「あれ? この本、読んだことあったっけ?」
「読んだはずだけど、どんな話か忘れちゃった」
本が好きなはずなのに、内容をぱっと思い出せない......そんな苦い経験をしたことはありませんか?
そこでお勧めしたいのが、この夏新登場した『ほんのきろく』。
通常の文庫と同じサイズで、自分で書き込むことのできる読書ノートです。
本書には、書名、著者名、出版社名、読了日などの項目があらかじめ用意されていますので、本を一冊読み終えるごとに項目を埋め、読書記録をつけていきます。
簡単にあらすじをまとめたり、読み終えた直後の感想や関連して考えたことをメモしておけるノートスペースも豊富です。
さらに、読んだ本のカバーを記録するスペースもあるので、自分で絵を描き色を塗ってもよし、毎夏恒例「新潮文庫の100冊」フェア中に手に入る無料の小冊子から写真を切り抜いて使ってもよし。お気に入りのカバーごと読書体験を記録することで、より充実したノートが完成します。
すべてのページを埋め終えると、100冊分の読書体験が詰まった、自分だけの特別な一冊が完成します。
日頃からたくさんの本に触れる人や、これからたくさん読みたい! と思っている人、好きな本について訊かれる機会の多い受験生や就活生にも、このノートが強い味方になってくれること間違いなしです。
他にも、コミックや雑誌など小説以外の読書体験を記録したり、お店でもらうカードと一緒にレストランや食べ歩きで得たグルメ情報を書き留めたり、スポーツ観戦や音楽ライブ、映画、絵画、落語鑑賞などのチケットを貼って思い出をまとめたり......と、イロイロな「きろく」に応用することが可能です。使い方は無限大!
本好きのための読書ノートで、この夏から自分の読書史をつづってみませんか?
累計900万部を突破した畠中恵氏による大人気しゃばけシリーズは、今年で20周年。
しゃばけの文庫が出るのは毎年年末でしたが、今年は20周年のサプライズとして、第18弾『てんげんつう』が夏に刊行されました! もちろん今年の年末にも特別なしゃばけ文庫最新刊をご用意しております。
そしてさらなる嬉しいニュースが! 20周年のアニバーサリーを記念し、「劇場版 夏目友人帳 うつせみに結ぶ」などの作品で知られる伊藤秀樹氏、同じく「夏目友人帳」シリーズを手がけるアニメスタジオ、朱夏が制作した「20周年記念スペシャルアニメ『しゃばけ』」を、しゃばけ公式サイトにて配信することが決定いたしました。
シリーズ20作目にあたる単行本新刊『もういちど』の発売日である、7月19日より配信スタート。若だんな役に榎木淳弥、仁吉役に内山昂輝、佐助役に阿座上洋平、屏風のぞき役に木村良平、鈴彦姫役に金元寿子と、今をときめく大人気声優が豪華共演。約3分のなかにしゃばけシリーズの名場面が凝縮され、シリーズの魅力を堪能することができる贅沢な一作です! 20年間支え続けてくださったファンの皆さまと、新たに「しゃばけ」を知りたいという読者の皆さまに贈る、待望の「しゃばけ」アニメ、配信をお楽しみにお待ちください!
