【特集】野蛮な中国 彼らこそ世界を脅かす現代の「夷狄」である
新潮45 2012年11月号
(毎月18日発売)
発売日 | 2012/10/18 |
---|---|
JANコード | 4910049371121 |
定価 | 880円(税込) |
宰相に外交感覚がない悲劇/中曽根康弘
・『文明論之概略』が臆断の戒めに/岩田規久男
・絶望の日々を救った『聖書』の「ヨブ記」/横田早紀江
・柔道と文学へ導いてくれた井上靖『北の海』/増田俊也
・『小倉昌男 経営学』に学んだ起業家精神/村上太一
・何度も何度も読み返した山本周五郎/淡路恵子
・頭を殴られたような『AKIRA』の衝撃/井上淳哉
・『草の花』のように芸術的に生きようと定めた/大林宣彦
・五十を過ぎて分かった『古事記』の価値/辻井喬
大きすぎる議論はどこか怪しい/速水健朗×古市憲寿
・地方行政改革よりB級グルメ/田村秀
・私が日本初「女性ラーメン評論家」です/本谷亜紀
どんな未開地にも手提げひとつで
文化人類学の達人/西江雅之vs.ビートたけし
◆地球生き物語14 ウォンバット/福田幸広
◆〈巻頭随筆〉風が時間を/徳岡孝夫
◆人間関係愚痴話/曽野綾子
◆閻魔堂の吹き流し/山本一力
◆右顧左眄/外山滋比古
◆だまし庵日記/野坂昭如
◆イマイマイズム見聞録 *劇団のシニアコース/今井舞
◆[切り絵パロディ]新世界文学名作選〈13〉/高木亮
■Review■
・BOOK
・CINEMA・EXHIBITION
[読書日記]片山杜秀
[インタビュー]松谷創一郎
編集長から
経済発展著しい中国ですが、尖閣問題を機にこの国の「生地」が改めて顕わになっているように思います。貧富の差が放置され、法も人権も蔑ろにされる社会。武力と巨大人口で威圧しながらの膨張主義。むしろ彼らこそ、世界を脅かす現代の「夷狄」ではないのか。そんな観点から彼の国の本質を考える特集を組みました(特集「野蛮な中国」)。
隣国の如何は別にして、我が国の外交が危機に瀕しているのも事実。中曽根康弘元総理に日本外交のあるべき姿について緊急寄稿していただきました(「宰相に外交感覚がない悲劇」)。
このほか特集「人生を変えた一冊」も、読書の秋にふさわしい滋味あふれるエッセイ揃い。ご一読を。
バックナンバー
雑誌バックナンバーの販売は「発売号」と「その前の号」のみとなります。ご了承ください。
雑誌から生まれた本
新潮45とは?
「新潮45」の創刊は1982(昭和57)年3月で、創刊当初は「新潮45+」(シンチョウヨンジュウゴプラス)という誌名でした。その名の示すとおり、もともとは45歳以上の中高年層を読者対象に想定した雑誌であり、新潮社にとっては初の総合雑誌への挑戦でもありました。
3年後の1985年より「+」が取れて、誌名は現在の「新潮45」に変わります。内容も「日記と伝記」を軸にした新たな教養雑誌へとリニューアル。以来、その時々の編集部の方針によってノンフィクションや事件への志向が強まったり、独自の言論に力点を置いたり、誌面は変わり続けてきました。
しかし、一つだけ変わらない「芯」のようなものがこの雑誌にはあります。
それは「人の生き死に」について考えるということです。
扱うテーマや素材は、政治経済から殺人事件、芸能スキャンダルやスポーツ・ドキュメントに至るまで多岐にわたります。叙述の仕方も、論考あり、エッセイあり、重厚なノンフィクションありとさまざまです。けれども雑誌の真ん中には、尽きることのない「人間への関心」がある。
これからも「新潮45」は変わり続けるでしょう。時代に向き合いながら、新しいテーマに挑み、表現の幅も広がっていく。しかし、その「芯」の部分は変わりません。ネットの時代になっても、いやネットの時代だからこそ、「新潮45」は「人間」を書き続けていきます。
ちょっと危険で、深くて、スリリング。
死角を突き、誰も言わないことを言い、人の生き死にを考える。
一度読むとクセになるような「毒にも薬にもなる雑誌」。
「新潮45」はそんな雑誌であり続けたいと思っています。