【特集】この絶望的な政治家たち
新潮45 2012年8月号
(毎月18日発売)
発売日 | 2012/07/18 |
---|---|
JANコード | 4910049370827 |
定価 | 880円(税込) |
この絶望的な政治家たち
小沢君にはユーモアが足りない/渡辺恒雄
◎福祉拡充を訴える市議会議員 松野明美(マラソン)
◎気功治療院を開業、自ら手をかざす 宗茂(マラソン)
◎アイドルから国連職員まで 針路なき「それぞれの道」
川上優子(陸上)、三宮恵利子(スピードスケート)、坂本直子(ソフトボール)、井本直歩子(水泳)、信田美帆(体操)
◆英雄たちの転落/矢部純一
◆英国人父が語った
ディーン元気「ロンドンへの軌跡」/ジョン・ディーン [聞き手]杉山芙沙子
◆イギリスのテロ対策は万全か/マークス寿子
◆EXILEはないだろう 東京オリンピック招致/古市憲寿
◆明治日本にスポーツを伝えた英国人/高橋孝蔵
◆日英ともに「中くらいの国」として 前駐日英国大使インタビュー/グレアム・フライ
放射能とうんちと宇宙服/養老孟司×内田樹
今こそ「大きな物語」を/與那覇潤×北川智子
『トガニ 幼き瞳の告発』著者インタビュー/孔枝泳 [聞き手]蓮池薫
ヘンな生物を探して南極から砂漠まで
辺境生物学の達人/長沼毅vs.ビートたけし
◆地球生き物語11 オランウータン/福田幸広
◆〈巻頭随筆〉風が時間を/徳岡孝夫
◆人間関係愚痴話/曽野綾子
◆閻魔堂の吹き流し/山本一力
◆右顧左眄/外山滋比古
◆だまし庵日記/野坂昭如
◆おとこのるつぼ *無欲の勝利/群ようこ
◆イマイマイズム見聞録 *石川遼父の講演会/今井舞
◆[切り絵パロディ]新世界文学名作選〈10〉/高木亮
■Review■
・BOOK
・CINEMA・DVD&CD
[読書日記]渡部潤一
[インタビュー]安田浩一
編集長から
政治改革と政界再編が叫ばれておよそ20年。結局この間、小沢一郎氏が党を作っては壊し、政治家たちは離合集散を繰り返し、マスコミもそれを騒ぎ立てただけ。残ったのは、冗談のような名前の政党と、権力ゲームに明け暮れる政治家たちの群れ。まことに見るも無惨な有様です。
あまりの腹立たしさに、今月も「この絶望的な政治家たち」という特集を組みました。渡辺恒雄氏へのインタビュー「小沢君にはユーモアが足りない」と併せて是非ご一読下さい。
五輪特集からは西所正道「オリンピック選手『第二の人生』」、また原発問題を考えるにあたっては養老孟司・内田樹両氏による対談が深い示唆を与えてくれます。


バックナンバー
雑誌バックナンバーの販売は「発売号」と「その前の号」のみとなります。ご了承ください。
雑誌から生まれた本
新潮45とは?

「新潮45」の創刊は1982(昭和57)年3月で、創刊当初は「新潮45+」(シンチョウヨンジュウゴプラス)という誌名でした。その名の示すとおり、もともとは45歳以上の中高年層を読者対象に想定した雑誌であり、新潮社にとっては初の総合雑誌への挑戦でもありました。
3年後の1985年より「+」が取れて、誌名は現在の「新潮45」に変わります。内容も「日記と伝記」を軸にした新たな教養雑誌へとリニューアル。以来、その時々の編集部の方針によってノンフィクションや事件への志向が強まったり、独自の言論に力点を置いたり、誌面は変わり続けてきました。
しかし、一つだけ変わらない「芯」のようなものがこの雑誌にはあります。
それは「人の生き死に」について考えるということです。
扱うテーマや素材は、政治経済から殺人事件、芸能スキャンダルやスポーツ・ドキュメントに至るまで多岐にわたります。叙述の仕方も、論考あり、エッセイあり、重厚なノンフィクションありとさまざまです。けれども雑誌の真ん中には、尽きることのない「人間への関心」がある。
これからも「新潮45」は変わり続けるでしょう。時代に向き合いながら、新しいテーマに挑み、表現の幅も広がっていく。しかし、その「芯」の部分は変わりません。ネットの時代になっても、いやネットの時代だからこそ、「新潮45」は「人間」を書き続けていきます。
ちょっと危険で、深くて、スリリング。
死角を突き、誰も言わないことを言い、人の生き死にを考える。
一度読むとクセになるような「毒にも薬にもなる雑誌」。
「新潮45」はそんな雑誌であり続けたいと思っています。