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塩野七生さん、2年ぶりの書き下ろし新作が刊行!


 新春4日にNHKニュースウォッチ9で放送された塩野七生さんのインタビューをご覧になった方も多いと思いますが、2年ぶりとなる書き下ろし新作を刊行いたしました。

 インタビューでも触れられていましたが、検疫を意味する英語「quarantine」はヴェネツィア方言のイタリア語が語源です。ジブラルタル海峡を抜けて現在のオランダまで、そしてボスポラス海峡を抜けて黒海まで交易先を求めて旅したヴェネツィア人ですが、検疫、防疫は死活問題であった彼らの生き方に、現在のコロナ禍を生きる私たちが学ぶところは多いかもしれません。

 オスマン帝国や神聖ローマ帝国、スペイン王国、フランス王国といった巨大な領土をもつ列強に囲まれながら、小さな小さな島国ながらも独特の存在感を誇ったその姿も、われわれ日本人が自らを重ね合わせたくなるところがあります。

 塩野七生さんがふたたびルネサンス期のヴェネツィアを描いた意味はそこにあるのかもしれません。本作は「歴史小説」という形をとっていますが、塩野さんのすべての作品と同じく、何百年も昔のことを描きつつ、現代を生きる日本人への提言となっている作品です。ぜひお手に取っていただきたいと思います。

『小説 イタリア・ルネサンス』には、すべての巻に絢爛豪華なルネサンス世界を体現するカラー口絵を収録。文庫版とは思えない美しい造本も話題になっています。口絵を動画に収めましたので、以下からご覧ください。
[→動画を視聴する]

 本の総合情報サイト「BookBang」には刊行記念インタビューが掲載されています。あわせてお楽しみください。
[→インタビューを見る(1)]
[→インタビューを見る(2)]
[→インタビューを見る(3)]

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2021年01月15日   今月の1冊
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