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2012:未来から聞こえる言葉

新潮 2012年1月号

(毎月7日発行)

特別定価996円(税込)

雑誌の仕様

発売日:2011/12/07

発売日 2011/12/07
JANコード 4910049010129
定価 特別定価996円(税込)

2012:未来から聞こえる言葉

迷宮(250枚)/中村文則
人は覚悟もないまま、悪を成すことができるのか? あの密室事件に、その遺児である彼女に、僕はどこまでも溺れていく――。

【新連載】
満月の道 『流転の海』第七部/宮本 輝
昭和36年、松坂熊吾一家はいよいよ辛く厳しい時代を迎える。〈父〉の宿運をあぶりだす自伝的大河小説、再始動!

未来から聞こえる言葉[対談]/大江健三郎+朝吹真理子

ベアマン/池澤夏樹

鬼っ子/よしもとばなな

水杙(みずぐい)/松浦寿輝

震災後に芸術を定義し直す(第一部)[対談]/椹木野衣+宇川直宏

青痣/西村賢太

島尾敏雄の戦争体験と3・11後の私たち[講演]/桐野夏生

明滅/藤沢 周

じ(地)のそこ(底)がほげも(抜け申)した[遊女考(五)]/村田喜代子

カンボジアの森に囚われ[随筆]/四方田犬彦
 リティー・パニュ『飼育』を観る

チェーホフの学校/黒川 創

コスモポリタンな作家[随筆]/水村美苗

やさしナリン[100枚]/舞城王太郎

災いの後に笑う[対談]/古井由吉+又吉直樹

追悼 北杜夫
・北杜夫さんの思い出/加賀乙彦
・追悼文なんて書くな/なだいなだ
・私の敗北、小説の勝利/磯崎憲一郎
・屋根裏の哲人/小島千加子

“フクシマ”、あるいは被災した時間(四)――換喩化のドライブ/斎藤 環

世界同時文学を読む(六)/都甲幸治
 心に沁みるポストモダン――ドン・デリーロ『天使のエスメラルダ』

■本
・丸谷才一『持ち重りする薔薇の花』/いしいしんじ
・加藤典洋『小さな天体―全サバティカル日記―』/マイケル・エメリック
・中村文則『王国』/越川芳明
・福永武彦『福永武彦戦後日記』/清水 徹
・川上未映子『すべて真夜中の恋人たち』/野崎 歓
・古井由吉『蜩の声』/山城むつみ

■連載小説
・幸福の森(四十九)[連載完結]/加賀乙彦
・フィルムノワール/黒色影片(二十四)/矢作俊彦
・還れぬ家(三十)/佐伯一麦

◆第44回《新潮新人賞》応募規定

編集長から

創刊一〇八年から未来へ
◎一年前の本欄で「世界の乱気流にシャッフルされながら、創造的な乱気流を生み出したい」と記したが、それ以後の「世界の乱気流」は想像を遥かに越える壮絶なものだった。「文学は無力なのか」という思いと「今こそ想像力が必要だ」という思いに引き裂かれた◎その四ヶ月後の同欄で「これまで以上に、強靭な想像力の賜物である文芸作品を読者に届けていきたい」と書いたのは、大震災から数日後の率直な願いだった◎そして今、最新号での大江健三郎氏の言葉「何のために僕が古井由吉のような人から新しい人まで、文芸誌の小説を読むかというと、そこにはこの言葉の〈かたまり〉を確かめたい、それを通じてしか出会えない、特別なものを理解したいという気持がある…」(朝吹真理子氏との対談)を読みながら、創刊一〇八年を迎える小誌をより創造的、よりラディカルにしたいと心から願う。協同者は読者、書き手、そして言葉だ。

新潮編集長 矢野 優

バックナンバー

雑誌バックナンバーの販売は「発売号」と「その前の号」のみとなります。ご了承ください。

雑誌から生まれた本

新潮とは?

文学の最前線はここにある!
人間の想像力を革新し続ける月刊誌。

■「新潮」とはどのような雑誌?
「新潮」は日露戦争の年(1904年)に創刊された、百歳を超える文芸誌です。現役の商業文芸誌としては世界一古いという説があります(ただし第二次大戦中は紙不足のため数号、関東大震災のときは1号だけ休刊)。その歴史の一端は小誌サイト内にある〈表紙と目次で見る「新潮」110年〉でご覧ください。

■革新し続ける文学の遺伝子
もちろん古いことと古臭いことはまったく別です。百余年にわたり、たえず革新を続けてきたことこそが「新潮」の伝統であり、その遺伝子は現編集部にも確実に引き継がれています。ケータイ小説やブログ、あるいは電子配信、電子読書端末まで、いまだかつてない〈環境変動〉がわたしたちの生に及びつつある今、時代精神を繊細に敏感に感じ取った小説家、批評家たちが毎月、原稿用紙にして計1000枚以上(単行本にして数冊分)の最新作を「新潮」を舞台に発信し続けています。

■日本語で表現されたあらゆる言葉=思考のために
デビュー間もない20代の新人からノーベル賞受賞作家までの最新作がひとつの誌面にひしめきあうのが「新潮」の誌面です。また、文芸の同時代の友人である音楽、映画、ダンス、建築、写真、絵画などの領域からも、トップクラスの書き手、アーティストが刺激的な原稿を毎号寄せています。文芸を中心にしっかりと据えながら、日本語で表現されたあらゆる言葉=思考の力を誌面に結集させたい――それが「新潮」という雑誌の願いです。

雑誌主催・共催・発表誌の文学賞