ホーム > 雑誌 > 雑誌詳細:新潮45 > 雑誌詳細:新潮45 2012年3月号

【特集】震災から一年 停滞をぶち破れ

新潮45 2012年3月号

(毎月18日発売)

特別定価880円(税込)

雑誌の仕様

発売日:2012/02/18

発売日 2012/02/18
JANコード 4910049370322
定価 特別定価880円(税込)

【特集】震災から一年 停滞をぶち破れ

・「起業の町」陸前高田を作る/河野通洋
・すべてを失ったわけじゃない/大橋武一
・どう配るかより、どう稼ぐかだ/多田克彦
・時に海を見よ、孤独であれ/渡辺憲司

【対談】ぶれる政府と煽るマスコミに翻弄されて/菅野典雄vs.中川恵一

・2012年4月、全原発停止の日/林慈夫
・豚が家を荒らしていた 原発20キロ圏内をゆく/平野雄吾
・[ルポ]被災地のデリヘル嬢たち/小野一光

【短期集中連載】「東北学」第二章への道/赤坂憲雄

【対談】追悼 立川談志
この厄介きわまる落語家について/山藤章二vs.吉川潮

【特別手記】[短期集中連載◇2]
めぐみを取り戻すのは今しかない/横田早紀江

【新連載】日本八策 再生への処方箋/茂木健一郎

◆反・自由貿易の経済史/中野剛志

◆「橋下現象」のイヤな感じ 反・幸福論/佐伯啓思

◆リーダーなんていらない/古市憲寿

【特集】言論のホットスポット

・原発思想地図/武田徹[監修] 編集部[編]
・女系天皇を画策する奸臣/竹田恒泰
・民主党は年金に指一本触れるな/太田啓之
・歴史観なき日本人は投資に向かない/藤原敬之

◆沖縄から見たフクシマと人権 放射能と暮らす/玄侑宗久

◆復興への道「国道45号線」をゆく 最終回/稲泉連

◆本命大穴入り乱れ米大統領選の大混戦/木下英臣

◆[記者匿名座談会]石破と進次郎でどうだ

◆戦後史の風景 第二回*オウム真理教事件/武田徹

◆ぽん太の夢は夜開く/山崎まゆみ

【新連載】
・イマイマイズム/今井舞

【短期集中連載】
・お化け煙突から東京スカイツリーへ
 下町のランドマークが見てきた昭和/山口文憲


【達人対談】春画の達人/早川聞多vs.ビートたけし

◆永遠の「高校三年生」/久間十義
 舟木一夫・和泉雅子の「失われた20年」


◆リーダーシップと人の分際/里見清一

◆弟宮 第六回  *兄天皇と弟宮の衝突/竹田恒泰

◆石の虚塔 第三回/上原善広

◆昭和の子供だ君たちも 第五回/坪内祐三

◆兵士は起つ 第六回/杉山隆男

◆田老物語 巨大防潮堤と「日本の近代」 第六回/高山文彦

◆国の死に方 第九回
 *2・26事件は土の怨念から/片山杜秀


◆〈巻頭随筆〉風が時間を/徳岡孝夫
◆人間関係愚痴話 *情熱の波高/曽野綾子
◆閻魔堂の吹き流し *今日も問う/山本一力
◆右顧左眄 *我が道を往く/外山滋比古
◆だまし庵日記/野坂昭如
◆おとこのるつぼ *低い声がいい?/群ようこ
◆人生の星の時間 高橋是清/福田和也
◆Review
 [読書日記]片山杜秀
 [インタビュー]開沼博
◆切り絵パロディ 新世界文学名作選5/高木亮

◆表紙 気仙沼市/広瀬達郎
◆扉 残雪/高木亮
◆地球生き物語 第6回*エゾモモンガ/福田幸広


編集長から

震災から1年、
「言論のホットスポット」
 二月十日、復興庁がようやく発足しました。関東大震災後の帝都復興院が一カ月も経たずに設置されたのに対し、今回は十一カ月後。政治家の覚悟が足りないからか、迅速に決められない仕組みのせいかは判りませんが、いずれにせよこれが今の日本の現実ということです。
 政治の体たらくを嘆いても始まらないので、震災後一年の特集は「停滞をぶち破れ」と題して個々の「現場」に迫りました。陸前高田や釜石で再建に動き始めた経営者の手記、原発二十キロ圏内や被災地の風俗嬢についてのルポなど諸々揃いましたが、特に菅野典雄・飯舘村村長と中川恵一・東大病院准教授による対談「ぶれる政府と煽るマスコミに翻弄されて」は必読。
 もう一つの特集「言論のホットスポット」では、武田徹監修「原発思想地図」、竹田恒泰「女系天皇を画策する奸臣」にご注目を。このほか気鋭の論客・古市憲寿氏も「リーダーなんていらない」で本誌初登場です。

新潮45編集長 三重博一

(「波」2012年3月号より)

バックナンバー

雑誌バックナンバーの販売は「発売号」と「その前の号」のみとなります。ご了承ください。

雑誌から生まれた本

新潮45とは?

「新潮45」の創刊は1982(昭和57)年3月で、創刊当初は「新潮45+」(シンチョウヨンジュウゴプラス)という誌名でした。その名の示すとおり、もともとは45歳以上の中高年層を読者対象に想定した雑誌であり、新潮社にとっては初の総合雑誌への挑戦でもありました。
 3年後の1985年より「+」が取れて、誌名は現在の「新潮45」に変わります。内容も「日記と伝記」を軸にした新たな教養雑誌へとリニューアル。以来、その時々の編集部の方針によってノンフィクションや事件への志向が強まったり、独自の言論に力点を置いたり、誌面は変わり続けてきました。
 しかし、一つだけ変わらない「芯」のようなものがこの雑誌にはあります。
 それは「人の生き死に」について考えるということです。
 扱うテーマや素材は、政治経済から殺人事件、芸能スキャンダルやスポーツ・ドキュメントに至るまで多岐にわたります。叙述の仕方も、論考あり、エッセイあり、重厚なノンフィクションありとさまざまです。けれども雑誌の真ん中には、尽きることのない「人間への関心」がある。
これからも「新潮45」は変わり続けるでしょう。時代に向き合いながら、新しいテーマに挑み、表現の幅も広がっていく。しかし、その「芯」の部分は変わりません。ネットの時代になっても、いやネットの時代だからこそ、「新潮45」は「人間」を書き続けていきます。

 ちょっと危険で、深くて、スリリング。
 死角を突き、誰も言わないことを言い、人の生き死にを考える。
 一度読むとクセになるような「毒にも薬にもなる雑誌」。
 
「新潮45」はそんな雑誌であり続けたいと思っています。

雑誌主催・共催・発表誌の文学賞