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【特集 家の中で旅に出よう】
西村京太郎/柿村将彦/高丘哲次/原 武史/水谷さるころ

小説新潮 2020年6月号

(毎月22日発売)

特別定価1,150円(税込)

雑誌の仕様

発売日:2020/05/22

発売日 2020/05/22
JANコード 4910047010602
定価 特別定価1,150円(税込)
■目次
【特集 家の中で旅に出よう】
ステイホームと言われても、頭の中は外出自由。
作家たちの脳内旅行へ、さあ、ご一緒しましょう

〈小説〉
西村京太郎/近鉄特急殺人事件〈新連載〉
――黒猫の鳴く部屋で男の死体が見つかった。同じ頃、近鉄特急でも殺人が起きる。二つの事件にはある繋がりがーー

柿村将彦/岩を見る
――先輩に誘われた日給4万円のアルバイト。その中身とは

高丘哲次/円の終端
――陸地が沈み、ヒトが滅んだ世界で、私は飛ぶ。永遠に――

〈紀行〉
原 武史/「線」の思考 最終回
聖母=ショウモから聖母=セイボへ――
神功皇后・マリアとJR 筑肥線・松浦鉄道
――九州北西部に遺された、二つの「聖母」を繋ぐものとは?

〈マンガ〉
水谷さるころ/子連れ旅のススメ
――次はどこ行く? 旅のたしなみ、伝授します
R-18文学賞大特集 Part-2】
この勢い、もう止まらない!
読者の熱い支持を受け、二号にわたってお送りします

◯歴代受賞作家競作
一木けい(第15回読者賞)/体温
――断るのが苦手。そんな志貴に近づくサークルの後輩の男

白尾 悠(第16回大賞・読者賞)/ディアレスト
――戦争をまたいで再会した幼馴染には、米国人の恋人がいた

◆千加野あい(第18回友近賞)/天井のボール
――あたし、デリヘル嬢なんだよねー。彼女の突然の告白に俺は

町田そのこ(第15回大賞)/おつやのよる
――頑なに彼氏と家族を会わせないわたしに、祖母の訃報が

【特別鼎談】
笹井都和古×清水裕貴×夏樹玲奈/初めて歩く道 最初の本を出版するまで
――受賞がゴールではなかった! 文学賞受賞後、デビュー作を出すまでの新人作家の苦楽とは
【新連載小説】
佐藤賢一/パッション
――仏法を究めた日蓮は、仏の正しき真理を説くという使命を見出す。それは果てのない受難の始まりでもあった――
【祝! 『それでも俺は、妻としたい』重版記念対談】
◆黒田 有(メッセンジャー)×足立 紳/妻がいないと傑作は書けない
――芸人と脚本家、それぞれの風変わりな夫婦生活
【反響続々! 連載第二回】
矢部太郎ぼくのお父さん
【読み切り傑作短編】
◆木下昌輝/れんどう夢幻 色の章 前編
――この世を正しき色に染め上げる――家康の前に現れたのは

