ホーム > 雑誌 > 雑誌詳細:新潮45 > 雑誌詳細:新潮45 2013年1月号

【特集】日本政治への正しい絶望法

新潮45 2013年1月号

(毎月18日発売)

880円(税込)

雑誌の仕様

発売日:2012/12/18

発売日 2012/12/18
JANコード 4910049370131
定価 880円(税込)

【特集】日本政治への正しい絶望法

◆政治は国民の反映である/養老孟司

◆こんな日本じゃ死ぬに死ねない/辻井喬

◆人口減少を「戦時」と考えてみよ/徳岡孝夫

◆福島の再生なくして、何が「日本再生」か/玄侑宗久

◆深部に潜む次の危機 橋下、石原を繋いだ「脱天皇」/青山繁晴

安倍晋三は本当に宰相の器か/岩見隆夫

◆タレントくずれが国を滅ぼす/適菜収

◆哀れ、媚びを売る女性議員の末路/ツノダ姉妹

◆この恥知らずな「変節の人々」/編集部[編]

「維新の会」の志向は天皇制否定である 反・幸福論〈25〉/佐伯啓思

【特集】日本政治への正しい絶望法【わが提言】

・白川日銀総裁は間違っている/岩田規久男
・新しい「貴族院」を創設せよ/吉崎達彦
・「国民ID制度」こそ寛容な社会をつくる/濱野智史
・大学の設立をむしろ自由化すべし/原田泰
・もっともっとエロを!/末井昭
・絶滅に瀕する「農業技能」を救え/神門善久
・「ものづくり悲観論」に惑わされるな/藤本隆宏
・もしも私がソニーの社長なら/猪子寿之


◆男の知らない「妊活」最前線/白河桃子

◆「ノマドのジャンヌ・ダルク」の炎上商法/小田嶋隆

【対談】
「政治家・石原慎太郎」を大嫌いな人のための「作家・石原慎太郎」入門
中森明夫×樋口毅宏

【対談】
「就活」という窓から見えるもの
古市憲寿×朝井リョウ

■■ 新連載 ■■

◆『日本書紀』はどのように創られたか〈1〉
 女性天皇の執念が万世一系を生んだ/岡田英弘


◆国境再考 いまそこで何が起きているか〈1〉
 北方領土返還「第三の道」/山田吉彦


◆人生はベンチャーだ〈1〉 プリンシプルを持つ生き方/岩瀬大輔

◆シリーズ ぼくらのベストセラー〈1〉
 「冒険王」と「少年チャンピオン」/本橋信宏


◆黒澤明に見捨てられた「本木荘二郎」小伝/鈴木義昭

◆「森光子」を演じた女の波乱の生涯/歌代幸子

◆時代劇が廃れた本当の理由
 その4 そして誰もいなくなった/春日太一


◆近未来から現代中国を照らす
 『しあわせ中国』著者インタビュー/陳冠中


◆「現状維持」の圧力 「惰性」の研究 その2/里見清一

◆戦後史の風景[最終回] 森稔と加藤智大――新橋・秋葉原/武田徹

◆女が女に出会うとき〈6〉 サンタクロースの人生/小島慶子

◆石の虚塔〈13〉 学者の晩節/上原善広

◆昭和の子供だ君たちも〈14〉/坪内祐三

◆歌謡曲が聴こえる〈8〉 並木路子と赤いリンゴ/片岡義男

◆名門と国家[第二部]〈10〉 中華民国公使館二等書記官/徳川家広

◆浮浪児1945――彼らはどこへ消えたか〈9〉 闇市浄化作戦/石井光太

◆思惟の畔にて〈2〉 『開国』丸山眞男/福田和也

◆日本国の形式〈5〉 「現代のダンテ」として/片山杜秀

【達人対談】
脳はどこまで解明されたのか
脳研究の達人/池谷裕二vs.ビートたけし

◆[扉]早暁/高木亮
◆地球生き物語16 アフリカライオン/福田幸広

◆〈巻頭随筆〉風が時間を/徳岡孝夫
◆人間関係愚痴話/曽野綾子
◆閻魔堂の吹き流し/山本一力
◆右顧左眄/外山滋比古
◆だまし庵日記/野坂昭如

◆[記者匿名座談会]かくして始まった「軽薄短命」政権
◆おとこのるつぼ *自分の頭で考えろ/群ようこ
◆イマイマイズム見聞録 *ボージョレー・ヌーヴォー解禁パーティ/今井舞

◆[切り絵パロディ]新世界文学名作選〈15〉/高木亮

■Review■
・BOOK
・CINEMA・EXHIBITION
[読書日記]恩田陸
[インタビュー]高橋秀実

編集長から

日本政治への正しい絶望法
 月刊誌の場合、校了から発売日まで十日近いタイムラグがあります。十八日発売の小誌にとっては、今回の総選挙はかなりシビれる展開でした。解散は十二月号を校了した後の発売直前、そして一月号は選挙日前に校了せねばならなかったのです。月刊誌が政治を扱う際の宿命ですが、さりとて現下の状況で政治を避けて通るわけにはいかない。月刊誌ならではの射程と切り口をと、毎月頭を悩ませています。
 今の政治をめぐる最も根深い問題は、選びたい政治家も政党もないということです。自民党の大勝も「選択肢不在」ゆえの結果に過ぎない。当面続くであろうこの寒々とした閉塞を脱するには、まずは正しく絶望することではないか。今月の特集はそんな思いを込めたものです。
 第三党に躍り出た「維新の会」については、佐伯啓思、青山繁晴の両氏が、その「反天皇制」志向を指摘しています。「作家・石原慎太郎」を論じた中森明夫・樋口毅宏対談と併せてご一読を。

新潮45編集長 三重博一

(「波」2013年1月号より)

バックナンバー

雑誌バックナンバーの販売は「発売号」と「その前の号」のみとなります。ご了承ください。

雑誌から生まれた本

新潮45とは?

「新潮45」の創刊は1982(昭和57)年3月で、創刊当初は「新潮45+」(シンチョウヨンジュウゴプラス)という誌名でした。その名の示すとおり、もともとは45歳以上の中高年層を読者対象に想定した雑誌であり、新潮社にとっては初の総合雑誌への挑戦でもありました。
 3年後の1985年より「+」が取れて、誌名は現在の「新潮45」に変わります。内容も「日記と伝記」を軸にした新たな教養雑誌へとリニューアル。以来、その時々の編集部の方針によってノンフィクションや事件への志向が強まったり、独自の言論に力点を置いたり、誌面は変わり続けてきました。
 しかし、一つだけ変わらない「芯」のようなものがこの雑誌にはあります。
 それは「人の生き死に」について考えるということです。
 扱うテーマや素材は、政治経済から殺人事件、芸能スキャンダルやスポーツ・ドキュメントに至るまで多岐にわたります。叙述の仕方も、論考あり、エッセイあり、重厚なノンフィクションありとさまざまです。けれども雑誌の真ん中には、尽きることのない「人間への関心」がある。
これからも「新潮45」は変わり続けるでしょう。時代に向き合いながら、新しいテーマに挑み、表現の幅も広がっていく。しかし、その「芯」の部分は変わりません。ネットの時代になっても、いやネットの時代だからこそ、「新潮45」は「人間」を書き続けていきます。

 ちょっと危険で、深くて、スリリング。
 死角を突き、誰も言わないことを言い、人の生き死にを考える。
 一度読むとクセになるような「毒にも薬にもなる雑誌」。
 
「新潮45」はそんな雑誌であり続けたいと思っています。

雑誌主催・共催・発表誌の文学賞