【特集 時代小説春うらら】
近衛龍春/永井紗耶子/志川節子/藤原緋沙子
小説新潮 2021年4月号
(毎月22日発売)
発売日 | 2021/03/22 |
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JANコード | 4910047010411 |
定価 | 1,000円(税込) |
【特集 時代小説春うらら】
新しい季節、新しい気持ち。
心を遠くに飛ばしてみたら
ふわり、身体も軽くなる
◆近衛龍春/下野の
――一時の油断で攻め込まれる乱世、高増は生き残るために
◆永井紗耶子/筋書かく語る 木挽町のあだ討ち
――士分を捨て江戸を出た男には、菊之助と浅からぬ縁があり
◆志川節子/芽吹長屋仕合せ帖 形見の仕覆
――流行りの菓子店で困っていた女を、おえんは放っておけず
◆藤原緋沙子/ほととぎす へんろ宿
――喧噪の中でぼんやり佇むご隠居に、佐和は不審感を抱き
【青山文平『泳ぐ者』刊行記念企画】
◆徒目付と歩く古地図散歩
――大人気時代ミステリーを片手に上野から向島を散策。歩くことで初めて出会えた景色とは
【新連載エッセイ・マンガ】
◆群ようこ/四十年、こんな感じで書いてます
――執筆の原体験からテーマの見つけ方まで、軽妙洒脱なエッセイストの頭の中を大解剖
◆益田ミリ/ツユクサナツコの一生
――ドーナツ屋でバイトする漫画家のナツコ。何気ない日常の発見に、彼女はふっと筆をとる
◆山本さほ/てつおとよしえ
――倹約家の母とのんびり屋の父。マイペースな両親に振り回される人気漫画家の実録漫画!
◆スズキナオ/家族が一番わからない
――関西への移住、母の病気、コロナ。様々なきっかけから、私は「家族」が知りたくなった
【好評シリーズ】
◆乃南アサ/家裁調査官・庵原かのん 第六話 アスパラガス
――強制わいせつで捕まった少年、かのんに全く口をきかず
◆畠中 恵/帰家
――一太郎が長崎屋に戻ると、縁談の決まった栄吉が訪れて
◆しゃばけごはん(作:畠中 恵 料理:川津幸子)
【バラエティコラム】
〈わたしの相棒〉岩倉美里(蛙亭)
〈そのとき(わたしの)歴史が動いた〉高田胤臣
〈わたしの東京〉村岡俊也
【連載エッセイ・ノンフィクション・マンガ】
◆いしいひさいち/剽窃新潮
◆岩井勇気/僕の人生には事件が起きない
◆掟ポルシェ/全部お前が悪い
◆佐藤 優/村上春樹『騎士団長殺し』を読む
◆高橋秀実/おやじはニーチェ
◆中野信子/孤独な脳、馬鹿になれない私
◆矢部太郎/ぼくのお父さん 最終回
【新作映画紹介】
◆紙の上の映画館
◆本の森――新刊文芸書から、選りすぐりを紹介
〈仕事・人生〉吉田大助
〈医療・介護〉東 えりか
〈ホラー・ミステリ〉村上貴史
【好評連載小説】
◆江國香織/ひとりでカラカサさしてゆく
◆木内 昇/雪草紙 雲の脚
◆窪 美澄/夏日狂想
◆今野 敏/探花 隠蔽捜査9
◆桜木紫乃/緋の河 第二部
◆重松 清/十一番目の色 シリーズ「まなつ」
◆千早 茜/しろがねの葉
◆原田ひ香/財布は踊る
◆宮城谷昌光/公孫龍
◆山本一力/ひむろ飛脚
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この号の誌面
編集長から
春のリニューアル 表紙も中身も新しく
昨年、一度目の緊急事態宣言が明けた頃のことです。久しぶりに美容院に行くと、鏡の前に置かれていた雑誌が見当たりません。感染予防のため撤去したと聞き、納得しつつも淋しい気持ちになりました。結婚情報誌のコピーではありませんが、雑誌がなくても幸せになれるこの時代に、雑誌を買う意味ってなんなのでしょう? 大好きな作家の名前を見つけた時のわくわくする気持ち、お目当ての前につい読んでしまうマンガやエッセイ、ずっと部屋に置いておきたくなる存在感……。今回のリニューアルは、自分自身が読みたい雑誌を探し続ける作業でもありました。
新しく表紙を手掛ける益田ミリさんの新連載マンガ、そのすぐ後に近衛龍春さんの戦国時代小説が登場する――それが小説誌の、おもちゃ箱のような面白さだと思います。本誌は今年で創刊74年。少しずつ変わり続けながら、新しい物語を見つけるという変わらぬよろこびを、これからもお届けしていきます。
小説新潮編集長 西麻沙子
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バックナンバー
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雑誌から生まれた本
小説新潮とは?
小説新潮は戦後まもない一九四七年に創刊されました。以来、文学史に名をとどめる作家で、小説新潮に登場したことのない名前を探すほうが困難なほど、数多の文豪、巨匠、新進気鋭による名作、名シリーズが誌面を飾ってきました。
時代は変わり、新しい作家、若い書き手も次々に現れます。変わらないのは「小説を読む楽しみ」を大切にすること。現代小説、時代小説、ミステリー、恋愛、官能……。ジャンルにこだわらず、クオリティの高い、心を揺り動かされる小説を掲載していきます。
小説と並ぶ両輪が、エッセイと豊富な読物です。小説新潮では、毎号、ボリュームのある情報特集や作家特集を用意しています。読み応えは新書一冊分。誰かに教えたくなる情報が、きっとあります。
目指すのは、大人の小説、大人の愉しみが、ぎっしり詰まった雑誌です。経験を重ね、人生の陰翳を知る読者だからこそ楽しめる小説、今だからこそ必要とされる情報を、ぎっしり詰め込んでいきたい。
言葉を換えれば、「もうひとつの人生を体験する小説誌」。時には主人公たちの息遣いに寄り添い、またある時には人生の新たな側面を見つけるささやかなヒントになれば――そう願っています。
ほんの少しかもしれませんが、小説新潮で毎月の生活がきっと変わるはずです。