20周年記念スペシャルアニメ「しゃばけ」
監督 伊藤秀樹(『劇場版 夏目友人帳』)
音楽 和田薫(「犬夜叉」シリーズ)
CV
若だんな:榎木淳弥
仁吉:内山昂輝
佐助:阿座上洋平
屏風のぞき:木村良平
鈴彦姫:金元寿子
アニメーション制作 朱夏
英国ブライトンに暮らすライターのブレイディみかこさんが、中学校に通う息子さんとの日々を綴った作品『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』を文庫化しました。この作品が大ヒットするなか、キーワードとなったのは「エンパシー」という言葉です。
英国の公立学校教育には「シティズンシップ・エデュケーション」というカリキュラムがあるそうです。英国政府の定義によると「社会において充実した積極的な役割を果たす準備をするための知識とスキル、理解を生徒たちに提供することを助ける」ためのもので、期末試験では「エンパシーとは何か」といった問題が課されるそうですが、これに対してブレイディさんの息子さんは「自分で誰かの靴を履いてみること」と回答します。自分で、誰かの靴を、履いてみることーー。
英国ほどではないにせよ、日本でも外国人居住者が250万人を超え、社会全体が多様化しています。そうしたなか、自分とは信念や価値観がちがう(かもしれない)人の靴を履いてみて、「何を考えているのだろう」と想像してみる能力が、今後はますます大切になってくるのかもしれないーー。そんなことを考えさせてくれる作品です。
作品の一部は以下のサイトで読むことができますので、ぜひお楽しみください。
『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』特設サイト
このエンパシーという概念をブレイディさんがさらに掘り下げて思考した、『ぼくイエ』の"副読本"といってもいい本も刊行されています。『アナーキック・エンパシー』(文藝春秋刊)。『ぼくイエ』で感じることのあった人は、ぜひそちらも読んでみてください。
目の前を航行している船が北朝鮮の工作船で、その艦内には日本人が拉致されていたら......。当然、日本人を救出するために、その船に乗り込むでしょう。誰が? 海上自衛隊員です。
拉致された人間を奪還するのは当たり前のこと。簡単にできそうなものですが、実は手も足も出なかったという事件がありました。元海上自衛官の伊藤祐靖さん(階級は二佐)が『自衛隊失格―私が「特殊部隊」を去った理由―』で明らかにしました。
1999年のことです。海上自衛隊のイージス艦「みょうこう」は能登半島沖で北朝鮮拉致工作船と対峙。ところが隊員たちは工作船を止めるだけの訓練をしたことがなかったのです。拳銃を握ったこともないし、防弾チョッキもありません。結局、手も足も出ないまま不審船に悠然と逃げられてしまうのです。船の中には日本人がいたかもしれないのに。
現実を突きつけられた伊藤さんは、自衛隊初の特殊部隊を創設、邦人奪還に向けて命を削った秘密訓練を行いました。
初めて明かされる特殊部隊の実態に驚いたのが、漫画家のかわぐちかいじさん。「本書は日本の防衛を考えるひとつのファクトであり、その存在意味を考える手助けとなる最高の書であると断言する」と絶賛です。
伊藤さんは防衛大学校で教官をしていたこともあります。防大を離任する日、伊藤さんが学生に送った言葉にかわぐちさんは感動。「是非これから社会人になる方に読んでいただきたい」と熱く語ります。離任の辞を少しだけ紹介します。
「若者にとって、過去というものは、反省するときに使うだけのものだ。省みるためのみに存在する。懐かしがるのは退官してからにしろ。現在と未来のために生きろ。チラチラ後ろなんか振り向くな」
胸がカッと熱くなる名演説、是非全文をお読みください。
元女性白バイ隊員だった著者が、本格的な警察小説に挑んだのが昨年刊行した『女副署長』(新潮文庫)でした。発売直後から、目利きのミステリー評論家に高く評価され、たちまち増刷。一つの警察署がまるごと「事件現場」になるという異例の設定で、主人公の田添杏美(たぞえあずみ)副署長の捜査魂が冴えるストーリーでした。この田添杏美は、捜査畑育ちのエリートではない、というところがミソ。捜査一課の刑事が警察の花形としたら、杏美はいわば組織の傍系から女性としてナンバー2になった警察官です。そんな非主流出身だからこそ、見えてくるものがある。黙々と働く部下の心を見抜く目がある。第二弾『女副署長 緊急配備』も、活躍するのは杏美の部下である一般の署員で、刑事ですらありません。
30歳の木崎亜津子は、交通課の巡査部長でシングルマザー。夕方の退庁時刻には、娘を迎えに保育園に駆けつける日々だが、誰にも言えない秘密を抱えている。43歳の巡査部長甲斐祥吾は、プライベートでは父の介護を一人抱えている。たとえ事件が起きても、ヘルパーの終了時刻には帰宅しなければならないのだ。そして地域課駐在員の伴藤弘敏。定年を目前に控えた巡査部長だが、息子のことで頭を悩ませ、しかも杏美とは過去の因縁がある......。
警察官もごく普通の人と同じ、屈託と葛藤を抱えて働いている――。そんな名もなき警官たちが、前代未聞の凶悪事件が発生したとき、どう動くのか。危機を前に、彼らがとった行動とは。上司と部下の絆が目頭を熱くさせてやまない傑作です。どうぞ読み逃しなく!