ホーム > 雑誌 > 雑誌詳細:小説新潮 > 雑誌詳細:小説新潮 2007年10月号

小説特集:警官は二度ベルを鳴らす

小説新潮 2007年10月号

(毎月22日発売)

817円(税込)

雑誌の仕様

発売日:2007/09/21

発売日 2007/09/21
JANコード 4910047011074
定価 817円(税込)

【小説特集:警官は二度ベルを鳴らす】
◆今野 敏/懲戒
――不祥事が発覚した刑事を警察組織は守るのか、非情に徹するのか
◆誉田哲也/ドルチェ
――女子大生が刺された。四十二歳独身、女デカ長、久江が動く
◆安東能明/撃てない警官
――部下が拳銃自殺――彼は拳銃所持禁止だったはずなのに
◆桂 美人/殺生石
――結跏趺坐の死体。その首の数珠からは珠が一つ失われていた

◆【解説】池上冬樹/警察小説の現在

◆【対談】逢坂 剛×佐々木 譲/わたしの警察小説作法

【特集:大河小説が読みたい】
【インタビュー】高村 薫/だから、滅びない。
――四時間の通学時間が私に開いた、長い長い小説への扉

◆吉野万理子/読書マラソン「大菩薩峠」全20冊一気読み
◆久米 勲/解説「大菩薩峠」はこわくない

◆北上次郎/いますぐ読みたい! 大河小説10選
◆大森 望/大河小説の挫折しない読み方

【アンケート】私の記憶のなかの大河小説
◆北 杜夫/桜庭一樹/いしいしんじ/姫野カオルコ/森 達也

◆吉川晃司/僕の人生のために、読む
◆清水義範/小説「大河小説」

【新連載スタート】本誌久々の長篇小説
◆重松 清/ゼツメツ少年
――すべての始まりは一枚の手紙。少年たちは今、フシギな旅に出る

【読切小説】
◆帚木蓬生/震える月
――ベトナムからの一通のメールが、父を知る旅の始まりだった
◆沢村 凜/人事マン
――殺された定年間近の社員。その通夜に接点のない彼がなぜ?
◆宇江佐真理/菩薩―深川にゃんにゃん横丁―第三話
――飲んだくれの髪結いの夫である絵師を見守った、女房の慈悲

【女の鉄道特集】ボックスシートでどこまでも
◆酒井順子/膝栗毛な女 東海道五十三乗りつぎの旅
――乗って歩いて伊達と酔狂の三日間
◆宮脇灯子/8月15日 米坂線今泉
――62年前、父が終戦を迎えたあの駅へ

【読切シリーズ】
◆石田衣良/ユウナの憂鬱 6TEEN
――仲良く暮らすダイとユウナ。しかし二人の間に、実は……
◆北原亞以子/恋文―慶次郎縁側日記―
――男を狂わせる拙い恋文。慶次郎と佐七は放っておけず……
◆乃南アサ/名なし―あすは我が身の刑法入門―
――違法とはいえ、晴れて日本人となったスヨン。その代償は

【短期集中連載】
◆海堂 尊/ジーン・ワルツ

【集中連載評伝】
◆斎藤由香/猛女とよばれた淑女
――祖母・齋藤輝子の生き方

◆立川談志、吉川 潮【ゲスト】立川志の輔/談志一代記 最終回
―― 一番弟子と語り合う落語の未来

◆椎名 誠/麺の甲子園 最終回 決勝リーグ篇
――ついに決定、堂々の優勝麺!

【好評連載小説】
西村京太郎/阿蘇・ねずみを殺せ
赤川次郎/天国と地獄
宮部みゆき/ソロモンの偽証
【連載エッセイ】
柴門ふみ/恋のタネ
佐藤 優/功利主義者の読書術
山本益博/マスヒロのあくび指南
河口俊彦/盤上の人生 盤外の勝負
フジモトマサル/終電車ならとっくに行ってしまった

第六回「小林秀雄賞・新潮ドキュメント賞」決定発表
第四回「新潮エンターテインメント大賞」募集要項
川柳うきよ大学/小沢昭一
次号予告

編集長から

警察小説の現在
 立川のストーカー殺人警官、長久手の立て籠もり発砲殉職事件――警察のありかたを問う事件が頻発している。罪を犯す者と警察官は必ずしも二項対立ではない。人間として、組織の一員として、警官は時として二つの顔を持つのだろう。
 今月の小説特集は「警官は二度ベルを鳴らす」。『隠蔽捜査』、『果断』でキャリア警察官の世界を描き出した今野敏氏以下、ジャンルの現在形を示す作品を揃えた。独自の警察小説を書き続ける逢坂剛氏と、大河警察小説『警官の血』を上梓した佐々木譲氏の対談も見逃せない。
 特集「大河小説が読みたい」は、読書の秋に向けてのヒント満載。高校の通学時間に次々と大作を読破したという高村薫氏のロング・インタビュー、吉野万理子氏が挑む『大菩薩峠』一気読み(卒業クイズ付き)、パスティーシュの名手・清水義範氏の―あっという間に読める大河小説―ほか、この機会に最高の贅沢をお試しあれ。!


小説新潮編集長 高澤恒夫

バックナンバー

雑誌バックナンバーの販売は「発売号」と「その前の号」のみとなります。ご了承ください。

雑誌から生まれた本

小説新潮とは?

 小説新潮は戦後まもない一九四七年に創刊されました。以来、文学史に名をとどめる作家で、小説新潮に登場したことのない名前を探すほうが困難なほど、数多の文豪、巨匠、新進気鋭による名作、名シリーズが誌面を飾ってきました。

 時代は変わり、新しい作家、若い書き手も次々に現れます。変わらないのは「小説を読む楽しみ」を大切にすること。現代小説、時代小説、ミステリー、恋愛、官能……。ジャンルにこだわらず、クオリティの高い、心を揺り動かされる小説を掲載していきます。

 小説と並ぶ両輪が、エッセイと豊富な読物です。小説新潮では、毎号、ボリュームのある情報特集や作家特集を用意しています。読み応えは新書一冊分。誰かに教えたくなる情報が、きっとあります。

 目指すのは、大人の小説、大人の愉しみが、ぎっしり詰まった雑誌です。経験を重ね、人生の陰翳を知る読者だからこそ楽しめる小説、今だからこそ必要とされる情報を、ぎっしり詰め込んでいきたい。

 言葉を換えれば、「もうひとつの人生を体験する小説誌」。時には主人公たちの息遣いに寄り添い、またある時には人生の新たな側面を見つけるささやかなヒントになれば――そう願っています。
 ほんの少しかもしれませんが、小説新潮で毎月の生活がきっと変わるはずです。

雑誌主催・共催・発表誌の文学賞