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フランツ・カフカ没後100年 20世紀を代表する巨星の決定版短編集


 2024年6月3日に没後100年を迎えるフランツ・カフカ。新潮社はカフカがまだほとんど知られていない1953年から1959年にかけて『カフカ全集』(全6巻)を刊行。そしてカフカの知名度が挙がった1980年から1981年に1度目の全集には収録されていなかった手紙などを新たに加え、『決定版カフカ全集』(全12巻)を刊行しました。

 本作はその『決定版カフカ全集』より短編を15編厳選。編者は『絶望名人カフカの人生論』や『希望名人ゲーテと絶望名人カフカの対話』など、数多くのカフカに関する作品を編訳している頭木弘樹さん。『決定版カフカ全集』を各巻100回以上読んでいる頭木さんが、カフカの自己評価や読者の評価を鑑み、「これだけは読んでおきたいカフカ!」といえる、カフカの王道作品をセレクトしています。

 結婚式を巡って父親との対峙を描く「判決」、特殊な拷問器具に固執する士官の告白「流刑地にて」、檻の中での断食を見世物にする男の生涯を追う「断食芸人」など、誰も真似することのできないカフカだけの世界を体感する作品になっています。
 5月29日にはカフカがノートやメモに遺した、短く未完成な小説のかけらを集めた『カフカ断片集―海辺の貝殻のようにうつろで、ひと足でふみつぶされそうだ―』を刊行いたします。カフカを読んだことがない方も、『変身』のみ読んだことのある方も、かつて愛読されていた方も、この機会に再びカフカに出会ってみてはいかがでしょうか。

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2024年05月15日   今月の1冊
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