【日本ファンタジーノベル大賞2017 決定発表】柿村将彦
【特集 ファンタジー小説の現在】勝山海百合/小嶋陽太郎/冴崎 伸/平山瑞穂
小説新潮 2017年12月号
(毎月22日発売)
発売日 | 2017/11/22 |
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JANコード | 4910047011272 |
定価 | 947円(税込) |
【日本ファンタジーノベル大賞2017 決定発表】
――全選考委員の圧倒的な支持を受け、応募総数788篇の頂点に立ったのは、まさしく「ファンタジー」としか表現しようのない傑作。驚異の23歳の、ほとばしる才気を浴びよ――
◆受賞作 柿村将彦/隣のずこずこ(抄)
――「一ヶ月後、権三郎狸が村を壊します。あなたたちは丸呑みです」。突然の災厄に村中が大騒ぎ……!
◆受賞の言葉
◆選評
◆恩田 陸/2017年のファンタジーノベル
◆萩尾望都/書き続けるエネルギーを
◆森見登美彦/ファンタジーのはじまり
◆日本ファンタジーノベル大賞2018募集要項
【特集 ファンタジー小説の現在】
――ジャンルを切り開いた旧「ファンタジーノベル大賞」創設から28年。その遺伝子は着実に受け継がれ、かくも多彩に花開いている――
【小説】
◆勝山海百合/落星始末
――あるむらに落ちた巨星の噂は、遠く離れたみやこにも届き……
◆小嶋陽太郎/恋をしたのだと思います
――彼との出会いが、流されるように生きていた私を変えたのです
◆冴崎 伸/護城の鬼
――蛇頭人により落城寸前の城。援軍を求め二人の武士が駆け出した
◆平山瑞穂/土牢の行く末
――二十八年ぶりに来た、昔住んでいた街。謎の女が僕を手招きする
◆『「文豪とアルケミスト」文学全集』刊行記念インタビュー
谷口晃平 ゲーム「文豪とアルケミスト」プロデューサー/文豪をイケメンにしてみたら
――太宰、漱石、芥川……近代作家たちがイケメン化するゲーム「文豪とアルケミスト」。女性を中心に大ヒット、その理由とは
【特選読み切り小説】
◆井上荒野/ペルー
――中学でも老人マンションでも、声がでかいのがボスになるのだ
◆木皿 泉/ユレル(後編)
――人を殺しに向かうマナミの頭に、学生時代のある出来事が過ぎり
◆野中 柊/黒白の猫 猫をおくる
――経をあげているといつも気配を感じる。あれは猫? それとも
◆本城雅人/記憶の固執
――社会部長を選べ。社長の指示に悩む、北川人事部長の決断とは
【連載第二回】
◆楡 周平/鉄の楽園
◆ペリー荻野/テレビの荒野を歩いた人たち 石井ふく子の巻・後編
【小説新潮作家名鑑】
◆小嶋陽太郎
――読めば癖になる個性派ホープにはおなじみの、神楽坂裏道案内
【バラエティコラム】
〈もういちど会いたい〉小林哲夫
〈マイルーティーン〉斉藤振一郎
〈わたしの愛用品〉藤村シシン
〈あのとき聞いた音楽〉星野概念
【連載コラム】
◆本の森――新刊文芸書から、選りすぐりを紹介
〈仕事・人生〉吉田大助/〈医療・介護〉東 えりか/〈ホラー・ミステリ〉村上貴史
【好評連載小説】
あさのあつこ/ハリネズミは月を見上げる
石田衣良/清く貧しく美しく
乾 緑郎/杉山検校
奥田英朗/霧の向こう
乙川優三郎/二十五年後の読書
窪 美澄/トリニティ
白石一文/ひとりでパンを買いに行く日々に
高田崇史/姫神の葬祭―天照大神暗殺―
西村京太郎/広島電鉄殺人事件 最終回
貫井徳郎/邯鄲の島遥かなり
野口 卓/大名絵師写楽
早見和真/ザ・ロイヤルファミリー
薬丸 岳/刑事弁護人
山本文緒/自転しながら公転する
【連載エッセイ】
佐藤 優/落日の帝国 プラハの憂鬱
高野秀行/謎の未確認納豆を追え!
武田砂鉄/ポジティブ・ファシズム
中野信子/孤独な脳、馬鹿になれない私
西 きょうじ/そもそも
群 ようこ/じじばばのるつぼ
第五回「新潮ミステリー大賞」募集要項
次号予告/表紙画家のつぶやき
この号の誌面
編集長から
伝説的文学賞、ついに復活!
曖昧模糊としていた「ファンタジー小説」のイメージを、初めて具現化してみせた「日本ファンタジーノベル大賞」。4年前に惜しまれつつ休止に至った伝説的文学賞が、「日本ファンタジーノベル大賞2017」として装いも新たに再スタートしました。恩田陸、萩尾望都、森見登美彦という豪華な顔触れの選考委員三氏が、揃って熱烈に支持をした受賞作が、柿村将彦氏「隣のずこずこ」です。氏は京都在住の23歳。現代の若者らしい端正なルックスですが、作品はこれまで誰も書かなかった、まさしく「ファンタジー」としか形容できない傑作です。
賞の発表に合わせ、「特集 ファンタジー小説の現在」を組みました。平山瑞穂、勝山海百合、冴崎伸、小嶋陽太郎の四氏による最新作で、旧賞の「遺伝子」がどのように花開いたかを確認して下さい。そして、文豪がお洒落なキャラクターに変身して活躍する話題のゲーム「文豪とアルケミスト」の開発者・谷口晃平氏のインタビューも。
小説新潮編集長 江木裕計
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雑誌から生まれた本
小説新潮とは?

小説新潮は戦後まもない一九四七年に創刊されました。以来、文学史に名をとどめる作家で、小説新潮に登場したことのない名前を探すほうが困難なほど、数多の文豪、巨匠、新進気鋭による名作、名シリーズが誌面を飾ってきました。
時代は変わり、新しい作家、若い書き手も次々に現れます。変わらないのは「小説を読む楽しみ」を大切にすること。現代小説、時代小説、ミステリー、恋愛、官能……。ジャンルにこだわらず、クオリティの高い、心を揺り動かされる小説を掲載していきます。
小説と並ぶ両輪が、エッセイと豊富な読物です。小説新潮では、毎号、ボリュームのある情報特集や作家特集を用意しています。読み応えは新書一冊分。誰かに教えたくなる情報が、きっとあります。
目指すのは、大人の小説、大人の愉しみが、ぎっしり詰まった雑誌です。経験を重ね、人生の陰翳を知る読者だからこそ楽しめる小説、今だからこそ必要とされる情報を、ぎっしり詰め込んでいきたい。
言葉を換えれば、「もうひとつの人生を体験する小説誌」。時には主人公たちの息遣いに寄り添い、またある時には人生の新たな側面を見つけるささやかなヒントになれば――そう願っています。
ほんの少しかもしれませんが、小説新潮で毎月の生活がきっと変わるはずです。