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特集[イアン・マキューアン『土曜日』刊行記念]

波 2008年1月号

(毎月27日発売)

105円(税込)

雑誌の仕様

発売日:2007/12/27

発売日 2007/12/27
JANコード 4910068230188
定価 105円(税込)

特集[イアン・マキューアン『土曜日』刊行記念]
【インタビュー】イアン・マキューアン/「意識」に切り込む手術刀
若島 正/小説嫌いのための小説
特集[木田 元『反哲学入門』刊行記念]
【対談】鈴木光司×木田 元/反哲学談議

船戸与一『群狼の舞―満州国演義3―』
井家上隆幸/これぞ船戸小説の真髄

阿刀田 高『街のアラベスク』
松本侑子/郷愁とエロスが織りなす不思議な恋物語

梶尾真治『あねのねちゃん』
香山二三郎/最強!? 最凶!? 乙女のミカタ

吉川 潮『芝居の神様―島田正吾・新国劇一代―』
田中林輔/澤田正二郎の新国劇精神を継いだ男の物語

橋本 治『小林秀雄の恵み』
永江 朗/考えるスタイル、考えるプロセス

コ・ヘジョン『お母さんのワカメスープ』
島田洋七/何で、ここまでしてくれんねん

河合香織『誘拐逃避行―少女沖縄「連れ去り」事件―』
高山文彦/「逃亡」のススメ

佐藤 優『インテリジェンス人間論』
酒井順子/見えてしまう男、の哀しみ

青柳恵介『柳孝 骨董一代』
加藤静允/美術好きの友への贈り物

小和田哲男『戦国武将を育てた禅僧たち』(新潮選書)
小和田哲男/名将誕生と禅寺の秘密

浜本隆志『拷問と処刑の西洋史』(新潮選書)
藤代幸一/歴史の栄光の影に秘められた暗部

米村圭伍『真田手毬唄』(新潮文庫)
西條奈加/万華鏡的痛快娯楽劇

山口謠司『日本語の奇跡―〈アイウエオ〉と〈いろは〉の発明―』(新潮新書)
山口謠司/〈アイウエオ〉と〈いろは〉

第20回日本ファンタジーノベル大賞募集

コラム
新潮文庫の海外エンターテインメント
考える人─さようなら、こんにちは河合隼雄さん

連載
松久 淳+田中 渉/あの夏を泳ぐ 天国の本屋 第4回
東 直子/薬屋のタバサ 第5回
宮城谷昌光/古城の風景 第55回 掛川城
池谷伊佐夫/古本つれづれ草 第7回
日高敏隆/猫の目草-「なぜ?」に答える
保阪正康/即位と崩御 第13回
西村 淳/身近な物で生き残れ! 第5回
秋山 駿/忠臣蔵 第4回
佐藤寛子/グラビアアイドルのヨムヨム生活(5)
花村萬月/百万遍 流転旋転 第13回
安住洋子/日無坂 最終回

・編集室だより ・新潮社の新刊案内

編集長から

◇今月の表紙の筆蹟は、全英でベストセラーになった『土曜日』(小山太一訳・新潮クレスト・ブックス)がこの十二月に刊行された、イアン・マキューアン氏。「波」の読者宛に、新年の特別メッセージを戴きました。原文は左記の通りです。訳は表紙を御覧下さい。
〔To all readers of Nami――I wish you a very happy New Year and many fruitful hours of reading. Best wishes from Ian McEwan〕
 マキューアン氏は『アムステルダム』で九八年度ブッカー賞を受賞。前作の『贖罪』は全米批評家協会賞などを受賞し、世界的ベストセラーに(同書の映画は「つぐない」という邦題で来春日本公開予定。ゴールデン・グローブ賞で七部門にノミネートされています)。現在では押しも押されもせぬ英文学の巨星ですが、以前は「鬼才」「奇才」などといった異名を奉られることも多かったマキューアン氏。どこか神経質なイメージもあったのですが、筆蹟には意外?な味わいがありますね。実際のご本人も、翻訳者の小山太一氏が書いている通り穏やかな人柄で、くつろいだインタビューになったそうです。
◇最相葉月氏の『星新一 一〇〇一話をつくった人』。先日受賞した第二十九回講談社ノンフィクション賞に続き、第三十四回大佛次郎賞〈主催・朝日新聞社〉、第二十八回日本SF大賞〈主催・日本SF作家クラブ〉の受賞が決定しました。最相氏が監修した『星新一 空想工房へようこそ』(とんぼの本)も好評発売中です。
◇「波」連載からの単行本刊行のお知らせです。山本一力『研ぎ師太吉』、赤川次郎『子子家庭は波乱万丈―ドイツ、オーストリア旅物語―』が、十二月に刊行されました。
◇「有元利夫カレンダー2008」に一部体裁上のミスが発生いたしました。書店等でお買い上げの方は、着払いで小社にご返送下さい。完成品とお取り換えいたします。

バックナンバー

雑誌バックナンバーの販売は「発売号」と「その前の号」のみとなります。ご了承ください。

雑誌から生まれた本

波とは?

 1967(昭和42)年1月、わずか24ページ、定価10円の季刊誌として「波」は誕生しました。新潮社の毎月の単行本の刊行数が10冊に満たず、新潮文庫の刊行も5冊前後という時代でした。こののち1969年に隔月刊に、1972年3月号からは月刊誌となりました。現在も続く「表紙の筆蹟」は、第5号にあたる1968年春季号の川端康成氏の書「風雨」からスタートしています。

 創刊号の目次を覗いてみると、巻頭がインタビュー「作家の秘密」で、新作『白きたおやかな峰』を刊行したばかりの北杜夫氏。そして福田恆存氏のエッセイがあって、続く「最近の一冊」では小林秀雄、福原麟太郎、円地文子、野間宏、中島河太郎、吉田秀和、原卓也といった顔触れが執筆しています。次は大江健三郎氏のエッセイで、続いての「ブックガイド」欄では、江藤淳氏がカポーティの『冷血』を、小松伸六氏が有吉佐和子氏の『華岡青洲の妻』を論評しています。

 創刊から55年を越え、2023(令和5)年4月号で通巻640号を迎えました。〈本好き〉のためのブックガイド誌としての情報発信はもちろんのことですが、「波」連載からは数々のベストセラーが誕生しています。安部公房『笑う月』、遠藤周作『イエスの生涯』、三浦哲郎『木馬の騎手』、山口瞳『居酒屋兆治』、藤沢周平『本所しぐれ町物語』、井上ひさし『私家版 日本語文法』、大江健三郎『小説のたくらみ、知の楽しみ』、池波正太郎『原っぱ』、小林信彦『おかしな男 渥美清』、阿川弘之『食味風々録』、櫻井よしこ『何があっても大丈夫』、椎名誠『ぼくがいま、死について思うこと』、橘玲『言ってはいけない』、ブレイディみかこ『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』、土井善晴『一汁一菜でよいと至るまで』などなど。

 現在ではページ数も増えて128ページ(時には144ページ)、定価は100円(税込)となりました。お得な定期購読も用意しております。
 これからも、ひとところにとどまらず、新しい試みを続けながら、読書界・文学界の最新の「波」を読者の方々にご紹介していきたいと思っています。