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風呂派vsトイレ派

 Yonda?Mail購読者の皆さん、こんにちは。

 第3回Yonda?アンケートで、「普段、読書をする場所はどこですか」という質問をしました。たぶん「どこで本を読む」なんて、普段は意識しないことだと思います。あらためて皆さんにお尋ねしたところ、こんな結果が出ました。



 やはり「自室」、「居間」など、自宅で本を読む人が多いようです。一番長く居るし、リラックスできる場所だし。当たり前と言えば当たり前の結果かもしれません。

 ちょっと意外だったのが、3番目に「喫茶店・飲食店」が入っていること。周りで人の声がしたら集中できないのでは? あ、そうか。耳にイヤホン挿して読書すればいいのか。

 で、一番気になったのが「風呂」と「トイレ」で本を読む方々。どちらも10%以上いらっしゃいます。果たして風呂で読む人はトイレでも読むのでしょうか。それともトイレで読む人は風呂では読まないのでしょうか。気になる結果はこちらです。




 「風呂で読む人」と「トイレで読む人」を合わせた人数を100%とすると、そのうち18%の人が両方で読むそうです。それ以外は「風呂だけ派」44%と、「トイレだけ派」38%に分かれます。つまり、同じく密室での読書を好みながら、相容れない二つの派閥があるわけです。

 ちなみに男女比は風呂派は27:73で圧倒的に女性が多く、その中でも30代の女性が一番多い。女性の長湯は実感としてありますね。反対にトイレ派は55:45で若干男性が多く、その中でも50代以上の世代が多い。



 勝手にプロファイリングをするならば、どちらも風呂やトイレを長時間にわたって独り占めできる人でしょう。大家族では、風呂やトイレを一人で占拠することは無理。だから一人住まいか、二人暮らしの人が多いのでは。また、住環境が良い人が多いかも。狭くて暗いトイレで長時間の籠城は難しいですし、同様に換気が悪くて暗い風呂での読書も難しいでしょう。

 いずれにせよ、軽くて腕が疲れない文庫は、風呂、トイレの友に最強。なぜ知っているかというと私は「トイレだけ派」だから。家族に嫌がられても止められません。これまでいろんな新潮文庫を読んできましたが、やはりトイレに向いているのは10分前後で一区切りがつく本。

 たとえば星新一さんの『エヌ氏の遊園地』などのショートショート作品は外せません。あと宮沢章夫さんのエッセイもトイレ空間だとさらに味わい深い気がします。『牛への道』とか、いくらグフグフ笑っても誰にも見られませんからね。ああ、そうか。密室読書にはそんな利点もあったのか。


(K・Y)

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2012年04月20日   アンケート
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