発売即、重版! 『三千円の使いかた』著者が描く「お金のつくりかた」超実践小説
年明け早々の重版となり、話題となった新潮文庫刊・原田ひ香著『財布は踊る』。
物価高、上がらない賃金など、「自分のお金をどう守るか」「どう増やしていくか」という問題はどんな人でもいまや無関係ではいられない話題となっているかと思います。
けれど、そうはいっても、例えば「クレジットカードの利用明細を毎月確認しない」「どんなサブスクに入っているか忘れている」「電子マネーで何を買ったか覚えていない」等々、家計の実は危ないサインをなんとなく見逃してしまう人は多いのではないでしょうか。
この小説の登場人物たちもまたそうです。
原田さんの巧みなストーリーテリングの中で、彼らは皆お金にまつわる大きな失敗や挫折、どうしようもない苦しみを経験しますが、その最初の躓きは、本当に些細なことからだったのです。
皆真剣に人生を生き、それなりの用心深さや考えがあってお金と向き合う人たちが、けれど様々な困難に直面していき、思いもよらぬ沼へとはまり込んでいく。
そのリアリティには「はっ」とさせられたり、「ゾッ」とさせられたりすること間違いなしです。
そうして登場人物達に共感したり、時には「こんなことしたらダメに決まってるのに」とハラハラさせられたりしながら読み終わると、「ところで今、私の財布の中にいくら入っているかな?」と気になってくることでしょう。
小さくとも大きな「お金の貯まる人生」の一歩を、もっといえば、お金に苦しまない人生のためにはどうすればよいかを考えるきっかけになる、そんな希有な小説体験を是非。
2025年01月15日 今月の1冊