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上司はわかってくれない。部下はわかろうとしない――。 全て「共感障害」が原因だった!


 会議が終わって、一つ上の先輩がコーヒーカップを片付け始めています。
 あなたが新人だったらどうするでしょうか。
 おそらく、先輩を手伝い、次からは自分が率先して片付けることでしょう。
 ところが、この行動を起こせない人がいるのです。「気が利かない人ね」という簡単な話ではありません。
 このときに「ねえ、(手伝うのは当たり前なのに)どうしてしないの?」と責めると「誰も教えてくれなかったので」とか「誰も僕にやれって言いませんでしたよね?」とか言い返してきます。上司と部下の関係は平行線を辿り、双方つらい思いをすることになります。
 この部下は、人が当たり前のようにやっていることをうまく認知できない「共感障害」の持ち主なのです。これは脳のトラブルであり、能力の優劣の問題ではありません。ですから、「話、聞いてるの?」「やる気あるの?」「どうして、やらないの?」は禁句。本人にしてみればやる気があるから会社に来ているわけで、気の弱いタイプだったらハラスメントを受けていると思い込むことになります。実際、「誰も私に仕事を教えてくれないのに、気が利かない、なぜやらないと叱られるんです。これってパワハラですよね」と泣きながら人事に訴えてきたケースもあります。
 問題は職場だけではありません。自分の子供が、或いは夫や妻が共感障害を呈している場合もあります。共感障害でなくとも相手の意図を読み間違える事が多いのに、加えて共感障害となると「夫(子供)の気持ちがわからない」「妻(親)にわかってもらえない」と途方にくれることになります。
 でも大丈夫。〈トリセツ〉シリーズの黒川伊保子さんが、「話の通じない人」とどう会話を続けていくか、理解を深めるか、具体的に指南します。悩んでいるのはあなただけではありません。必ず心が軽くなります。

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2022年03月15日   今月の1冊
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