【日本ファンタジーノベル大賞2023決定発表】
小説新潮 2022年12月号
(毎月22日発売)
発売日 | 2022/11/22 |
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JANコード | 4910047011227 |
定価 | 1,000円(税込) |
【日本ファンタジーノベル大賞2023決定発表】
◆大賞
武石勝義/夢現の神獣 未だ醒めず(抄)
――少年たちを突き動かすのは運命か、神獣の思し召しか――。世の激動と儚さを描く中華ファンタジー!
◆受賞の言葉
◆選評
恩田 陸 森見登美彦 ヤマザキマリ
「日本ファンタジーノベル大賞2024」募集要項
【ファンタジー特集 ようこそ幻想世界へ】
◆一條次郎/ビーチで海にかじられて
――熊退治のはずが、連れられたビーチにはサメがうようよ
◆高丘哲次/バカンガ
――世界を蹂躙する怪物。僕は母とたった二人、闘い続けた
◆岸本 惟/雪の日曜日
――春に舞う雪の中で、クラスメイトの孤独な少年と出会い
◆藍銅ツバメ/青蝋百物語
――真冬、寂れた寺で語る百物語。そこで使われる蝋燭は
〈インタビュー〉
◆田中達也/日々を「見立て」る ミニチュア世界の創り方
――その数360万人超! 世界中にフォロワーのいるインスタで毎日作品を発表し続けるその裏側とは
【特選読み切り】
◆西條奈加/白狐 善人長屋
――小悪党の住人たちが大活躍。人気シリーズ、再び始動!
◆一木けい/なーなーの国
――タイ人夫との関係に限界を感じ始めた晶の元に現れたのは
◆矢樹 純/骨煤
――地獄に堕ちた人は、骨が黒くなる。それなら、なぜ母は
【連載マンガ第2回】
◆こいしゆうか/くらべて、けみして 校閲部の九重さん
――読み方が分からない漢字がゲラに! どうやって調べる?
【特別エッセイ】
◆湊かなえ/『母性』が導いてくれたバンクーバー国際映画祭
――原作映画がカナダでワールドプレミア! 海外メディアの取材に去来する思いとは
【バラエティコラム】
〈そのとき(わたしの)歴史が動いた〉遠坂めぐ
〈もういちど会いたい〉後潟佑哉
〈わたしの相棒〉牟田都子
◆本の森――新刊文芸書から、選りすぐりを紹介
〈仕事・人生〉吉田大助
〈SF・ファンタジー〉北村浩子
〈ノンフィクション〉東えりか
【連載エッセイ・ノンフィクション・マンガ】
◆いしいひさいち/剽窃新潮
◆岩井勇気/僕の人生には事件が起きない
◆加納愛子/行儀は悪いが天気は良い
◆河合香織/4分の1の遺伝――神が曲げたもの――
◆酒井順子/松本清張の女たち
◆スズキナオ/家族が一番わからない 最終回
◆田中卓志/ちょっと不運なほうが生活は楽しい 最終回
◆友近/友近道中
◆益田ミリ/ツユクサナツコの一生 最終回
◆群ようこ/四十年、こんな感じで書いてます
【新作映画紹介】
◆紙の上の映画館
【好評連載小説】
◆赤川次郎/暗殺
◆伊吹有喜/灯りの島
◆乙川優三郎/ロゴスの海のジプシー
◆河崎秋子/ともぐい
◆桐野夏生/ダークネス
◆今野 敏/一夜 隠蔽捜査10
◆篠田節子/ドゥルガーの島 最終回
◆新川帆立/三行半のお手伝い 縁切り弁護士・松岡紬
◆中山七里/絡新婦の綸 警視庁サイバー犯罪対策課
◆原田マハ/晴れの日の木馬たち
◆宮城谷昌光/公孫龍
第十回「新潮ミステリー大賞」募集要項
次号予告
この号の誌面
編集長から
フィクションと現実の切れない関係
全てのフィクションは現実世界の影響を受けずにはいられない。そんなことを改めて感じた選考会でした。日本ファンタジーノベル大賞2023を受賞した武石勝義さんの「夢現の神獣 未だ醒めず」。いかにも大陸的な心躍る冒険活劇なのに、強い諦念が物語を最後まで覆っています。それを良しとするか否かの議論の中、ある委員が「今の時世の反映では」と意見を述べ、なんだかその言葉がすとんと腑に落ちたのでした。来年刊行の単行本で、選評の意味をぜひ確かめていただきたいです。
読切はファンタジー小説特集四篇の他、三作を掲載。西條奈加さんの「白狐」は、ドラマ化もされた大人気シリーズ「善人長屋」の最新作です。長屋に集った小悪党たちが、根っからの善人・加助に翻弄される楽しい物語、今後も登場予定です。
今号には湊かなえさんのカナダ滞在記も。バンクーバー国際映画祭に出品され、大きな話題を呼んだ映画「母性」は、23日より公開となります。
小説新潮編集長 西麻沙子
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バックナンバー
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雑誌から生まれた本
小説新潮とは?

小説新潮は戦後まもない一九四七年に創刊されました。以来、文学史に名をとどめる作家で、小説新潮に登場したことのない名前を探すほうが困難なほど、数多の文豪、巨匠、新進気鋭による名作、名シリーズが誌面を飾ってきました。
時代は変わり、新しい作家、若い書き手も次々に現れます。変わらないのは「小説を読む楽しみ」を大切にすること。現代小説、時代小説、ミステリー、恋愛、官能……。ジャンルにこだわらず、クオリティの高い、心を揺り動かされる小説を掲載していきます。
小説と並ぶ両輪が、エッセイと豊富な読物です。小説新潮では、毎号、ボリュームのある情報特集や作家特集を用意しています。読み応えは新書一冊分。誰かに教えたくなる情報が、きっとあります。
目指すのは、大人の小説、大人の愉しみが、ぎっしり詰まった雑誌です。経験を重ね、人生の陰翳を知る読者だからこそ楽しめる小説、今だからこそ必要とされる情報を、ぎっしり詰め込んでいきたい。
言葉を換えれば、「もうひとつの人生を体験する小説誌」。時には主人公たちの息遣いに寄り添い、またある時には人生の新たな側面を見つけるささやかなヒントになれば――そう願っています。
ほんの少しかもしれませんが、小説新潮で毎月の生活がきっと変わるはずです。