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書き出しの一文を読めば、教室の記憶が蘇ってくる。


 新潮文庫では、2014年に「新潮ことばの扉」というシリーズを立ち上げ、『新潮ことばの扉 教科書で出会った名詩一〇〇』を第一作目として刊行しました。その後も、『新潮ことばの扉 教科書で出会った名句・名歌三〇〇』『新潮ことばの扉 教科書で出会った古文・漢文一〇〇』と続き、今回シリーズ最終巻となる『新潮ことばの扉 教科書で出会った名作小説一〇〇』が完成しました。

こころ」「山月記」「走れメロス」「ごんぎつね」など、1950年代から2010年代までの小学校・中学校・高校の国語教科書に収録された作品のなかから100作を選び、冒頭の400字ほどを掲載しています。書き出しを読むだけでも作品の手ざわりや教室で読んだときの気持ちが思った以上に蘇ってくるのが不思議です。学生の頃に触れた物語はそれだけ心の奥深くに根付いているのだと感じます。

 また、早稲田大学教育学部教授・近代日本文学の研究者である石原千秋氏が全作について「読みのポイント」を執筆。作品のテーマや背景、時代の移り変わりによる読まれ方の変化などについて解説していただきました。「波」4月号では元国語教師の岡崎武志氏が「これが読解を手助けするとともに、現代に生きる作品として読み直しを図っている点が素晴らしい」と絶賛なさっています。

 かつて学生だった方はもちろん、小中学生の朝の読書や、感想文の本選びにも最適な一冊。今こそ読んでおきたい教養と感動の100作にぜひ出会ってください。

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2023年04月17日   今月の1冊
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