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今月の編集長便り 毎月10日のメルマガで配信さている「編集長から」を「今月の編集長便り」として再録しました。こんなことを考えながら日々仕事しています。

ツイッターのこと

 うまく説明できないのですが、何となく苦手な言葉というのがあります。多いのは、日本語でいえば済むのに、わざわざカタカナで言うというやつ。
「ゼロベースで」じゃなくて「いちから」って言えよ。「FREE戦略」って、この場合そんな大層なもんじゃなくて「試食」じゃないのか。
 自分でも問題があると思うくらいに、テレビや新聞を見ながらブツブツ言っています。このままもう少し年を取ったら明らかに厄介な人になるので気をつけなくてはいけません。
 最近、どうも馴染めなかったのが「なう」という言葉でした。ツイッター用語だと思うのですが、その字面が何となくしっくりこないのです。「NOW」や「ナウ」なら気にならないのに「なう」は気になってしまう。そういえば昔から「ぬた」という字面も見ていて何となく気持ち悪く感じていました。食べるのは好きなのですが、名前が苦手なのです。
「なう」のおかげで、ツイッターというものにもちょっと距離を感じていたというか、敬遠しておりました。しかし時代の波は部員を通じて伝わってきて、新潮新書編集部でも、試験的にツイッターを始めてみることにしました。
 もちろん、仕事の一環ですので、「会議なう」とかつぶやくこともないですし、「社内でけん責処分が!」と速報することもありません。新潮新書編集部からのお知らせが、ちょこちょこと出ているだけです。
 それでもありがたいことに、書店や読者の方からあれこれとご意見、ご感想をいただいています。「4月刊の新潮新書『ヤフートピックスを狙え』と光文社新書『ヤフー・トピックスの作り方』は並べて売るべし」といった書店さんからの意見を読み、「さすが鋭い」などと思ったりもしています。興味のある方は覗いてみてください(http://twitter.com/shincho_shinsho)。

 5月の新刊4点をご紹介いたします。
『仕事で成長したい5%の日本人へ』(今北純一・著)は、欧州のビジネスの最前線で30年間戦ってきた、コンサルタントから日本人ビジネスマンへのメッセージ。「自分の仕事の相場観を持て」「評論家ではなく実践家になれ」等、熱いメッセージを読むうちに、仕事への活力がわいてきます。
『歴史を動かしたプレゼン』(林寧彦・著)は、秀吉やコロンブスといった歴史上の有名人たちのプレゼン術をCMプランナーが徹底的に解剖した一冊。今に通じる「人たらしの極意」が明らかになります。
『秘密諜報員ベートーヴェン』(古山和男・著)は、音楽ファンの間で話題騒然となること間違いありません。長年の謎だった、ベートーヴェンの「〈不滅の恋人〉への手紙」の謎が明らかになります。手紙には政治メッセージが秘められていた、という仮説には仰天すること必至です。
『眠れぬ夜の精神科―医師と患者20の対話―』(中嶋聡・著)は、興味があっても行きづらい精神科について、素朴な疑問に答えてくれる一冊。診察室では、どんな会話がなされているか、どんな治療ができるのか、薬の副作用は大丈夫なのか等々。患者さんとの会話はユーモラスでもあり、読み物としても実用書としても味わえる内容になっています。

「4点とも発売即重版!」と速報できればいいなあと思っております。

2010/05