【特集】この大いなる違和感
新潮45 2012年9月号
(毎月18日発売)
発売日 | 2012/08/18 |
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JANコード | 4910049370926 |
定価 | 880円(税込) |
この大いなる違和感
もう国には任せられない/猪瀬直樹 [聞き手]山本皓一
マッカーサー作戦参謀が見たミズーリ号調印式/譚ロ美(タン・ロミ)
◆日本軍「敗将」たちの終わらざる戦い/有馬哲夫
◆日本兵の遺骨がカネで買われている/笹幸恵
われら昭和十九年生まれ/川本三郎×椎名誠×出久根達郎 [司会]坪内祐三
――刑法39条は削除すべきである
宇宙は「暗黒」で満ちている
宇宙理論の達人/村山斉vs.ビートたけし
◆地球生き物語12 アフリカゾウ/福田幸広
◆〈巻頭随筆〉風が時間を/徳岡孝夫
◆人間関係愚痴話/曽野綾子
◆閻魔堂の吹き流し/山本一力
◆右顧左眄/外山滋比古
◆だまし庵日記/野坂昭如
◆おとこのるつぼ *品性ある行動/群ようこ
◆イマイマイズム見聞録 *自費出版説明会/今井舞
◆第十一回 新潮ドキュメント賞 *候補作品発表
◆[切り絵パロディ]新世界文学名作選〈11〉/高木亮
■Review■
・BOOK
・CINEMA・EXHIBITION
[読書日記]恩田陸
[インタビュー]秋尾沙戸子
編集長から
また、いじめに関する報道でも、そもそもなぜ暴力という明らかな犯罪行為を「いじめ」と呼ぶのか。その言葉が物事の本質を見えなくしているのです。
何かが違う。そんな思いから、今月は「この大いなる違和感」という特集を組みました。佐伯啓思「正義を偽装する真夏の『ミンイ』大合唱」と併せてご一読下さい。このほか川本三郎・椎名誠・出久根達郎という意外な組み合わせによる座談会「われら昭和十九年生まれ」も読み応えあり。
バックナンバー
雑誌バックナンバーの販売は「発売号」と「その前の号」のみとなります。ご了承ください。
雑誌から生まれた本
新潮45とは?
「新潮45」の創刊は1982(昭和57)年3月で、創刊当初は「新潮45+」(シンチョウヨンジュウゴプラス)という誌名でした。その名の示すとおり、もともとは45歳以上の中高年層を読者対象に想定した雑誌であり、新潮社にとっては初の総合雑誌への挑戦でもありました。
3年後の1985年より「+」が取れて、誌名は現在の「新潮45」に変わります。内容も「日記と伝記」を軸にした新たな教養雑誌へとリニューアル。以来、その時々の編集部の方針によってノンフィクションや事件への志向が強まったり、独自の言論に力点を置いたり、誌面は変わり続けてきました。
しかし、一つだけ変わらない「芯」のようなものがこの雑誌にはあります。
それは「人の生き死に」について考えるということです。
扱うテーマや素材は、政治経済から殺人事件、芸能スキャンダルやスポーツ・ドキュメントに至るまで多岐にわたります。叙述の仕方も、論考あり、エッセイあり、重厚なノンフィクションありとさまざまです。けれども雑誌の真ん中には、尽きることのない「人間への関心」がある。
これからも「新潮45」は変わり続けるでしょう。時代に向き合いながら、新しいテーマに挑み、表現の幅も広がっていく。しかし、その「芯」の部分は変わりません。ネットの時代になっても、いやネットの時代だからこそ、「新潮45」は「人間」を書き続けていきます。
ちょっと危険で、深くて、スリリング。
死角を突き、誰も言わないことを言い、人の生き死にを考える。
一度読むとクセになるような「毒にも薬にもなる雑誌」。
「新潮45」はそんな雑誌であり続けたいと思っています。