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【特集】第21回女による女のためのR-18文学賞決定発表

小説新潮 2022年5月号

(毎月22日発売)

1,000円(税込)

雑誌の仕様

発売日:2022/04/22

発売日 2022/04/22
JANコード 4910047010527
定価 1,000円(税込)
■目次
【特集】第21回女による女のためのR-18文学賞
○受賞作発表
○受賞の言葉

○選評 窪 美澄東村アキコ柚木麻子/友近

○大賞
◆上村裕香/救われてんじゃねえよ
――八畳一間の家で、一人で母を介護する高校生の沙智。そんな中、母の障害年金がおりるが――

○友近賞
◆古池ねじ/いい人じゃない
――夜十時、在宅ワーク中、スマホにメッセージが。元夫からでないことを願いながら目をやると

【歴代受賞者競作】
一木けい/歯形
――憧れの志貴さんとやっと付き合えた。でも彼女の体には

田中兆子/乳首差別主義者
――この写真の乳首だけが気になって仕方がない。なんでだ

白尾 悠/画面の彼方に
――Web会議に見知らぬ顔が。気付いているのは私だけ?

清水裕貴/有り余る果実
――常連客に恋の予感? 店長の心には父の姿がちらついて

◆小沼朗葉/ピンクの髪
――美容院で何気なく吐いた嘘。やがて波紋が広がっていき

◆秋ひのこ/透明な気持ち
――いじめを苦に姉が自殺して約一年。静香は中学生になり

◆梅田寿美子/カイダンシと一命の鳥
――怪談甲子園出場を持ちかけられた陽向の頭に浮かんだのは

◆宮島未奈/階段は走らない
――閉店する地元の百貨店。行ってみると旧友が集っていて
【待望の新連載】
赤川次郎/暗殺
――受験の朝、少女の前で銃が抜かれた――。遺された者の苦悩を描く重厚なミステリ、開幕
【追悼エッセイ】
辻 真先/西村さんの背中を見つづけて
――天へ旅立つ瞬間まで現役を貫いた西村京太郎さん。その背中を追い続けた後輩作家の目に映るのは――
【『咲かせて三升の團十郎』刊行記念対談】
◆蝉谷めぐ実×仁志耕一郎/役者の魂を掬う
――江戸の芝居小屋を飛び出し、現代の書き手の創作意欲を刺激する彼ら。その魅力は一体どこに
【傑作読み切り】
井上荒野/静かな、もの悲しい、美しい曲
――僕はリーのために、そして自分のために祈る。運命の人に会えますように、と
【大好評! しゃばけシリーズ】
畠中 恵/妖百物語
――百物語に参加することになった若だんなを待ち受けるのは――。
シリーズ第二一弾、最終回!
【バラエティコラム】
〈もういちど会いたい〉松居大悟
〈あのとき聴いた音楽〉吉田靖直(トリプルファイヤー)
〈わたしの相棒〉稲田 浩
◆本の森――新刊文芸書から、選りすぐりを紹介
〈歴史・時代〉田口幹人
〈SF・ファンタジー〉北村浩子
〈恋愛・青春〉高頭佐和子
【連載エッセイ・ノンフィクション・マンガ】
阿刀田高/ちょうど時間となりました―あるユニークな作家の回想―
◆いしいひさいち/剽窃新潮
岩井勇気/僕の人生には事件が起きない
◆加納愛子/行儀は悪いが天気は良い
佐藤 優/村上春樹『騎士団長殺し』を読む
◆スズキナオ/家族が一番わからない
◆田中卓志/ちょっと不運なほうが生活は楽しい
◆友近/友近道中
中野信子/孤独な脳、馬鹿になれない私
益田ミリ/ツユクサナツコの一生
◆宮下洋一/デス・ペナルティー 生と死のあいだで
群ようこ/四十年、こんな感じで書いてます
◆山本さほ/てつおとよしえ
【新作映画紹介】
◆紙の上の映画館
【好評連載小説】
乾 緑郎/おどろかし 戯場國の怪人
伊吹有喜あかりの島
乙川優三郎/ロゴスの海のジプシー
恩田 陸/追憶の五重奏
桐野夏生/ダークネス
重松 清/十一番目の色 シリーズ「まなつ」
篠田節子/ドゥルガーの島
寺地はるな/雲に届く
馳 星周/眠らぬ王 極夜・第二部
原田マハ/晴れの日の木馬たち
宮城谷昌光/公孫龍
第三十五回「山本周五郎賞」候補作発表
「日本ファンタジーノベル大賞2023」募集要項
次号予告

この号の誌面

編集長から

レベル高すぎ! R-18文学賞

 今年で二一回を数える「女による女のためのR-18文学賞」。新たに窪美澄さん、東村アキコさん、柚木麻子さんを選考委員に迎えました。史上最多の九八〇作から選ばれた最終候補五作は、お三方が「レベル高すぎ」「このまま小説誌に載っててもいいぐらい」と話すほど。当然選考も白熱、柚木さんがキャッチーな比喩を次々繰り出せば窪さんは心配りの行き届いた意見を述べ、小説の選考は初めてという東村さんが漫画の新人賞選考経験をしみじみ語るなど、熱い議論の末に大賞に決まったのはヤングケアラーを描いたかみむらゆたさんの「救われてんじゃねえよ」でした。タレントの友近さんが選ぶ友近賞に輝いたいけねじさん「いい人じゃない」とともに、今後の活躍を心から願っています。
 三月に逝去された西村京太郎さん。辻真先さんによる真心あふれた追悼エッセイでは、トラベルミステリーだけでなく社会派としての貌にも焦点を当て、偉大な足跡を追っています。

小説新潮編集長 西麻沙子

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小説新潮とは?

 小説新潮は戦後まもない一九四七年に創刊されました。以来、文学史に名をとどめる作家で、小説新潮に登場したことのない名前を探すほうが困難なほど、数多の文豪、巨匠、新進気鋭による名作、名シリーズが誌面を飾ってきました。

 時代は変わり、新しい作家、若い書き手も次々に現れます。変わらないのは「小説を読む楽しみ」を大切にすること。現代小説、時代小説、ミステリー、恋愛、官能……。ジャンルにこだわらず、クオリティの高い、心を揺り動かされる小説を掲載していきます。

 小説と並ぶ両輪が、エッセイと豊富な読物です。小説新潮では、毎号、ボリュームのある情報特集や作家特集を用意しています。読み応えは新書一冊分。誰かに教えたくなる情報が、きっとあります。

 目指すのは、大人の小説、大人の愉しみが、ぎっしり詰まった雑誌です。経験を重ね、人生の陰翳を知る読者だからこそ楽しめる小説、今だからこそ必要とされる情報を、ぎっしり詰め込んでいきたい。

 言葉を換えれば、「もうひとつの人生を体験する小説誌」。時には主人公たちの息遣いに寄り添い、またある時には人生の新たな側面を見つけるささやかなヒントになれば――そう願っています。
 ほんの少しかもしれませんが、小説新潮で毎月の生活がきっと変わるはずです。

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