伊坂幸太郎さんのデビュー15周年を記念し、新潮文庫では3か月連続で新刊を刊行します!
第一弾は発売中の『あるキング―完全版―』。
ある天才野球選手の一生を描いた本作は、雑誌・単行本・文庫と形を変える中で、それぞれに伊坂さんによる凄まじい量の加筆、修正がなされています。同じ物語でありながら、異なる読み味の三篇すべてを収録した「完全版」。作家・伊坂幸太郎の挑戦が存分に味わえる作品ですので、この機会にぜひ手に取ってみてください。
さらに! 本作には、初回限定特典として、特別掌編「書店にまつわる小噺あるいは、教訓の得られない例話」を掲載した特別冊子が封入されています。
筒井康隆さんの『旅のラゴス』が売れています。これまでも売れていなかったわけではなく、1994年に新潮文庫版が刊行されて以来、息の長いロングセラーとして読まれ続けてきた作品です。ところが、最近の売れ方はレベルが違うのです。
毎年3,000~4,000冊ぐらい売れていた本書の売れ行きが加速し始めたのは昨年の初めごろ。ちょうど活字を大きくしたタイミングでしたが、それだけでこれほどまでに売れるようになった例はありません。なんと、この1年あまりで10万部を超える大増刷となったのです。なぜこんなに売れているのでしょう? 実は、私たちにも分かりません。
時代小説の最高峰・佐伯泰英の書き下ろし作品『光圀―古着屋総兵衛 初傳―』が発売されました。これは六代目総兵衛勝頼が活躍する「古着屋総兵衛」シリーズの原点となる作品ですが、佐伯泰英が初めて歴史上の実在の人物をメインに描いた作品でもあります。そしてその人物、水戸光圀の最大の謎とされる藤井紋太夫誅殺事件にも切り込んだ異色作です。
古着問屋「大黒屋」の店主・総兵衛は世間から仕事よりも茶屋遊びが好きだと思われているイケメンの旦那ですが、実は祖伝夢想流の遣い手であり、古着商の巨大な利権を与える代わりに徳川家危難の際には身命を捨てて闘えと家康に命じられた徳川の隠れ旗本です。
新作『光圀』では、冒頭いきなり、生意気盛りの十五歳の勝頼は、光圀自慢の巨船を光圀に面と向かってこきおろし、父五代目総兵衛幸綱を慌てさせます。物語は五代将軍綱吉の悪政下、御三家定府水戸光圀が憤怒を募らせていく展開の中で、隠れ旗本としての将軍家護持の使命と、人倫の大義の狭間に揺れ動く若き勝頼の内面が描かれることになります。将軍綱吉を背後で操る大きな闇の力に気づいた勝頼は大黒屋のお店者たち(実は影の旗本鳶沢一族の武装集団)とともに立ち上がる……。
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![]() ![]() 連続ドラマW「硝子の葦 ~garasu no ashi~」 |
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舞台は、あの「ホテルローヤル」! 直木賞作家・桜木紫乃の傑作ミステリー『硝子の葦』(新潮文庫刊)がついにドラマ化、2月21日から毎週土曜夜10時、WOWOWプライムで放送されます。
湿原を遠くに望むラブホテル「ホテルローヤル」のオーナー夫人・幸田節子(相武紗季)。親子ほど年齢が離れた夫・喜一郎(奥田瑛二)は、実母のかつての愛人だった。顧問税理士・澤木昌弘(小澤征悦)とも密かにベッドをともにしていた節子は、夫・喜一郎の交通事故をきっかけに、後戻りできない領域に足を踏み入れていく……。
まさかの結末へといたる物語からも目が離せませんが、もうひとつの見どころが、主演・相武紗季が初挑戦する「官能シーン」。相武さんはすでに、ポスターや番組公式サイトで美しくも大胆なヌードを披露していますが、果たしてドラマ本編では女優としてのどんな新境地を見せてくれるか? 楽しみですね!