畠中 恵/帰宅 しゃばけ シリーズ最終話
――湯屋で小僧へ悪事を唆す男がいる。大店たちは騒然となり

諸田玲子/湖畔にて
――前田家のために幕府の人質となる。それが女たちの務め……
【連載エッセイ・ノンフィクション】
岩井勇気/僕の人生には事件が起きない
◆掟ポルシェ/全部お前が悪い
川上和人/オニソロジスト嘘つかない
酒井順子/処女の道程
佐藤 優/村上春樹『騎士団長殺し』を読む
椎名 誠/漂流者は何を食べたか
◆清水克行/アナーキー・イン・ジャパン
筒井ともみ/もういちど、あなたと食べたい
中野信子/孤独な脳、馬鹿になれない私
【バラエティコラム】
〈もういちど会いたい〉中川淳一郎
〈いつか住みたい街〉早花まこ
〈あのとき聞いた音楽〉ゆうたろう
◆本の森――新刊文芸書から、選りすぐりを紹介
〈仕事・人生〉吉田大助
〈ホラー・ミステリ〉村上貴史
〈医療・介護〉杉江松恋
【好評連載小説】
青山文平/泳ぐ者
浅田次郎/母の待つ里にて
梓澤 要/華の譜 徳川和子と後水尾天皇
江國香織/ひとりでカラカサさしてゆく
梶よう子/東都の藍
加藤シゲアキ/オルタネート
黒川博行/熔果
桜木紫乃/緋の河 第二部
重松 清/十一番目の色 シリーズ「まなつ」
千早 茜/しろがねの葉
長浦 京/プリンシパル
西加奈子/夜が明ける
貫井徳郎/邯鄲の島遥かなり
花房観音/果ての海 最終回
葉真中顕/異郷のイービス
原田宗典/無理會
宮城谷昌光/公孫龍
宮部みゆき/Ghost Story
◆薬丸 岳/刑事弁護人
山田詠美/血も涙もある
山本一力/ひむろ飛脚
第三十九回「新田次郎文学賞」決定発表
第八回「新潮ミステリー大賞」募集要項
「日本ファンタジーノベル大賞2020」募集要項
次号予告/表紙画家のつぶやき

この号の誌面

編集長から

脳内旅行で 活字の海に溺れる

 どんなにいいお天気でも、気持ちまでは晴れない日々。つい旅行サイトを眺めては未来の旅を夢見てしまう……そんな方のためにご用意したのが特集「家の中で旅に出よう」。西村京太郎さんの新連載「近鉄特急殺人事件」では、あの十津川警部がビスタEXに乗り込み伊勢を目指します。日本ファンタジーノベル大賞出身の新鋭、柿村将彦さんと高丘哲次さんはそれぞれ、どこに連れていかれるか想像もつかない、奇想天外な旅を描いてくれました。本誌初登場、水谷さるころさんの子連れ旅指南マンガは、リアルな未来の旅行計画にきっと役立ちます。
 先月に引き続きお送りするR-18文学賞特集では、歴代受賞者の創作に加え、昨年初めての本を出版した3人の鼎談も。新人賞を受賞した後の仕事ぶりを垣間見ることができます。さらに、佐藤賢一さんが日蓮を描く新連載「パッション」がスタート。時間がたっぷりある今、活字の海をのんびり泳いでみてはいかがでしょうか。

小説新潮編集長 西麻沙子

次号予告

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雑誌から生まれた本

小説新潮とは?

 小説新潮は戦後まもない一九四七年に創刊されました。以来、文学史に名をとどめる作家で、小説新潮に登場したことのない名前を探すほうが困難なほど、数多の文豪、巨匠、新進気鋭による名作、名シリーズが誌面を飾ってきました。

 時代は変わり、新しい作家、若い書き手も次々に現れます。変わらないのは「小説を読む楽しみ」を大切にすること。現代小説、時代小説、ミステリー、恋愛、官能……。ジャンルにこだわらず、クオリティの高い、心を揺り動かされる小説を掲載していきます。

 小説と並ぶ両輪が、エッセイと豊富な読物です。小説新潮では、毎号、ボリュームのある情報特集や作家特集を用意しています。読み応えは新書一冊分。誰かに教えたくなる情報が、きっとあります。

 目指すのは、大人の小説、大人の愉しみが、ぎっしり詰まった雑誌です。経験を重ね、人生の陰翳を知る読者だからこそ楽しめる小説、今だからこそ必要とされる情報を、ぎっしり詰め込んでいきたい。

 言葉を換えれば、「もうひとつの人生を体験する小説誌」。時には主人公たちの息遣いに寄り添い、またある時には人生の新たな側面を見つけるささやかなヒントになれば――そう願っています。
 ほんの少しかもしれませんが、小説新潮で毎月の生活がきっと変わるはずです。

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