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【特集】妖しの饗宴
万城目 学/宇佐美まこと/織守きょうや/新名 智/木江 恭/澤西祐典/矢樹 純

小説新潮 2023年8月号

(毎月22日発売)

1,000円(税込)

雑誌の仕様

発売日:2023/07/22

発売日 2023/07/22
JANコード 4910047010831
定価 1,000円(税込)
■目次
【特集】あやしの饗宴

万城目 学/カウンセリング・ウィズ・ヴァンパイア
――その放射線技師は、毎年ある悪夢を見るという。夢で江戸時代の出島を彷徨う男の正体は

宇佐美まこと/糸切り歯
――女中のセキの、白くて鋭く尖った糸切り歯。丈夫なものに食い込むとどうなるのだろう

織守きょうや/やみ鍋
――見知らぬ男に渡された土鍋、その中身は何? 鍋を持ったまま、俺は夢現の間を行き来する

◆新名 智/邪眼コントリビュート
――インドネシアのとある島に伝わる文様には、目にした者に災いをもたらす呪いがあって

◆木江 恭/夢見鳥
――また嫌な夢を見た。憂鬱な気分で出社した阿子を待っていたのは、妙な噂のある後輩で

◆澤西祐典/貝殻人間
――夜の浜辺の公園で焚火を囲む人々。彼らは皆、“あるもの”に居場所を奪われていた――

矢樹 純声失こわう
――叔父と共に、母方の実家である東北の古い山寺を訪れた。語られるのは〈神隠し〉の伝承で

〈『禍』刊行記念 全編解説インタビュー〉
小田雅久仁 聞き手:朝宮運河/「今いる場所と全く違うところに読者を連れて行きたい」
――執筆一二年、奇想とロマン溢れる短編集! 七編への思いと裏話を作家が自ら語る

〈特別インタビュー〉
◆竹内佐千子/死のまわりをぐるぐるまわり続けて
――死後の世界を優しく切なく描きだす最新作を上梓したマンガ家。その思考の源をたどると
【待望の読み切り】
河端ジュン一/転生地獄 『文豪とアルケミスト』ノベライズ
――私は、誰でしょう? ここはどこなのか? 目を覚ました夢野久作に忍び寄るのは――
【グラビア】
日本ファンタジーノベル大賞2023贈呈式
【バラエティコラム】
〈わたしの東京〉平戸 萌
〈うれしい買い物〉齊藤ジョニー
〈わたしの相棒〉姫野 桂
【連載エッセイ・ノンフィクション・マンガ】
◆いしいひさいち/剽窃新潮
岩井勇気/僕の人生には事件が起きない
川上和人/鳥類学者の半分は、鳥類学ではできてない
◆くどうれいん/くどうのいどう
◆こいしゆうか/くらべて、けみして 校閲部のじゅうさん
酒井順子/松本清張の女たち
◆友近/友近道中
◆堀元 見/読むだけでグングン頭が良くなる下ネタ大全
【新作映画紹介】
◆紙の上の映画館
◆本の森――新刊文芸書から、選りすぐりを紹介
〈仕事・人生〉吉田大助
〈SF・ファンタジー〉北村浩子
〈ノンフィクション〉東えりか
【好評連載小説】
赤川次郎/暗殺
伊吹有喜あかりの島
◆川越宗一/満腔まんこうの熱血
桐野夏生/ダークネス
今野 敏/一夜 隠蔽捜査10
澤田瞳子/のち更に咲く
月村了衛/虚の伽藍
宮城谷昌光/公孫龍
諸田玲子/岩に牡丹
吉川トリコ/裸足でかけてくおかしな妻さん
第十回「新潮ミステリー大賞」最終候補作発表
第十一回「新潮ミステリー大賞」募集要項
次号予告

この号の誌面

編集長から

真夏の夜の悪夢みたいな小説

「人体とホラーは切っても切れない」と話すのは、新刊『』を上梓した小田雅久仁さん。この一二年の間に小誌に掲載された一〇作から著者自身が精選した七編を収めたこの短編集、そのモチーフはすべて身体に備わったもの。目、耳、鼻、口……当たり前のようにそこにある器官が異界への入り口となり、やがて読み手を熱狂と混沌へと追い立てていきます。本号の自作解説インタビューでは創作の秘密と裏話をたっぷり伺いました(まさかあの奇譚が「お仕事小説」だったとは!)。物語を追うごとに五感が侵食される、誰も見たことのない世界をぜひ単行本でご堪能ください。
 特集でも「あやしの饗宴」と題して怪談や怪奇小説を掲載。万城目学さんのヴァンパイアもの、矢樹純さんのホラーミステリなどヴァラエティに富んだ七作をお届けします。
 掲載のたびに大反響を巻き起こす、河端ジュン一さんの『文豪とアルケミスト』スピンオフ短編。今回は夢野久作です!

小説新潮編集長 西麻沙子

次号予告

バックナンバー

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雑誌から生まれた本

小説新潮とは?

 小説新潮は戦後まもない一九四七年に創刊されました。以来、文学史に名をとどめる作家で、小説新潮に登場したことのない名前を探すほうが困難なほど、数多の文豪、巨匠、新進気鋭による名作、名シリーズが誌面を飾ってきました。

 時代は変わり、新しい作家、若い書き手も次々に現れます。変わらないのは「小説を読む楽しみ」を大切にすること。現代小説、時代小説、ミステリー、恋愛、官能……。ジャンルにこだわらず、クオリティの高い、心を揺り動かされる小説を掲載していきます。

 小説と並ぶ両輪が、エッセイと豊富な読物です。小説新潮では、毎号、ボリュームのある情報特集や作家特集を用意しています。読み応えは新書一冊分。誰かに教えたくなる情報が、きっとあります。

 目指すのは、大人の小説、大人の愉しみが、ぎっしり詰まった雑誌です。経験を重ね、人生の陰翳を知る読者だからこそ楽しめる小説、今だからこそ必要とされる情報を、ぎっしり詰め込んでいきたい。

 言葉を換えれば、「もうひとつの人生を体験する小説誌」。時には主人公たちの息遣いに寄り添い、またある時には人生の新たな側面を見つけるささやかなヒントになれば――そう願っています。
 ほんの少しかもしれませんが、小説新潮で毎月の生活がきっと変わるはずです。

雑誌主催・共催・発表誌の文学賞