青い空、白い夏の雲。広々とした多摩川の風景の中で、一人の女子高生がこちらをまっすぐ見つめている――。書店に並んだその表紙イラストと、『もしドラ』の長いタイトル覚えていますか?
彼女の名は川島みなみ。たぶん、日本で一番有名な野球部の女子マネージャーです。都立程久保(ほどくぼ)高校野球部を「甲子園に連れていく」ことに決め、後輩の北条文乃(あやの)とともに経営学者ドラッカーの『マネジメント』の教えを実行し、弱小野球部に奇跡を起こした小説の中の主人公です。
この小説、『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら』は、現実の出版界でも奇跡のドラマを生みました。青春小説であると同時に、ドラッカーの組織論を物語で伝授するこの本は、幅広い層の読者を得て、瞬く間にミリオン・セラーとなり、さらに200万部を軽々超え(現在、今回の文庫化を合わせて累計280万部超)、コミック、映画、NHKアニメと多くの人々に愛され続けてきました。
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新潮文庫初登場、芥川賞作家・津村記久子さんの『とにかくうちに帰ります』は、毎日の仕事に味気なさを感じる人たちにこそ読んで欲しい、共感にあふれた職場小説集です。
好人物の職場の男性に、大切な私物の万年筆を持ち出された、女性事務員の心のもやもやを描く「職場の作法」や、南米のマイナーフィギュアスケート選手の動向を、並々ならぬ関心をもって追い続ける同僚の心のうちを思う「バリローチェのフアン・カルロス・モリーナ」など、描かれる職場の人間模様には、勤め人なら必ず思い当たる場面があるはずです。
新潮文庫にはディズニーリゾート関連本がいくつかあります。以下、順に紹介して参りましょう。
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まずは、TDR研究会議『ディズニーリゾート150の秘密』です。TDR研究会議さんがガンガン雑学を集めた名著です。最初は『ディズニーランド101の謎』(TDL研究会議著)として、「新潮OH!文庫」で出たのですが、その後、「ディズニーシー」の雑学も増補して、表題の書名になりました。「東京ディズニーシーは実はアメリカのボツ企画だった/絶対に別の場所で同時出演しないミッキー驚異のスケジュール管理の真相」などなど、どうやって調べたのかちょっと怖いようなディープな雑学が満載の一冊です。
1979年、『非合法員』で作家としてデビュー。以降、日本の冒険小説をリードし続けてきた、船戸与一さん。早大探検部で鍛えたフットワークで、アジア、アメリカ、アフリカ……、世界各地を精力的に取材、さまざまな小説を世に送り出しました。苛烈なほどのリアリズムと浪漫をあわせもった作風から、「唯一無二の作家」という評価を受け、熱烈な読者を有しています。
船戸さんが最後に挑んだのは、アジア近代史に巨大な存在感を示す「満州国」。中国東北地方に日本人が建てた、空前絶後の巨大国家です。関東軍により起こされた満州事変の翌年、1932年3月1日、長春改め新京を首都として、元首に清朝最後の皇帝・愛新覚羅溥儀を据え、この国は建国されました。




































