【特集】犬と猫、どっちが好き?
小説新潮 2021年11月号
(毎月22日発売)
発売日 | 2021/10/22 |
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JANコード | 4910047011111 |
定価 | 1,000円(税込) |
【特集】犬と猫、どっちが好き?
ずっと昔から、人の暮しに寄り添ってきた動物たち。どのシーンもどの表情も、すべてがいとおしい――
〈犬派〉
◆伊与原新/灰色の血脈
――絶滅したはずのニホンオオカミ。奈良の奥地で出会った獣、あれは
◆カツセマサヒコ/笑う門
――実家で飼っていた柴犬のフクが死んだ。俺は、泣けるのだろうか
◆角幡唯介/エッセイ 子犬との旅
――北極圏を犬橇で旅する著者。母犬と共に育てた子犬たちの記憶
〈猫派〉
◆山内マリコ/猫とずっと一緒にいる方法
――離婚した亜実のもとにやってきた黒猫のココが教えてくれたことは
◆はるき悦巳/マンガ どらン猫 出張版
――小鉄にジュニアにあのキャラクターも!? 本誌初登場
◆早見和真/あの陽だまりと、カレと―かなしきデブ猫ちゃん・外伝―
――渋谷で再会したのは突然消えた……。人気絵本シリーズスピンオフ
【対談】
◆養老孟司×朝井まかて/となりにいても、いなくても
――埋めなくてもいい喪失感を胸に語り合う、在りし日のすがたと、変わらない思い出
【『夜が明ける』刊行記念対談】
◆小泉今日子×西加奈子/夜が明けた、その先へ
――直木賞から七年。作家の本質に迫る新作をトップを走り続ける女優はどう読んだか
【『救国ゲーム』刊行記念対談】
◆薬丸 岳×結城真一郎/“今”と闘う――社会派ミステリの作り方
――地方格差や少年犯罪。答えのない問いに、作家はどう向き合うか? 旗手と新人が語る、時代を切り取る視点とは
【好評シリーズ】
◆乃南アサ/家裁調査官・庵原かのん 第十二話 再会
――子ども二人を成し離婚した三十代夫婦。双方の親に挟まれて――
【バラエティコラム】
〈うれしい買い物〉朝井麻由美
〈あのとき聴いた音楽〉君嶋彼方
〈そのとき(わたしの)歴史が動いた〉SKRYU
◆本の森――新刊文芸書から、選りすぐりを紹介
〈歴史・時代〉田口幹人
〈SF・ファンタジー〉北村浩子
〈恋愛・青春〉高頭佐和子
【新作映画紹介】
紙の上の映画館
【連載エッセイ・ノンフィクション・マンガ】
◆阿刀田高/ちょうど時間となりました―あるユニークな作家の回想―
◆いしいひさいち/剽窃新潮
◆掟ポルシェ/全部お前が悪い 最終回
◆加納愛子/行儀は悪いが天気は良い
◆佐藤 優/村上春樹『騎士団長殺し』を読む
◆スズキナオ/家族が一番わからない
◆高橋秀実/おやじはニーチェ
◆田中卓志/ちょっと不運なほうが生活は楽しい
◆友近/友近道中
◆中野信子/孤独な脳、馬鹿になれない私
◆益田ミリ/ツユクサナツコの一生
◆宮下洋一/デス・ペナルティー 生と死のあいだで
◆群ようこ/四十年、こんな感じで書いてます
◆山本さほ/てつおとよしえ
【好評連載小説】
◆乾 緑郎/おどろかし 戯場國の怪人
◆伊吹有喜/
◆恩田 陸/追憶の五重奏
◆重松 清/十一番目の色 シリーズ「まなつ」
◆篠田節子/ドゥルガーの島
◆千早 茜/しろがねの葉 最終回
◆西村京太郎/土佐くろしお鉄道殺人事件
◆馳 星周/眠らぬ王 極夜・第二部
◆原田マハ/晴れの日の木馬たち
◆宮城谷昌光/公孫龍
◆宮部みゆき/Ghost Story
◆山本一力/ひむろ飛脚
「日本ファンタジーノベル大賞2021」最終候補作発表
第九回「新潮ミステリー大賞」募集要項
次号予告
この号の誌面
編集長から
犬と猫、どっちが好き?
はるか昔から人の暮らしに寄り添ってきた、犬と猫。もちろんどちらも可愛いなんて重々わかっていますが、今号では六名の書き手が犬派と猫派に分かれ、それぞれの愛を誌面にぶつけます! 猫派には漫画「じゃりン子チエ」のスピンオフ(もちろん主役は小鉄とアントニオJr.)という強力な応援団も。昨年末、共に愛猫を喪った養老孟司さんと朝井まかてさんの対談では、犬だの猫だのという枠をはるかに超え、すべての動物と人間の幸せな関係について考えさせられます。
今号には対談がもう二編。薬丸岳さんと結城真一郎さんは、日常のひっかかりを「社会派ミステリ」に昇華させる、その過程と苦労を赤裸々に明かします。西加奈子さんの新刊『夜が明ける』を一気読みしたという小泉今日子さんは、コロナ禍以降、社会との向き合い方に「覚悟を決めた」と西さんに語りました。貧困、格差、ハラスメント……いま起こっている問題に小説がどう立ち向かうのか、無限の可能性を感じる対話です。
小説新潮編集長 西麻沙子
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雑誌から生まれた本
小説新潮とは?
小説新潮は戦後まもない一九四七年に創刊されました。以来、文学史に名をとどめる作家で、小説新潮に登場したことのない名前を探すほうが困難なほど、数多の文豪、巨匠、新進気鋭による名作、名シリーズが誌面を飾ってきました。
時代は変わり、新しい作家、若い書き手も次々に現れます。変わらないのは「小説を読む楽しみ」を大切にすること。現代小説、時代小説、ミステリー、恋愛、官能……。ジャンルにこだわらず、クオリティの高い、心を揺り動かされる小説を掲載していきます。
小説と並ぶ両輪が、エッセイと豊富な読物です。小説新潮では、毎号、ボリュームのある情報特集や作家特集を用意しています。読み応えは新書一冊分。誰かに教えたくなる情報が、きっとあります。
目指すのは、大人の小説、大人の愉しみが、ぎっしり詰まった雑誌です。経験を重ね、人生の陰翳を知る読者だからこそ楽しめる小説、今だからこそ必要とされる情報を、ぎっしり詰め込んでいきたい。
言葉を換えれば、「もうひとつの人生を体験する小説誌」。時には主人公たちの息遣いに寄り添い、またある時には人生の新たな側面を見つけるささやかなヒントになれば――そう願っています。
ほんの少しかもしれませんが、小説新潮で毎月の生活がきっと変わるはずです。