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家庭料理に革命をもたらした大ベストセラー、待望の文庫化!


 日本を代表する料理研究家・土井善晴さんの『一汁一菜でよいという提案』は、2016年の刊行直後から大きな話題を呼び、「一汁一菜」ムーブメントの火付け役となりました。シンプルでいて絶大なインパクトのあるカバーが印象に残っている方も多いのではないでしょうか。(このカバーの制作秘話が記されたあとがき「きれいに生きる日本人――結びに代えて」も必読です!)

――日常の食事は、ご飯と具だくさんの味噌汁で充分。あれば漬物を添えましょう。
 土井さんのこの提言は、日々の料理を担う多くの人の心を楽にしてくれました。
 毎食、一汁三菜の食事を作るべき、肉か魚のメインと野菜の副菜を用意するべき、毎日違ったメニューを考えるべき......。そんな「思い込み」に囚われ、献立作りや買い物や、調理が苦痛になってしまう。ちゃんとできない自分に落ち込んで、憂鬱な気持ちになる。

 そのような方にこそ、本書を読んでいただけたらと思います(かくいう私も、そんな「べき」に縛られていた一人です)。「一汁一菜」の具体的な実践法を紹介しつつ、食文化の変遷、日本人の心についても考察します。日常の食事は、「とびきりおいしい」ものである必要はなく、「普通においしい」くらいでいいのだという指摘に、深く納得し、救われたような気持ちになりました。文庫化に際して、コロナにも言及した文庫版あとがき(「一汁一菜の未来――文庫化にあたって」)も新たに収録。土井家のリアルな食卓のカラー写真も満載です!

 本書を片手に「一汁一菜」という生き方を始めてみませんか?
 健康的で心地よい、持続可能な暮らしの一助になることと思います。

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2021年11月15日   今月の1冊
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