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お知らせ

 朝井リョウあさのあつこ伊坂幸太郎恩田陸白河三兎三浦しをん。大人気作家6名の短編が1冊に! お題はズバリ「クリスマス」。『X'mas Stories―一年でいちばん奇跡が起きる日―』は、この時期にぴったりのアンソロジーです。

「26歳のクリスマス」をずっと意識し続けてきたOL、「クリぼっち」確定の司法浪人生、そして、華やぐ東京の街にタイムスリップしてしまった武士......! 同じ「クリスマス」をテーマにしながらも驚くほどバラエティー豊かな物語が収録されています。変化球でありつつロマンティックな味わいにときめく、傑作揃いの6編です。


人気作家6名から直筆カードがイブに届く!
 テーマにちなんで、本書をお買い求めの読者の方々にクリスマス・プレゼントをご用意しました。執筆陣6名による手書きのカードを抽選で24名様にお贈りします。ご応募は12月20日(火)必着! どんなメッセージが書いてあるかは、当選者だけのお楽しみ。イブの日に、大好きなあの作家からとっておきのクリスマス・カードが届くかも。詳しくは本書の帯または [こちら]をごらん下さい。

 発売後たちまち大増刷がかかった本書、大切な人への贈り物に、自分へのご褒美に、ぜひお手にとっていただけたら幸いです。

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2016年12月12日   お知らせ / 今月の1冊

 累計80万部を突破した「君たちに明日はない」シリーズも、このたび文庫化された『迷子の王様―君たちに明日はない5―』で、ついに完結となりました。

 2000年代前半、"リストラ請負人"を主人公にした垣根涼介さんの小説、『君たちに明日はない』は衝撃的に登場しました。長引く不況でリストラが社会問題になっていた頃、企業にとって悩ましい仕事を引き受けてくれたのが、主人公、真介が勤務する"リストラ請負会社"だったのです。
 メーカー、銀行、消費者金融、ファミリーレストラン......真介はさまざまな会社で、いろいろな社員を面接し、クビを切っていきます。被面接者になじられ、泣かれ、ときに殴られても、なぜか真介はこの仕事がやめられない。他人の人生が大きく変わる瞬間に立ち会い、新たな一歩を踏み出す姿を見守ることに、奇妙なやりがいを感じていたからです。

 しかし、第一作『君たちに明日はない』から、今回文庫化された第五作『迷子の王様』が登場するまでに、時代は大きく変わりました。不況はますます混迷を深め、終身雇用はもはや過去のものになっていき、著者が架空の会社として生み出した"リストラ請負会社"は現実の社会でも登場、真介の仕事も読者にとって突飛なものではなくなりました。
 第五作『迷子の王様』では、経営難で台湾に身売りする超大手家電メーカーからクビを切られるエリート研究員が登場します。彼の父親もまた家電メーカーに勤務していて、高度成長期を経験していました。ところが息子のほうは、時代のせいで厳しい選択を突きつけられます。切ない世代対比です。
 そしてなんと、最後にクビを切られるのは、いままで数多の人々のリストラに関わってきた真介そのひと。彼はいったいどんな道を選ぶのでしょうか!?

 第一作から第五作まで、それぞれの作品が、それぞれの時勢を反映しながらも、それでも変わらずシリーズの根っこにあるのはこの問いです。
「仕事とは、いったい何だろう」。
 この問いに対する答えが見つかるまで、笑わせ、泣かせ、すべての社会人を応援してきた「君明日」シリーズは、時代が変わっても働く人たちのバイブルであり続けることでしょう。

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2016年11月15日   お知らせ / 今月の1冊

 朝井リョウの直木賞受賞作が原作の映画「何者」が、明日10月15日、いよいよ公開されます。監督・脚本は、演劇界でも活躍する鬼才・三浦大輔。そして、佐藤健、有村架純、二階堂ふみ、菅田将暉、岡田将生、山田孝之と主演級俳優が勢揃いした豪華キャストで、友情、恋愛、そして裏切り......就活に挑む大学生たちの「リアル」が描き出されます。

 原作『何者』(新潮文庫)は、単行本と合わせて早くも「75万部」を突破。書店には、キャスト6人が顔を揃えた「フルカバー帯」のほか、6人それぞれがフルカバーになった6種の「限定帯」も。




 さらに、『何者』登場人物たちのアナザーストーリーを収めた朝井リョウ最新刊『何様』(新潮社)も、絶賛発売中です。映画を観る前、観た後に、こちらも是非お読みください!

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2016年10月14日   お知らせ


 昨年秋に刊行され、注目を集めた村上春樹さんの単行本『職業としての小説家』が文庫化されます。ウェブサイト《村上さんのところ》で読者のみなさんと交流したように、村上さん自身が、文庫版でより幅広い読者の方に小説や文章について考えていることを伝えたいと思ったからです。

 はじめてのことですが、「村上春樹の語る"村上春樹"」という講演スタイルで文章が書かれ、読者に語りかけます。

 小説家になった頃のエピソード、文学賞について思っていること、長編小説の書き方や登場人物のこと......。これまでのエッセイとはひと味違い、一歩踏み込んだ内容で、ファンのみなさんにもいろいろ新しい発見があるかもしれません。小説のオリジナリティーやテーマについて、小説が翻訳され海外へ出て行って新しいフロンティアを切り拓いた体験、学校について思うこと、故・河合隼雄先生との出会いと物語論など、この本には小説家村上春樹の生きる姿勢、アイデンティティーの在り処が生き生きと語られています。

 全部で12回。小さな講演会で、椅子に座った村上さんが語りかける話を聴いているような充実した一冊です――。

[目次]
 第一回 小説家は寛容な人種なのか

 第二回 小説家になった頃

 第三回 文学賞について

 第四回 オリジナリティーについて

 第五回 さて、何を書けばいいのか?

 第六回 時間を味方につける──長編小説を書くこと

 第七回 どこまでも個人的でフィジカルな営み

 第八回 学校について

 第九回 どんな人物を登場させようか?

 第十回 誰のために書くのか?

 第十一回 海外へ出て行く。新しいフロンティア

 第十二回 物語のあるところ――河合隼雄先生の思い出

 あとがき

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2016年10月14日   お知らせ / 今月の1冊

 新直木賞作家・荻原浩の既刊『月の上の観覧車』に今、じわじわと注目が集まっています。

 本作は、受賞作と同じ短編集。八篇がそれぞれに、短いながらも人生をたしかに描き切っていて、まるで長編を読んだかのような豊かな読後感を届けてくれます。短編で直木賞を受賞した荻原浩の、これがまさに真骨頂です。

 実はこの作品、荻原作品のなかでも書店員さんの支持がひときわ熱く、注目されたきっかけも仙台のとある書店さんの応援でした。多くの本の中でも特に「応援したい!」という気持ちが掻き立てられるのは、この作品に登場する大人たちがみなひたむきだからでしょうか......大人になったからこそ流せる涙って、ありますよね。

「人生に二周目があればいいのに」の手書き帯と表紙の美しい観覧車が目印です。ぜひ書店に足を運んで、明日から通勤鞄のなかに携えてみてください。大変な日々の中で、頑張るあなたにやさしい力をくれるはずです。

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2016年09月15日   お知らせ / 文庫セレクト