカを夢見て
――電車で行ける夢の世界、宝塚! 書き手はその世界観をいかに作り上げるのか? 直撃取材。

【新連載】
佐藤 優/村上春樹『騎士団長殺し』を読む
神なき時代における愛のリアリティー
――優れたテキストは、著者から離れて独自の命を持つ――
様々な憶測を呼んだ大長編に、知の巨人が神学的見地から挑む

野地秩嘉/サービスの達人たち
――世にサービスがあれば、そこには必ず達人がいる。
読めばじんわり勇気が湧く、プロたちのあっと驚くお仕事紹介!

【特選読み切り短編】
西條奈加/瓦のくに せきこえ
――想い人と親友との密会を目撃した武一は悶々と日を送るが

◆松尾 潔/うろん
――福岡でメジャーデビューを目指す莉奈を支えているのは……

【バラエティコラム】
〈あのとき聞いた音楽〉渋谷直角
〈いつか住みたい街〉滝沢秀一
〈もういちど会いたい〉椋橋彩香

【注目の「鉄学」紀行】
原 武史/「線」の思考
第三回 軍隊が消えた街――旭川の光と影
――北海道開拓の要地、軍都として発展した旭川。市内に鉄道網も張り巡らされ栄えた街は、敗戦とともに姿を変えた――

【連載第二回】
川上和人/オニソロジスト嘘つかない
酒井順子/処女の道程
中野 翠/コラムニストになりたかった

◆本の森――新刊文芸書から、選りすぐりを紹介
〈仕事・人生〉吉田大助
〈医療・介護〉東えりか
〈ホラー・ミステリ〉村上貴史

小説新潮作家名鑑
◆清水裕貴
――考えたい時、考えすぎて疲れた時に、彼女は水辺を訪う

【連載エッセイ・マンガ・インタビュー】
◆岩井勇気/僕の人生には事件が起きない
中野信子/孤独な脳、馬鹿になれない私
ペリー荻野/テレビの荒野を歩いた人たち 中村メイコの巻 後編
◆道草晴子/下北日記

【好評連載小説】
赤川次郎/いもうと
朝井まかて/輪舞曲 ロンド
安部龍太郎/迷宮の月
石田衣良/清く貧しく美しく
◆今村翔吾/八本目の槍
江上 剛/特命金融捜査官 清算
逢坂 剛/鏡影劇場
奥田英朗/霧の向こう
京極夏彦/今昔百鬼拾遺 天狗
熊谷達也/我は景祐
黒川博行/熔果
今野 敏/清明 隠蔽捜査8
白石一文/ひとりでパンを買いに行く日々に
西村京太郎/富山地方鉄道殺人事件 最終回
楡 周平/鉄の楽園
貫井徳郎/邯鄲の島遥かなり
◆藤野恵美/サバイバーズ・ギルト
◆薬丸 岳/刑事弁護人
山本文緒/自転しながら公転する

第六回「新潮ミステリー大賞」募集要項
次号予告/表紙画家のつぶやき

この号の誌面

編集長から

二年目も快作誕生 ファンタジーノベル大賞

「選考している賞の候補作のレベルが高いというのは、しみじみ嬉しい」とは、恩田陸選考委員のコメント。新生なって二回目を迎えた「日本ファンタジーノベル大賞2018」で、並み居る力作、問題作を凌いで栄冠を勝ち得たのは、大塚已愛氏の「勿怪の憑」だ。江戸初期の九州を舞台に、剣の達人、人喰い鬼に人魚、隠れキリシタンが入り乱れる堂々たる伝奇エンターテインメントで、選考委員がこぞってその力量を評価。本号では冒頭のみの抄録だが、来年三月の単行本刊行が待たれる、新人離れした快作だ。
 今月は同賞発表に併せて、過去の受賞者を始めとして、このジャンルの精鋭6氏による小説特集「ファンタジー最新地図」に、宝塚歌劇のファンタジー性を探る演出家・上田久美子氏への特別インタビューも。
 さらに、村上春樹騎士団長殺し』を佐藤優氏が読み解く長編評論と、野地秩嘉氏の人気シリーズ「サービスの達人」という、ユニークな二大新連載にもご注目を。

小説新潮編集長 江木裕計

バックナンバー

雑誌バックナンバーの販売は「発売号」と「その前の号」のみとなります。ご了承ください。

雑誌から生まれた本

小説新潮とは?

 小説新潮は戦後まもない一九四七年に創刊されました。以来、文学史に名をとどめる作家で、小説新潮に登場したことのない名前を探すほうが困難なほど、数多の文豪、巨匠、新進気鋭による名作、名シリーズが誌面を飾ってきました。

 時代は変わり、新しい作家、若い書き手も次々に現れます。変わらないのは「小説を読む楽しみ」を大切にすること。現代小説、時代小説、ミステリー、恋愛、官能……。ジャンルにこだわらず、クオリティの高い、心を揺り動かされる小説を掲載していきます。

 小説と並ぶ両輪が、エッセイと豊富な読物です。小説新潮では、毎号、ボリュームのある情報特集や作家特集を用意しています。読み応えは新書一冊分。誰かに教えたくなる情報が、きっとあります。

 目指すのは、大人の小説、大人の愉しみが、ぎっしり詰まった雑誌です。経験を重ね、人生の陰翳を知る読者だからこそ楽しめる小説、今だからこそ必要とされる情報を、ぎっしり詰め込んでいきたい。

 言葉を換えれば、「もうひとつの人生を体験する小説誌」。時には主人公たちの息遣いに寄り添い、またある時には人生の新たな側面を見つけるささやかなヒントになれば――そう願っています。
 ほんの少しかもしれませんが、小説新潮で毎月の生活がきっと変わるはずです。

雑誌主催・共催・発表誌の文学賞