関東大震災と横浜市電

 今回は内容紹介の番外編、関東大震災で大きな被害を受けた横浜市電の写真を紹介します。これも前回紹介をした『大正十二年 鉄道震害調査書』(鉄道省)に掲載された写真ですが、最後の1枚以外は「地図帳」でも「写真サイト」でもご紹介できなかった写真です。横浜は東京と同様、地震後の火災による被害が甚大でしたが、震源域に近いこともあり、瀧頭車庫や馬車道の様子から、地震そのものの被害も大きかったことがわかります。写真の説明文は内田宗治氏にお願いしました。


横浜市電(横浜市営電気軌道)、桜木町停車場付近の状況。横浜市内は、南北では現在の横浜駅付近から桜木町、元町にかけて、東西では横浜港から弘明寺付近まで火災が広がった。石造り2階建ての国鉄桜木町駅本屋も倒壊全焼した


桜木町駅の南側、大江橋付近の軌条の屈曲の様子。横浜市内は推定震度6強の揺れ。東京都内より震源域に近いため、概して揺れが強かった


倒壊した瀧頭電車車庫。この車庫では18両の電車が建物倒壊のため全壊・半壊した


馬車道停車場付近の焼け跡の様子。垂れ下がっている電線の下にあるのは、焼失した電車の残骸。横浜市電は全153両のうち、75両が各地で火災により焼失するという潰滅的被害を受けている


箕輪下(本牧1丁目)停留所にいて火災を逃れた車両。本牧のすぐ北側まで火の手は押し寄せていた

さて日本鉄道旅行地図帳「東日本大震災の記録」は今月24日の発売以来、おかげさまで順調に売り上げを伸ばしております。ご購入いただいた皆様にあらためて御礼を申し上げます。


<投稿日:2011年08月29日>
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