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【総力特集】昭和&平成 「貧乏」13の怪事件簿

新潮45 2008年9月号

(毎月18日発売)

796円(税込)

雑誌の仕様

発売日:2008/08/19

発売日 2008/08/19
JANコード 4910049370988
定価 796円(税込)

【総力特集】昭和&平成 「貧乏」13の怪事件簿
貧しくとも気高く生きる魂もあれば、不幸を全て誰かのせいにし、犯罪に走る輩もいる。13の貧困の光景。

◆小説『蟹工船』を地でいった「エトロフ丸」虐待の地獄絵図
◆有名東大教授「生活苦」自殺の衝撃
◆「どろんこ天国」の作文で日本中の涙を誘ったある極貧小学生の死
◆「無知の涙」極貧19歳連続射殺魔・永山則夫の罪と罰
◆借金トラブルで2人殺した「在日のヒーロー」金嬉老という生き様
◆月収3万円、5人の子のために餓死した28歳母の「飢餓日記」
◆「もう10円玉がないんや…」困窮誘拐劇の舞台裏
◆床下で1ヶ月半生活していた「パラサイト泥棒」の24時間
◆息子はシャブ中、7億円破産で家財を売り払った「松尾和子」の骨肉
◆「ヤミ金」に借りた3万円が…哀れ老人3人家族の鉄道自殺
◆「25万円払え」籠城自爆男がはまったフランチャイズ事業の陥穽
◆足立区一家無理心中で「遺された長男」と「両手首切断の次男」
◆八戸「生活保護家庭」18歳長男の実母弟妹殺し

【特別寄稿】かくも恐ろしい「人権擁護法案」/中川昭一

■【科学読物】地球温暖化騒動のまぼろし CO2の増加を歓迎する/渡辺正

■【達人対談】飛行機の達人/高橋淳×ビートたけし

■何をいまさら! 大分県だけじゃない「教員社会」の金とコネ/樽谷賢二

■北米発「うつ」からの脱出/關陽子

■アリストテレスの「問題集」/佐藤優

■未確認動物の精神史/原田実

◆◆二大事件ドキュメント◆◆
・「いらない旦那、処分します」日本初のネット依頼殺人の深層/橘由歩
・元NHK集金員のハーレム内妻殺し/降籏学

□■ 小特集  たかがセックス、されどセックス ■□
・出会い系サイト放浪記/小谷野敦
・ビアン漫画家の「痛・セクスアリス」/沖田×華
・私の「19歳男子」体験レポート/末永直海

[コラム]
◆【コラム】10の眼 ten eyes
 社会…徳川家広 経済…竹内靖雄
 政治…上杉隆 女…中村うさぎ
 テレビ…岩切徹

◆読まずにすませるベストセラー やはり読みたいベストセラー “リターンズ”
◆シネマ格付け隊、ムーヴィーズが行く!
◆商品格付け隊が買う!

[連載]
◆夜明けの新聞の匂い 繁栄と虚像/曾野綾子
◆だまし庵日記/野坂昭如
◆哲学者というならず者がいる 客観的世界?/中島義道
◆日本語万華鏡 太陽は世界のどこでも赤いのか/鈴木孝夫
◆1963 「昼は淑女のように、夜は娼婦のように」/山口文憲
◆オバはんでもわかる「東京裁判」/福田和也
◆ドスケベ三都ものがたり もしかして妊娠!?/岩井志麻子
◆矢来町心中 部屋、じゃなくて戦場/マツコ・デラックス
◆スピリチュアル御伽草子 『力太郎』と『一寸法師』/江原啓之
◆日本人の教養 第五十八回 子どもの心発見 ノーテレビ・デー/柳田邦男

[グラビア]
◆The Auction 沈黙の逸品
  ゴンチャロヴァの「花」/監修:内田みさほ
◆私の時の時 本木雅弘/写真:佐藤慎吾
◆被写体に恋して 鷹野晃の夕暮れ東京
◆昭和&平成 「貧乏」13の怪事件簿

◆斜め45度人間関係星占い/カルマ・カイヤム

◆[第七回]新潮ドキュメント賞 候補作品発表

[企画広告]
◇下重暁子の自転車紳士録(29) 先崎学

[扉のことば]
◇谷沢永一・選

編集長から

貧乏事件簿
 小林多喜二の『蟹工船』が若者の間で読まれている。それほど、いま、社会の「下流」で格差を感じている「貧しき人々」が多いのが事実だ。かつて文豪ゴーリキーは「貧乏人が新聞にのるのは、犯罪を犯したときに限られる」とのたまわったが、これらはどうか。「『どろんこ天国』の作文で日本中の涙を誘ったある極貧小学生の死」「月収3万円、5人の子のために餓死した28歳母の『飢餓日記』」から「息子はシャブ中、7億円破産で家財を売り払った『松尾和子』の骨肉」まで、1つとして同じではない13の貧困の光景。
 また、ねじれ国会や新内閣誕生の陰で蠢く恐怖の法案の正体を暴く、中川昭一氏の特別寄稿「かくも恐ろしい『人権擁護法案』」は、必読。こんな法案を許しては、日本は終わりだ。
 他にも小特集「たかがセックス、されどセックス」ではあの“もてない男”小谷野敦氏のセキララ告白など豪華3本立て。今月もキョーレツだ。

新潮45編集長 中瀬ゆかり

バックナンバー

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雑誌から生まれた本

新潮45とは?

「新潮45」の創刊は1982(昭和57)年3月で、創刊当初は「新潮45+」(シンチョウヨンジュウゴプラス)という誌名でした。その名の示すとおり、もともとは45歳以上の中高年層を読者対象に想定した雑誌であり、新潮社にとっては初の総合雑誌への挑戦でもありました。
 3年後の1985年より「+」が取れて、誌名は現在の「新潮45」に変わります。内容も「日記と伝記」を軸にした新たな教養雑誌へとリニューアル。以来、その時々の編集部の方針によってノンフィクションや事件への志向が強まったり、独自の言論に力点を置いたり、誌面は変わり続けてきました。
 しかし、一つだけ変わらない「芯」のようなものがこの雑誌にはあります。
 それは「人の生き死に」について考えるということです。
 扱うテーマや素材は、政治経済から殺人事件、芸能スキャンダルやスポーツ・ドキュメントに至るまで多岐にわたります。叙述の仕方も、論考あり、エッセイあり、重厚なノンフィクションありとさまざまです。けれども雑誌の真ん中には、尽きることのない「人間への関心」がある。
これからも「新潮45」は変わり続けるでしょう。時代に向き合いながら、新しいテーマに挑み、表現の幅も広がっていく。しかし、その「芯」の部分は変わりません。ネットの時代になっても、いやネットの時代だからこそ、「新潮45」は「人間」を書き続けていきます。

 ちょっと危険で、深くて、スリリング。
 死角を突き、誰も言わないことを言い、人の生き死にを考える。
 一度読むとクセになるような「毒にも薬にもなる雑誌」。
 
「新潮45」はそんな雑誌であり続けたいと思っています。

雑誌主催・共催・発表誌の文学賞