今月の表紙は太宰治。
波 2018年9月号
(毎月27日発売)
発売日 | 2018/08/28 |
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JANコード | 4910068230980 |
定価 | 102円(税込) |
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林 忠彦生誕100周年作品BOX『無頼』
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【コラム】
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大塚ひかり/女系図でみる日本争乱史 第2回
津村記久子/やりなおし世界文学 第52回
川本三郎/荷風の昭和 第4回
編輯後記 新潮社の新刊案内 編集長から
立ち読み
編集長から
今月の表紙は太宰治。
◎今月の表紙はおそらく日本文学史上最も有名な写真、林忠彦撮影による太宰治です(次に有名なのが同じカメラマンによる坂口安吾でしょう。共に初出は「小説新潮」の巻頭グラビア)。昭和21年11月25日に太宰・安吾・織田作之助による無頼派座談会があり、その流れで行った銀座のバー〔ルパン〕での一枚。詳細は林義勝さんの文章に譲りますが(106頁)、ロー・アングルになっているのは、
◎この太宰、そしてあの雑然たる書斎でカメラを睨みつける安吾、ルパンのカウンターで煙草片手に笑う織田作など八人の文士の写真を集めた林忠彦生誕100周年作品BOX『無頼』を刊行します。ごく少部数の限定版ですので、ご予約はお早目に。詳細は105頁の広告をご覧下さい。
◎表紙の筆蹟も太宰で、写真の翌年、「新潮」に四回にわたって連載した『斜陽』の最終回冒頭部分です。これは昨年新潮社元会長宅で発見された生原稿から複写したもの。このたび、同時に発見された他の作家の生原稿などと共に日本近代文学館へ寄贈されました。その整理を少しだけ手伝ったのですが、四迷『其面影』冒頭の未定稿や、谷崎や春夫や藤村の短篇小説原稿揃い、白秋の詩稿、菊池寛の芥川・久米宛葉書、啄木の書簡など貴重なオタカラばかりで
▽次号の発売は9月27日です。
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雑誌から生まれた本
波とは?

1967(昭和42)年1月、わずか24ページ、定価10円の季刊誌として「波」は誕生しました。新潮社の毎月の単行本の刊行数が10冊に満たず、新潮文庫の刊行も5冊前後という時代でした。こののち1969年に隔月刊に、1972年3月号からは月刊誌となりました。現在も続く「表紙の筆蹟」は、第5号にあたる1968年春季号の川端康成氏の書「風雨」からスタートしています。
創刊号の目次を覗いてみると、巻頭がインタビュー「作家の秘密」で、新作『白きたおやかな峰』を刊行したばかりの北杜夫氏。そして福田恆存氏のエッセイがあって、続く「最近の一冊」では小林秀雄、福原麟太郎、円地文子、野間宏、中島河太郎、吉田秀和、原卓也といった顔触れが執筆しています。次は大江健三郎氏のエッセイで、続いての「ブックガイド」欄では、江藤淳氏がカポーティの『冷血』を、小松伸六氏が有吉佐和子氏の『華岡青洲の妻』を論評しています。
創刊から55年を越え、2023(令和5)年4月号で通巻640号を迎えました。〈本好き〉のためのブックガイド誌としての情報発信はもちろんのことですが、「波」連載からは数々のベストセラーが誕生しています。安部公房『笑う月』、遠藤周作『イエスの生涯』、三浦哲郎『木馬の騎手』、山口瞳『居酒屋兆治』、藤沢周平『本所しぐれ町物語』、井上ひさし『私家版 日本語文法』、大江健三郎『小説のたくらみ、知の楽しみ』、池波正太郎『原っぱ』、小林信彦『おかしな男 渥美清』、阿川弘之『食味風々録』、櫻井よしこ『何があっても大丈夫』、椎名誠『ぼくがいま、死について思うこと』、橘玲『言ってはいけない』、ブレイディみかこ『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』、土井善晴『一汁一菜でよいと至るまで』などなど。
現在ではページ数も増えて128ページ(時には144ページ)、定価は100円(税込)となりました。お得な定期購読も用意しております。
これからも、ひとところにとどまらず、新しい試みを続けながら、読書界・文学界の最新の「波」を読者の方々にご紹介していきたいと思っています。