【特集】お金、欲しいですか?
柚木麻子/久坂部羊/柿村将彦/花房観音
小説新潮 2022年3月号
(毎月22日発売)
発売日 | 2022/02/22 |
---|---|
JANコード | 4910047010329 |
定価 | 1,000円(税込) |
【特集】お金、欲しいですか?
◆柚木麻子/商店街マダムショップは何故潰れないのか?
――二十二歳下の友人に押し切られ、私は謎の店に乗り込むことに
◆久坂部羊/貢献の病
――落ち目の作家が出版社を訴えると言い出した。秘書は困惑するばかりで
◆柿村将彦/もやもや塩湖
――楽しいはずのゼミ合宿。なぜ我々は水辺を寂しく歩いているのか
◆花房観音/お金より大事なもの
――セックスと引き換えに背負った借金四百万。返済のために私は
〈マンガ〉
◆コナリミサト/プレシャスプライスレス!
――本誌初登場! 人気漫画家が描く、お金とひとのフシギな関係
〈一粒万倍対談〉
◆井上はじめ×原田ひ香/投資って、何するの? 楽しく生きるためのお金の増やし方
――「投資ってなんだか怖い……」そう思う人にこそ読んでほしい、お金と上手に付き合う方
〈実録ルポ〉
目指せ、億万長者!?︎ お金の神さま参拝記
――お金の神さまのご利益を求めて、金運アップに効果があるとされる神社を巡った。結果やいかに――
【傑作短編揃い踏み】
◆町田そのこ/春の善き日に 前編
――急に一緒に登校してくれなくなった幼馴染。もしかして、好きなひとができた?
◆武田綾乃/重ね着
――東京に暮らす妹が、突然京都に帰ってきた。「伏見稲荷、登ろう」。その誘いの意図は
◆松嶋智左/署長官舎 後編
――勇退間際に姿をくらました署長。篤史は行方を追いながら過去を繙いて行く――
◆一木けい/菜食週間
――コロナでタイの国境が閉鎖された時、夫は別の国にいた。一人で暮らす私の前に現れたのは
【大好評! しゃばけシリーズ】
◆畠中 恵/せいぞろい
――若だんなの誕生の日を祝うことになった妖達は――
【バラエティコラム】
〈もういちど会いたい〉ニシダ(ラランド)
〈あのとき聴いた音楽〉諸隈 元
〈そのとき(わたしの)歴史が動いた〉内田紅甘
◆本の森――新刊文芸書から、選りすぐりを紹介
〈歴史・時代〉田口幹人
〈SF・ファンタジー〉北村浩子
〈恋愛・青春〉高頭佐和子
【連載エッセイ・ノンフィクション・マンガ】
◆阿刀田高/ちょうど時間となりました―あるユニークな作家の回想―
◆いしいひさいち/剽窃新潮
◆加納愛子/行儀は悪いが天気は良い
◆佐藤 優/村上春樹『騎士団長殺し』を読む
◆スズキナオ/家族が一番わからない
◆田中卓志/ちょっと不運なほうが生活は楽しい
◆友近/友近道中
◆中野信子/孤独な脳、馬鹿になれない私
◆益田ミリ/ツユクサナツコの一生
◆宮下洋一/デス・ペナルティー 生と死のあいだで
◆群ようこ/四十年、こんな感じで書いてます
◆山本さほ/てつおとよしえ
【新作映画紹介】
◆紙の上の映画館
【好評連載小説】
◆乾 緑郎/おどろかし 戯場國の怪人
◆伊吹有喜/
◆恩田 陸/追憶の五重奏
◆桐野夏生/ダークネス
◆篠田節子/ドゥルガーの島
◆寺地はるな/雲に届く
◆馳 星周/眠らぬ王 極夜・第二部
◆原田マハ/晴れの日の木馬たち
◆宮城谷昌光/公孫龍
◆山本一力/ひむろ飛脚 最終回
「日本ファンタジーノベル大賞2023」募集要項
第九回「新潮ミステリー大賞」募集要項
次号予告
この号の誌面
編集長から
史上初!? 異色の「お金特集」
毎日かならず使い、無いと本当に困るけれど、時には少しで十分な気もする――今号の特集テーマは、たぶん本誌史上初の「お金」。柚木麻子さんが独立系マダム向け洋品店の謎に迫れば、久坂部羊さんはベテラン小説家の妄執を鮮やかに活写します。柿村将彦さんが描き出す、お金の神様・弁天に振り回される大学生の姿には(相当ひどい目にあっているのに)なんだか楽しくなりますし、花房観音さんによる、ダメ男の借金を身体で返す女の姿には、なぜかこちらが励まされるような気持ちになってくるのです。
小説以外の読み物も充実。『凪のお暇』でおなじみの漫画家・コナリミサトさんが描くのは、なんと五百円玉の流転の半生。さらに『三千円の使いかた』が大ヒット中の原田ひ香さんは、自身が感銘を受けた『33歳で手取り22万円の僕が1億円を貯められた理由』の著者で投資家の井上はじめさんと対談。お金に振り回されないためのお金の使い方について語ります。
小説新潮編集長 西麻沙子
次号予告
バックナンバー
雑誌バックナンバーの販売は「発売号」と「その前の号」のみとなります。ご了承ください。
雑誌から生まれた本
小説新潮とは?
小説新潮は戦後まもない一九四七年に創刊されました。以来、文学史に名をとどめる作家で、小説新潮に登場したことのない名前を探すほうが困難なほど、数多の文豪、巨匠、新進気鋭による名作、名シリーズが誌面を飾ってきました。
時代は変わり、新しい作家、若い書き手も次々に現れます。変わらないのは「小説を読む楽しみ」を大切にすること。現代小説、時代小説、ミステリー、恋愛、官能……。ジャンルにこだわらず、クオリティの高い、心を揺り動かされる小説を掲載していきます。
小説と並ぶ両輪が、エッセイと豊富な読物です。小説新潮では、毎号、ボリュームのある情報特集や作家特集を用意しています。読み応えは新書一冊分。誰かに教えたくなる情報が、きっとあります。
目指すのは、大人の小説、大人の愉しみが、ぎっしり詰まった雑誌です。経験を重ね、人生の陰翳を知る読者だからこそ楽しめる小説、今だからこそ必要とされる情報を、ぎっしり詰め込んでいきたい。
言葉を換えれば、「もうひとつの人生を体験する小説誌」。時には主人公たちの息遣いに寄り添い、またある時には人生の新たな側面を見つけるささやかなヒントになれば――そう願っています。
ほんの少しかもしれませんが、小説新潮で毎月の生活がきっと変わるはずです。