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【特集】時代小説 春一番
砂原浩太朗/梶よう子/志川節子/蝉谷めぐ実/千葉ともこ/藤原緋沙子

小説新潮 2022年4月号

(毎月22日発売)

1,000円(税込)

雑誌の仕様

発売日:2022/03/22

発売日 2022/03/22
JANコード 4910047010428
定価 1,000円(税込)
■目次
【特集】時代小説 春一番

◆砂原浩太朗/妾の子 夜露がたり
――父に引き取られて二年。嫁入り話の進むるいの前に

梶よう子/傍目八目 みとや・お瑛仕入帖
――囲碁が強い子供の話を、気にも留めなかったお瑛だが

志川節子/芽吹長屋仕合せ帖 青あらし
――過分な謝礼にためらい、お登勢と話をしたいおえんは

◆蝉谷めぐ実/犬饅頭
――商いのかたわら舞台を見ていた茂吉に、ある違和感が

◆千葉ともこ/客、いずこより来たる 飲中八仙歌
――帰郷を控え、賀知章にはけりをつけたい懸案があって

藤原緋沙子/笹舟 へんろ宿
――浅草寺にある小川を辿った先で、佐和が出会ったのは

〈現役編集者座談会〉
歴史を編む―才能たちが書き繋ぐバトン―
――往年の大作家から未来を担う新星まで。腕ききたちが語り尽くす、「歴史時代小説」の魅力のすべて!
【待望の新連載】
乙川優三郎/ロゴスの海のジプシー
――米兵の父と日本人の母を持つクニオ。父の死で日本に帰った彼の「日本語」に魅せられた生涯

岩井勇気(ハライチ)/僕の人生には事件が起きない
――三十代、独身男の日常は、今日もたゆまなく続く――大人気エッセイ、第三シーズン始動!
【『なんでも見つかる夜に、こころだけが見つからない』刊行記念対談】
朱野帰子×東畑開人/働くことの達人へ贈る「落ち込み」のススメ
――一見強そうに見えるけれど――。弱さを語る言葉をもたない人が、向き合うべきものとは
【傑作短編】
井上荒野/ポメラニアン探し
――なんで俺は必死で他人の犬を探しているのか

伊与原新/星隕つ駅逓
――北海道の雪原に落ちた隕石。もし見つけたら

町田そのこ/春の善き日に 後編
――断捨離を手伝うなか、加代は杏樹の人生に触れて
【大好評! しゃばけシリーズ】
畠中 恵/遠方より来たる
――通町の名医・源信先生が隠居するって!? その跡を継ぐのは
【バラエティコラム】
〈わたしの相棒〉松重 豊
〈もういちど会いたい〉KAORU
〈そのとき(わたしの)歴史が動いた〉佐々木チワワ
【連載エッセイ・ノンフィクション・マンガ】
阿刀田高/ちょうど時間となりました―あるユニークな作家の回想―
◆いしいひさいち/剽窃新潮
◆加納愛子/行儀は悪いが天気は良い
◆スズキナオ/家族が一番わからない
◆田中卓志/ちょっと不運なほうが生活は楽しい
◆友近/友近道中
中野信子/孤独な脳、馬鹿になれない私
益田ミリ/ツユクサナツコの一生
群ようこ/四十年、こんな感じで書いてます
◆山本さほ/てつおとよしえ
◆本の森――新刊文芸書から、選りすぐりを紹介
〈仕事・人生〉吉田大助
〈ホラー・ミステリ〉村上貴史
〈ノンフィクション〉東えりか
【好評連載小説】
乾 緑郎/おどろかし 戯場國の怪人
桐野夏生/ダークネス
重松 清/十一番目の色 シリーズ「まなつ」
篠田節子/ドゥルガーの島
寺地はるな/雲に届く
馳 星周/眠らぬ王 極夜・第二部
原田マハ/晴れの日の木馬たち
宮城谷昌光/公孫龍
【新作映画紹介】
◆紙の上の映画館
「日本ファンタジーノベル大賞2023」募集要項
第九回「新潮ミステリー大賞」募集要項
次号予告

この号の誌面

編集長から

歴史時代小説のこれまでとこれから

 どんどん新刊が出る上に、数十年前の作品が今も文庫の棚でバリバリ現役を張っている――それが歴史時代小説というジャンルです。いったいどこから読めばいいの!? という方のために、出版各社の現役編集者七人が集結。「本当は自分が担当したかった」作品、小説観を変えられた一冊、令和の時代小説の新潮流までを語りつくします。
 もちろん創作も充実。「今、最も注目の」という手垢のついた形容、でもやっぱりそう言いたくなってしまう新鋭・砂原浩太朗さんの作をはじめ、傑作短編六篇が揃います。
 ドラマ化された『わたし、定時で帰ります。』の朱野帰子さんが面白く読んだという『なんでも見つかる夜に、こころだけが見つからない』。著者で臨床心理士の東畑開人さんとの対談で、朱野さんは「絶対残業しない」主人公・結衣がいかに生まれたかを明かします。東畑さん曰く「彼女は朱野さんを救いにきたのかも」。創作と心の深い関係に、少し触れた気がしました。

小説新潮編集長 西麻沙子

次号予告

バックナンバー

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雑誌から生まれた本

小説新潮とは?

 小説新潮は戦後まもない一九四七年に創刊されました。以来、文学史に名をとどめる作家で、小説新潮に登場したことのない名前を探すほうが困難なほど、数多の文豪、巨匠、新進気鋭による名作、名シリーズが誌面を飾ってきました。

 時代は変わり、新しい作家、若い書き手も次々に現れます。変わらないのは「小説を読む楽しみ」を大切にすること。現代小説、時代小説、ミステリー、恋愛、官能……。ジャンルにこだわらず、クオリティの高い、心を揺り動かされる小説を掲載していきます。

 小説と並ぶ両輪が、エッセイと豊富な読物です。小説新潮では、毎号、ボリュームのある情報特集や作家特集を用意しています。読み応えは新書一冊分。誰かに教えたくなる情報が、きっとあります。

 目指すのは、大人の小説、大人の愉しみが、ぎっしり詰まった雑誌です。経験を重ね、人生の陰翳を知る読者だからこそ楽しめる小説、今だからこそ必要とされる情報を、ぎっしり詰め込んでいきたい。

 言葉を換えれば、「もうひとつの人生を体験する小説誌」。時には主人公たちの息遣いに寄り添い、またある時には人生の新たな側面を見つけるささやかなヒントになれば――そう願っています。
 ほんの少しかもしれませんが、小説新潮で毎月の生活がきっと変わるはずです。

雑誌主催・共催・発表誌の文学賞