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【ミステリ特集】真実は、いつもひとつ?
今野 敏/荻堂 顕/阿津川辰海/一色さゆり/京橋史織/寺嶌 曜/新名 智

小説新潮 2023年10月号

(毎月22日発売)

1,000円(税込)

雑誌の仕様

発売日:2023/09/22

発売日 2023/09/22
JANコード 4910047011036
定価 1,000円(税込)
■目次
【ミステリ特集】真実は、いつもひとつ?

今野 敏/適材 隠蔽捜査外伝
――本部長に呼び出された竜崎。人事の相談があるというが

荻堂 顕/ミート・ミー・オン・ザ・テーブル
――彼女の死と、失われた肉の味。ぼくは異国で答えを探す

◆阿津川辰海/迷探偵・夢見灯の読書会 そして誰にも共感出来なかった
――あの不朽の名作に酷似した事件に巻き込まれた俺は……

◆一色さゆり/憧れの君となら
――絵筆を握る少女たちが追いかけるのは、一枚の肖像画で

京橋史織/最後の晩餐のレシピ
――巻き込まれた詐欺事件。出張シェフの里穂が見たものは

寺嶌 曜/バーニング
――十日前の殺人事件と一年半前の交通事故にはある接点が

◆新名 智/亡魂モックアップ
――死んだはずの人間のブログが再び更新されていて――

第十回「新潮ミステリー大賞」

〈決定発表〉

〈選評〉
貴志祐介道尾秀介湊かなえ

〈インタビュー〉
結城真一郎/僕の「戦略」と「失敗」
――どうやって作家になる? そしてサバイブするためには? 攻略法を赤裸々に語る!
【『脳の闇』ベストセラー記念対談】
◆岸田 繁(くるり)×中野信子/王道を行かない自分も受け入れて
――本書に後押しをしてもらったという岸田氏。話が進むにつれ、初対面の二人の共鳴は止まず
【バラエティコラム】
〈うれしい買い物〉三浦哲哉
〈あのとき聴いた音楽〉齊藤 彩
〈わたしの相棒〉加藤 亮
【連載エッセイ・ノンフィクション・マンガ】
◆いしいひさいち/剽窃新潮
岩井勇気/僕の人生には事件が起きない
川上和人/鳥類学者の半分は、鳥類学ではできてない
◆くどうれいん/くどうのいどう
酒井順子/松本清張の女たち
◆友近/友近道中
◆堀元 見/読むだけでグングン頭が良くなる下ネタ大全
◆本の森――新刊文芸書から、選りすぐりを紹介
〈仕事・人生〉吉田大助
〈SF・ファンタジー〉北村浩子
〈医療・介護〉杉江松恋
【好評連載小説】
伊吹有喜あかりの島
◆川越宗一/満腔まんこうの熱血
桐野夏生/ダークネス
澤田瞳子/のち更に咲く
月村了衛/虚の伽藍
宮城谷昌光/公孫龍
諸田玲子/岩に牡丹
吉川トリコ/裸足でかけてくおかしな妻さん
【新作映画紹介】
◆紙の上の映画館
第二十二回「小林秀雄賞新潮ドキュメント賞」決定発表
第十一回「新潮ミステリー大賞」募集要項
次号予告

この号の誌面

編集長から

音楽家×脳科学者の幸福な出会い

 幸せな出会いってあるんだな、と思いました。バンド「くるり」のミュージシャン岸田繁さんと脳科学者の中野信子さんによる対談のことです。岸田さんが自身のSNSに中野さんの著書『脳の闇』の表紙をアップし「むちゃくちゃ面白い」と書き込んだのは今年の六月のこと。数か月後の対談が初顔合わせでしたが、そうは思えないほど二人の息はぴったり――まるでスライドパズルのコマがすこんすこんと嵌っていくような、気持ちよく膝を打つ対話の連続でした。「王道を選べない世代」の二人のお話、ぜひ本誌にてご覧ください。
「新潮ミステリー大賞」は今年で第十回の節目を迎えました。残念ながら受賞作なしとなりましたが、貴志祐介さん、道尾秀介さん、湊かなえさんによる愛ある選評、そして歴代受賞者の荻堂顕さん、京橋史織さん、寺嶌曜さんらの短編を掲載。結城真一郎さんがセキララに語った新人賞突破のための「戦略」は、すべての作家志望者必読です!

小説新潮編集長 西麻沙子

次号予告

バックナンバー

雑誌バックナンバーの販売は「発売号」と「その前の号」のみとなります。ご了承ください。

雑誌から生まれた本

小説新潮とは?

 小説新潮は戦後まもない一九四七年に創刊されました。以来、文学史に名をとどめる作家で、小説新潮に登場したことのない名前を探すほうが困難なほど、数多の文豪、巨匠、新進気鋭による名作、名シリーズが誌面を飾ってきました。

 時代は変わり、新しい作家、若い書き手も次々に現れます。変わらないのは「小説を読む楽しみ」を大切にすること。現代小説、時代小説、ミステリー、恋愛、官能……。ジャンルにこだわらず、クオリティの高い、心を揺り動かされる小説を掲載していきます。

 小説と並ぶ両輪が、エッセイと豊富な読物です。小説新潮では、毎号、ボリュームのある情報特集や作家特集を用意しています。読み応えは新書一冊分。誰かに教えたくなる情報が、きっとあります。

 目指すのは、大人の小説、大人の愉しみが、ぎっしり詰まった雑誌です。経験を重ね、人生の陰翳を知る読者だからこそ楽しめる小説、今だからこそ必要とされる情報を、ぎっしり詰め込んでいきたい。

 言葉を換えれば、「もうひとつの人生を体験する小説誌」。時には主人公たちの息遣いに寄り添い、またある時には人生の新たな側面を見つけるささやかなヒントになれば――そう願っています。
 ほんの少しかもしれませんが、小説新潮で毎月の生活がきっと変わるはずです。

雑誌主催・共催・発表誌の文学賞