創刊1400号記念特大号
新潮 2021年9月号
(毎月7日発行)
発売日 | 2021/08/06 |
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JANコード | 4910049010914 |
定価 | 特別定価1,700円(税込) |
【新連載】
◆大使とその妻/水村美苗
【新連作】
◆あなたたちはわたしたちを夢みる/川上弘美
◆成就/青山七恵
◆八重/朝吹真理子
◆北へ/石原慎太郎
◆片翅の蝶/上田岳弘
◆訪問者たち/江國香織
◆墓の書/円城 塔
◆絵画教室/小山田浩子
◆にせ巡礼/角田光代
◆豚の声、春の声/金井美恵子
◆BAKUTAN!!/金原ひとみ
◆兎我野町/岸 政彦
◆刑期満了/桐野夏生
◆できればドウを助けたいけど/古谷田奈月
◆法と秩序/柴崎友香
◆ムーンパレス炎上/島田雅彦
◆星座のひとつ/瀬戸内寂聴
◆埋立地/高橋弘希
◆夢だとでも思ったか?/高山羽根子
◆時計と船/田中慎弥
◆ストーカーについての四つの見解/多和田葉子
◆離婚熱/筒井康隆
◆第三の悪癖/津村記久子
◆誰かの念/中村文則
◆波/西 加奈子
◆ストレス・リレー/平野啓一郎
◆日々のレッスン/保坂和志
◆レジ打ちの女/星野智幸
◆配水池から/堀江敏幸
◆ディスカバリー/村上 龍
◆最後の展覧会/村田沙耶香
◆情け嶋/吉本ばなな
【特別企画1】
[往復書簡]笑犬樓 vs. 偽伯爵(前篇)/筒井康隆 蓮實重彦
【特別企画2】
[対談]小説の始まりはどこ?/朝吹真理子 宇佐見りん
【特別企画3】
創刊一四〇〇号の「新潮」を彩る文学者たち/〔選・文〕中島国彦
――新発見・佐藤義亮ゆかりの記念帖の名品から
【記念エッセイ1】わたしの「新しい生活様式」
◆阿部和重▪Brand-New-Life
◆岡田利規▪新しくなったのかどうか判然としない
◆奥泉 光▪ある予感
◆尾崎世界観▪物販テトリス
◆木村友祐▪まどろみと暴風雨
◆黒川 創▪マスクと所作について
◆佐伯一麦▪オーダーメイドのインソール
◆高橋源一郎▪読むダイエット
◆谷崎由依▪旅は続く
◆千葉雅也▪二十世紀の人
◆天童荒太▪理髪店からの帰りに、ビル解体と狸に出会う
◆藤野可織▪新しい絆
◆古川日出男▪X時間で歩ける範囲をご近所とする生活様式
◆町田 康▪世間に迎合
◆松家仁之▪裸足になる用意はできている
◆三国美千子▪もう一つの世界
◆村田喜代子▪あたしのベランピング
◆山下澄人▪雨を滴下して地下水とする
【記念エッセイ2】旅に学んだ
◆東 浩紀▪八甲田と失敗
◆池澤夏樹▪『マシアス・ギリの失脚』の頃
◆いしいしんじ▪イリノイの小包
◆石井遊佳▪旅のおわり・小説のはじまり
◆小川洋子▪アルルへ行く
◆黒田夏子▪旅ぶしょうの旅まがい
◆高樹のぶ子▪平安旅行
◆高村 薫▪夢を彷徨う
◆滝口悠生▪原付二十年
◆辻原 登▪アンビルト
◆長野まゆみ▪人の旅を旅する愉しみ
◆乗代雄介▪片隅の佐竹徳
◆日和聡子▪幸福の一つ
◆古川真人▪黄砂
◆又吉直樹▪神聖が遠い
◆町屋良平▪旅は小説か
◆松浦理英子▪見えない闘い
◆松田青子▪何も思いつかない
◆宮内悠介▪壊れぬうちに、壊れぬ景色を
◆宮本 輝▪フンザ
◆矢作俊彦▪極道放射能・序に代へて どこへ行ってもどこかを見ている
■■ 本 ■■
◆三国美千子『骨を撫でる』/江南亜美子
◆村上春樹『古くて素敵なクラシック・レコードたち』/田口賢司
◆金子 薫『道化むさぼる揚羽の夢の』/武田将明
◆阿部和重『ブラック・チェンバー・ミュージック』/與那覇 潤
第54回《新潮新人賞》応募規定 [ウェブ応募受付開始!]
【選考委員】大澤信亮/小山田浩子/鴻巣友季子/田中慎弥/又吉直樹
この号の誌面
立ち読み
編集長から
創刊1400号記念号
「新潮」はこの号をもって通巻1400号を迎えます。
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日露戦争中の1904(明治37)年、新潮社の創業者・佐藤義亮による創刊以来、「新潮」は関東大震災の直後と第二次世界大戦の一時期をのぞき、休むことなく刊行され続けてきました。国際的にも稀有な歴史を持つ文芸誌です。
創刊後に、日本の人口の半数近くが感染したスペイン風邪(1918〜1920)に襲われ、新型コロナウイルスのパンデミックにある今も、「新潮」を舞台にした文学者の創作はけっして止むことがありません。
世界の構造が激動し、新しい価値観が生まれつつある2021年――文学はどこに向かうのか? 想像力の多様性をいかに生み出せるのか?
22歳の宇佐見りん氏から99歳の瀬戸内寂聴氏まで、文学者70名以上の創造と対話を通じて、「新潮」は最新表現を読者に捧げます。総力編集による永久保存版をお楽しみください。
編集長・矢野 優
バックナンバー
雑誌バックナンバーの販売は「発売号」と「その前の号」のみとなります。ご了承ください。
雑誌から生まれた本
新潮とは?
文学の最前線はここにある!
人間の想像力を革新し続ける月刊誌。
■「新潮」とはどのような雑誌?
「新潮」は日露戦争の年(1904年)に創刊された、百歳を超える文芸誌です。現役の商業文芸誌としては世界一古いという説があります(ただし第二次大戦中は紙不足のため数号、関東大震災のときは1号だけ休刊)。その歴史の一端は小誌サイト内にある〈表紙と目次で見る「新潮」110年〉でご覧ください。
■革新し続ける文学の遺伝子
もちろん古いことと古臭いことはまったく別です。百余年にわたり、たえず革新を続けてきたことこそが「新潮」の伝統であり、その遺伝子は現編集部にも確実に引き継がれています。ケータイ小説やブログ、あるいは電子配信、電子読書端末まで、いまだかつてない〈環境変動〉がわたしたちの生に及びつつある今、時代精神を繊細に敏感に感じ取った小説家、批評家たちが毎月、原稿用紙にして計1000枚以上(単行本にして数冊分)の最新作を「新潮」を舞台に発信し続けています。
■日本語で表現されたあらゆる言葉=思考のために
デビュー間もない20代の新人からノーベル賞受賞作家までの最新作がひとつの誌面にひしめきあうのが「新潮」の誌面です。また、文芸の同時代の友人である音楽、映画、ダンス、建築、写真、絵画などの領域からも、トップクラスの書き手、アーティストが刺激的な原稿を毎号寄せています。文芸を中心にしっかりと据えながら、日本語で表現されたあらゆる言葉=思考の力を誌面に結集させたい――それが「新潮」という雑誌の願いです。