[戯曲]野田秀樹「華氏マイナス320°」
【第50回 川端康成文学賞発表】古川真人「近づくと遠ざかる船」
新潮 2026年6月号
(毎月7日発行)
| 発売日 | 2026/05/07 |
|---|---|
| JANコード | 4912049010666 |
| 定価 | 1,200円(税込) |
【戯曲】
◆華氏マイナス320°(220枚)/野田秀樹
窮理教授の助手タスケテは「天使の骨」を探し求め、歴史の地層を掘り進む。この温度で凍結されるものは? そして、神様より上に住む存在は? 生命倫理を鋭く問う、正しくない科学に基づいた正しくないSF(サイエンス・フェイクション)!
【創作】
◆水をなぞる(180枚)/竹中優子
後戻りできない年齢で辿り着いた再就職先で、貴恵は今日も七百円の水を売る。賑やかな常連客と、突然現れた元同期。彼女らとの駆け引きの果てに浮かび上がる己の価値。現代の空気を閉じ込めた、著者渾身の第三中篇。
【掌篇】
◆飛び降り心中/筒井康隆
【連作】
◆ヘルメスの毒/高山羽根子
ガイドの男と登山の打ち合わせを重ねる日々──強風のなか、彼はふいにギリシャ神話の嘘の神の話を始める。
〈第50回 川端康成文学賞発表〉
◆近づくと遠ざかる船/古川真人
【選評】荒川洋治/角田光代/辻原 登/堀江敏幸/村田喜代子
【対談】
◆異性愛は男女の対等な闘争たりうるか?/松浦理英子×藤本由香里
「濃密で特別」から「丁寧で繊細」へ。時流とともに松浦作品の変化を語り、性愛の本質を批評的に灸り出す。
◆日米マルクス主義フェミニスト、相見える/上野千鶴子×ナンシー・フレイザー モデレーター 國分功一郎
「共喰い資本主義」に抗って、労働を再定義する。論争の矢面に立ち続けてきた女性知識人たちの必然的邂逅。
◆聴講記/仁科 斂
【連載対談】
◆教室で読む文学(第4回)中島 敦「山月記」/池澤夏樹×田口耕平
定番教材の位置を占めてきた本作に、なおも残る謎。生徒たちの意見からアプローチする、新たなる李徴の姿。
【リレーコラム 街の気分と思考】
◆過剰を笑わない/小砂川チト
◆冬の旅/満島ひかり
【新潮】
◆春/小原 晩
◆けたたましく眠る/川村智基
◆告白の今昔/木村 洋
◆手のひらに息吹を/小暮香帆
◆魂のお腹/丸山 零
◆不惑ならざる路上、孤独なれ/本橋 仁
【特別書評】
◆思い出したり忘れたり──東 浩紀『平和と愚かさ』を読む/畠山丑雄
【書評委員による 私の書棚の現在地】
◆アン・カーソン『かみあわないノーマ』(小磯洋光 訳)/小山田浩子
◆ミヒャエル・ケンペ『ライプニッツの輝ける7日間』(森内 薫 訳)、ジャック・アンドレ『100語でわかるフロイト』(堀川聡司・河野一紀 訳)/鈴木結生
【本】
◆久栖博季『貝殻航路』/榎本 空
◆古谷田奈月『うた子と獅子男』/坂本 湾
◆佐佐木 陸『ごみのはての』/竹永知弘
◆金井美恵子『重箱のすみから』/福尾 匠
【連載コラム】
◆うたと夢の出会う場所(第4回)ひかりかがやく孔雀の島で(下)/大森静佳
◆光源の旅(第5回)チベット・チョモランマ 2/石川直樹
【連載小説】
◆痴れ者(第6回)/上田岳弘
◆マイネームイズフューチャー(第13回)/千葉雅也
【連載評論】
◆大滝詠一と私(第4回)/湯浅 学
◆独りの椅子──石垣りんのために(第22回)/梯 久美子
◆小林秀雄(第128回)/大澤信亮
第39回三島由紀夫賞 候補作品発表
第59回新潮新人賞 応募規定
執筆者紹介
この号の誌面
編集長から
野田秀樹「華氏マイナス320°」
対談 松浦理英子×藤本由香里
上野千鶴子×ナンシー・フレイザー
◎野田秀樹氏の最新作は「正しくない科学に基づいた、正しくないSF(サイエンス・フェイクション)」を謳い、現代・中世・古代と、歴史の地層を掘り進む。遺伝子工学の権威・窮理教授の助手を務めるタスケテは、人類の希望のための“骨”を探し求めるうちファウスト博士の実験室に辿り着き、異天使メフィストと出会った。だが、タスケテはその後、退行性の天使病と診断され、震えが止まらなくなる──レイ・ブラッドベリの『華氏451度』は焚書を描いたディストピアSFだったが、今この世界では科学の名で、書物より大切なものが燃やされているのではないか? フィクションの狭間から覗く生命倫理をめぐっての強烈な問題提起を、ぜひテクストでも味わっていただきたい◎松浦理英子氏と藤本由香里氏との対談では恋愛面から、上野千鶴子氏とナンシー・フレイザー氏の対談では労働面から、男女が対等な関係を結ぶための道筋が探られた。演劇人も小説家も学者も、それぞれの流儀で進行形の問いを生きている。
編集長・杉山達哉
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■日本語で表現されたあらゆる言葉=思考のために
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