【新連載】多和田葉子「幻の熱帯雨林」
【創作】鈴木結生「ビンゴ!」
【特集】若手表現者が読む、村上春樹『夏帆─The Tale of KAHO─』
新潮 2026年8月号
(毎月7日発行)
| 発売日 | 2026/07/07 |
|---|---|
| JANコード | 4912049010864 |
| 定価 | 1,200円(税込) |
【新連載】
◆幻の熱帯雨林(第1回)/多和田葉子
亡くなった旧友・ホリネズミさんから託されたノート。かつて物書きに憧れた私は、そこに刻まれた「Richard Left」の名前と英語の三行詩を頼りに、書物の森へ足を踏み入れていく。越境を続けてきた作家による新たな冒険。
【創作】
◆ビンゴ!(前篇・150枚)/鈴木結生
二〇二三年、二人の巨匠の新作が発表されたその年、《三百羊家》なる書店で風変わりなビンゴ大会が開催された。同居中の恋人・友基と参加した編美の周囲には、以来、妙な気配が漂い始める──文学愛に満ち満ちた野心作!
◆はいつくばって Chapter 7-8/ミランダ・ジュライ(岸本佐知子 訳・解説)
旅先で出会った若い男にのめり込んでいく。いつか終わりが来ると知りながら味わうそれは、人生最高の瞬間。
【連作】
◆良心的兵役拒否 [6]審問-SHINMON-/市川沙央
◆からの旅 6(中)/小山田浩子
◆あなたたちはわたしたちを夢みる 13/川上弘美
◆テーセウスの行旅(完結)/高山羽根子
〈第14回 河合隼雄物語賞・学芸賞発表〉
【物語賞受賞作】おにたろかっぱ/戌井昭人
【学芸賞受賞作】なし
【選評】岩宮恵子(物語賞)/若松英輔(学芸賞)
■■ 特集 若手表現者が読む、村上春樹『夏帆─The Tale of KAHO─』 ■■
◆我々の誕生は距離の誕生である/井戸川射子
◆浦和、武蔵境、足立区、新小岩/九段理江
◆the use of a book/鈴木結生
◆二行目をいかに遠くまで飛ばすか/ZORN
◆夏帆は「テニスシューズ」を履かない/福尾 匠
◆人間が生まれ落ちる瞬間の音/マーサ・ナカムラ
◆猫と母殺しのあたらしい旅路/三宅香帆
【対談】
◆物語で無念を晴らす──『Ifの総て』をめぐって/島田雅彦×小林エリカ
未来を変えるべく、作家は歴史と対峙する。問題の根本を見つめ、皆が忘れてしまったことを掘り起こすために。
◆翻訳者が繋ぐ、個人と世界/ポリー・バートン×小山田浩子
金井美恵子『軽いめまい』英訳の困難と達成。日常の緻密な描写の先に、日本文学の新たな景色が開けていく。
【往復書簡】
◆死んで、生き直す──『急に具合が悪くなる』の余白に/石橋英子×濱口竜介
映画における音と声、そして観客の存在。話題作の撮影中と公開直前になされた、深い信頼に基づく即興的応答。
【エッセイ】
◆『脱法』の手引き/磯部 涼
【連載対談】
◆教室で読む文学(第6回)川上弘美「神様」/池澤夏樹×田口耕平
【リレーコラム 街の気分と思考】
◆商店街の気分と思考/ブレイディみかこ
◆あこがれは愛/宇垣美里
【新潮】
◆『散歩依存症』への道/究極Q太郎
◆『川路重之作品選集』編者の七百日/黒田夏子
◆母の呪い、母の愛/佐野亜裕美
◆居場所/ソラシド本坊
◆出来事と移民/難波優輝
【書評委員による 私の書棚の現在地】
◆鏡 リュウジ・東畑開人『昼間のスターゲイザー──占いと心理学の対話』/小川 哲
◆アンドリュー・リーランド『目の見えない人が見ている世界』(濱浦奈緒子 訳)/八木詠美
【本】
◆水沢なお『こんこん』/今宿未悠
◆芝 夏子『わたしは社会』/小池水音
◆町屋良平『IDOL』/日比野コレコ
【連載コラム】
◆うたと夢の出会う場所(第6回)あなたの葉を読む/大森静佳
【連載小説】
◆痴れ者(第8回)/上田岳弘
◆山吹散るか ほろほろと(第12回)/辻原 登
【連載評論】
◆大滝詠一と私(第5回)/湯浅 学
◆独りの椅子──石垣りんのために(第23回)/梯 久美子
◆小林秀雄(第130回)/大澤信亮
第59回新潮新人賞 応募規定
執筆者紹介
この号の誌面
編集長から
多和田葉子「幻の熱帯雨林」
鈴木結生「ビンゴ!」
◎多和田葉子氏の最新長篇は、病床に臥せる同人仲間「ホリネズミ先輩」に「私」がノートを託される場面から幕を開ける。ノートはほどなく遺品となるが、どうやら先輩自身のものではなく、「Richard Left」という名とともに英語の三行詩が刻まれていた。学生時代に文筆業に憧れていた「私」は、探偵のように英語詩の解読に取り組んでいく。ダニー・ラフェリエール、小林一茶……実在の作家も交えつつ、語り手は読者を代表して果てしない書物の密林に足を踏み入れるだろう◎ビブリオマニアを自任する鈴木結生氏の小説も、読者という存在にフォーカスして描かれる。時は二〇二三年。文芸編集者としてキャリアを歩む編美は同棲相手の友基と神保町の書店《三百羊家》での、さる国民的作家の新作発売当日の読書会へと向かう──批評性が冴え渡る意欲作!◎奇しくも、現実世界でも同作家の三年ぶりの長篇が刊行される。その作品『夏帆』をめぐり、若手表現者らに七者七様の感想文を寄せてもらった。
編集長・杉山達哉
バックナンバー
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雑誌から生まれた本
新潮とは?

文学の最前線はここにある!
人間の想像力を革新し続ける月刊誌。
■「新潮」とはどのような雑誌?
「新潮」は日露戦争の年(1904年)に創刊された、百歳を超える文芸誌です。現役の商業文芸誌としては世界一古いという説があります(ただし第二次大戦中は紙不足のため数号、関東大震災のときは1号だけ休刊)。その歴史の一端は小誌サイト内にある〈表紙と目次で見る「新潮」110年〉でご覧ください。
■革新し続ける文学の遺伝子
もちろん古いことと古臭いことはまったく別です。百余年にわたり、たえず革新を続けてきたことこそが「新潮」の伝統であり、その遺伝子は現編集部にも確実に引き継がれています。ケータイ小説やブログ、あるいは電子配信、電子読書端末まで、いまだかつてない〈環境変動〉がわたしたちの生に及びつつある今、時代精神を繊細に敏感に感じ取った小説家、批評家たちが毎月、原稿用紙にして計1000枚以上(単行本にして数冊分)の最新作を「新潮」を舞台に発信し続けています。
■日本語で表現されたあらゆる言葉=思考のために
デビュー間もない20代の新人からノーベル賞受賞作家までの最新作がひとつの誌面にひしめきあうのが「新潮」の誌面です。また、文芸の同時代の友人である音楽、映画、ダンス、建築、写真、絵画などの領域からも、トップクラスの書き手、アーティストが刺激的な原稿を毎号寄せています。文芸を中心にしっかりと据えながら、日本語で表現されたあらゆる言葉=思考の力を誌面に結集させたい――それが「新潮」という雑誌の願いです。













































