言葉なき政治の貧困/内田樹
新潮45 2009年5月号
(毎月18日発売)
発売日 | 2009/04/18 |
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JANコード | 4910049370599 |
定価 | 特別定価838円(税込) |
大前研一◇金子勝◇榊原英資◇櫻井よしこ◇野口悠紀雄◇湯浅誠
頼みの綱「中国経済」減速で、どうなる日本
「農政大転換」で日本を救えるのか 聞き手・構成/足立倫行
極限の緊張状態を凌駕した「加藤沢男」逆転のウルトラC/門田隆将
*丁稚時代に学んだ「共存共栄」/岩瀬達哉
◆作家の日常、私の仕事 「駄菓子と銘菓」/曾野綾子
◆だまし庵日記/野坂昭如
◆【最終回】恋愛単語で知るアメリカ 自分の感情と向き合う/吉原真里
◆銀行王 安田善次郎 *安田銀行設立/北康利
◆外務省に告ぐ/佐藤優
◆スピリチュアル御伽草子 *『こぶとり爺さん』とコンプレックス/江原啓之
◆日本人の教養 *たった一つのいのちだから/柳田邦男
◆レンタル・チャイルド *共食い/石井光太
◆矢来町心中/マツコ・デラックス
◆[シリーズ]私と母 神津カンナ(作家)/歌代幸子
◆[シリーズ]根性を忘れた日本人へ 菅義偉(衆議院議員)/豊田正義
◆[シリーズ]「昭和」の謎に挑む
なぜ英雄が……「よど号ハイジャック」機長がたどった数奇な運命/上條昌史
・浮世/徳川家広
・おんな/中村うさぎ
・経世済民/竹内靖雄
◆日本再発見
◆シリーズ 世界の暮らし紀行1/小松義夫
◆棚田望郷
◇谷沢永一・選
編集長から
今号のトップは内田樹氏の「言葉なき政治の貧困」。現代屈指の論客が、我が国に蔓延する「日本の病」を説き明します。
経済特集の目玉は、「15兆円はこう使え!」。お金を使うなら、頭を使えとばかりに、櫻井よしこ氏や榊原英資氏、野口悠紀雄氏ら六人の賢者が緊急提言。叡智の言葉が光ります。
また今年は石原裕次郎の二十三回忌の年。映画『黒部の太陽』に秘められた裕次郎の“遺言”からは映画への限りない愛とこだわりが伝わってきます。
北朝鮮情勢からも目が離せません。ミサイル騒動の裏に潜むポスト金正日の暗闘。その深層を、ジャーナリストの一橋文哉氏がレポートします。今月も小誌をお楽しみください。
バックナンバー
雑誌バックナンバーの販売は「発売号」と「その前の号」のみとなります。ご了承ください。
雑誌から生まれた本
新潮45とは?
「新潮45」の創刊は1982(昭和57)年3月で、創刊当初は「新潮45+」(シンチョウヨンジュウゴプラス)という誌名でした。その名の示すとおり、もともとは45歳以上の中高年層を読者対象に想定した雑誌であり、新潮社にとっては初の総合雑誌への挑戦でもありました。
3年後の1985年より「+」が取れて、誌名は現在の「新潮45」に変わります。内容も「日記と伝記」を軸にした新たな教養雑誌へとリニューアル。以来、その時々の編集部の方針によってノンフィクションや事件への志向が強まったり、独自の言論に力点を置いたり、誌面は変わり続けてきました。
しかし、一つだけ変わらない「芯」のようなものがこの雑誌にはあります。
それは「人の生き死に」について考えるということです。
扱うテーマや素材は、政治経済から殺人事件、芸能スキャンダルやスポーツ・ドキュメントに至るまで多岐にわたります。叙述の仕方も、論考あり、エッセイあり、重厚なノンフィクションありとさまざまです。けれども雑誌の真ん中には、尽きることのない「人間への関心」がある。
これからも「新潮45」は変わり続けるでしょう。時代に向き合いながら、新しいテーマに挑み、表現の幅も広がっていく。しかし、その「芯」の部分は変わりません。ネットの時代になっても、いやネットの時代だからこそ、「新潮45」は「人間」を書き続けていきます。
ちょっと危険で、深くて、スリリング。
死角を突き、誰も言わないことを言い、人の生き死にを考える。
一度読むとクセになるような「毒にも薬にもなる雑誌」。
「新潮45」はそんな雑誌であり続けたいと思っています。