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【特集】アレルギー日本

新潮45 2013年5月号

(毎月18日発売)

880円(税込)

雑誌の仕様

発売日:2013/04/18

発売日 2013/04/18
JANコード 4910049370537
定価 880円(税込)

【特集】アレルギー日本

潔癖社会のなれの果て/藤田紘一郎

怒らない、叱らない、注意しない〈怒りアレルギー〉/パオロ・マッツァリーノ

「自然」はそんなに偉いのか〈化学物質アレルギー〉/佐藤健太郎

「敗戦」が歪めた日本人の暴力観〈暴力アレルギー〉/萱野稔人

ゼロリスク信仰という「趣味」〈放射能アレルギー〉/武田徹

死を隠す社会〈死体アレルギー〉/開沼博

本気で変えたい人は一人もいない〈改憲アレルギー〉/兵頭二十八

長年患っている持病のような〈中国アレルギー〉/タン・ロミ

調布の小学生はなぜ給食で死んだのか/歌代幸子

食物アレルギーは「文明の病」/海老澤元宏

皇位継承のあるべき姿/山折哲雄

◆経済学者の集団発狂/内山節

◆習近平政権に勝利した安倍外交/矢板明夫

◆私しか書けない「歌舞伎座への誘い」/岩下尚史

◆なんて素敵な監視社会/古市憲寿

【特集】春、鉄道三昧!

・さんてつ「南リアス線」復活の日/冨手淳
・私の親鳥「東急東横線」/蜂谷あす美
・西行か芭蕉か「駅マニア」の醍醐味/杉崎行恭
・全鉄道ファンよ、「Web日本鉄道旅行地図帳」に集え!/田中比呂之


【対談】「現場の奮闘」こそが日本の生命線だ/藻谷浩介×村上智彦

[シリーズ「悪」を考える……1]
「諸悪の根源」という病理/内田樹

◆短期集中ノンフィクション連載[完結編]
 死神に入られた家 尼崎連続変死事件の深層3/小野一光


◆レッズ・サポに「群集」の未来を見た/小田嶋隆

◆ヴェルディ・イヤーと浅草オペラ/本間ひろむ

◆『日本書紀』はどのように創られたか〈5〉/岡田英弘
 飯豊皇女はじつは天皇だった


■■ 新連載 ■■
◆静かなスタンダード――成瀬巳喜男論〈1〉/川本三郎
 軍国主義に合わない監督
◆ドキュメント斎藤佑樹 密着・入団3年目の苦闘〈1〉/中村計
 持っていない男

【特集】自分の文章が使われた入試問題を解いてみました
・受験とポストモダン/椹木野衣
・自分を何層にも俯瞰している気分/華恵
・「筆者の意図」と「出題者の意図」/矢田部英正


◆不眠を抱いて〈2〉 仕事が面白い/椎名誠

◆女が女に出会うとき〈10〉 人は見たものをニセモノだと思いたがる/小島慶子

◆歌謡曲が聴こえる〈12〉/片岡義男
 1960年代、オキュパイド・ジャパンが消えゆく時代


◆浮浪児1945 彼らはどこへ消えたか〈13〉 浮浪児たちの今〈1〉/石井光太

◆国境再考 いまそこで何が起きているか〈5〉/山田吉彦
 壱岐の漁業で国境を守る


◆昭和の子供だ君たちも[最終回]/坪内祐三

◆人生はベンチャーだ〈5〉 繋がる力/岩瀬大輔

◆名門と国家[第二部]〈14〉 松平恒雄の長女/徳川家広

◆日本のビョーキ〈2〉 ストレスとトラウマについて/里見清一

◆思惟の畔にて〈6〉 『私の中の日本軍』山本七平/福田和也

◆日本国の形式〈9〉 核融合という破綻/片山杜秀

【達人対談】「幻の植物」を求めて
植物探検の達人/荻巣樹徳vs.ビートたけし

◆[扉]甍の波/高木亮
◆地球生き物語20 カリフォルニアラッコ/福田幸広

◆〈巻頭随筆〉風が時間を/徳岡孝夫
◆人間関係愚痴話/曽野綾子
◆閻魔堂の吹き流し/山本一力
◆だまし庵日記/野坂昭如

◆[記者匿名座談会]総理と寝た総裁
◆おとこのるつぼ *男の金銭感覚/群ようこ
◆イマイマイズム見聞録 *東大の合格発表/今井舞

◆[切り絵パロディ]新世界文学名作選〈19〉/高木亮

■Review■
・BOOK
・CINEMA
[読書日記]恩田陸
[インタビュー]西内啓

編集長から

アレルギー日本
 花粉症が「国民病」になったのはいつ頃からでしょうか。アトピー性皮膚炎、食物アレルギー……私たちの身体は、文明と引き替えに厄介な病を抱え込んでしまったようです。いや、身体だけではない。繰り返される過剰反応を見ると、日本社会そのものがさまざまなアレルギーに冒されつつあるという気がしてなりません。「アレルギー」をキーワードに現代を考察します(特集「アレルギー日本」)。
「皇太子退位論」を世に問うた山折哲雄氏が、「皇位継承のあるべき姿」で再登場。日本史上における「天皇交代」の本質的意味から皇位継承を論じます。
 アベノミクス礼賛が氾濫する今こそ、内山節「経済学者の集団発狂」、藻谷浩介×村上智彦「『現場の奮闘』こそが日本の生命線だ」にご注目を。内田樹「『諸悪の根源』という病理」も読み応え充分。このほか「春、鉄道三昧!」、「自分の文章が使われた入試問題を解いてみました」等々、今月も面白い記事が満載!

新潮45編集長 三重博一

(「波」2013年5月号より)

バックナンバー

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雑誌から生まれた本

新潮45とは?

「新潮45」の創刊は1982(昭和57)年3月で、創刊当初は「新潮45+」(シンチョウヨンジュウゴプラス)という誌名でした。その名の示すとおり、もともとは45歳以上の中高年層を読者対象に想定した雑誌であり、新潮社にとっては初の総合雑誌への挑戦でもありました。
 3年後の1985年より「+」が取れて、誌名は現在の「新潮45」に変わります。内容も「日記と伝記」を軸にした新たな教養雑誌へとリニューアル。以来、その時々の編集部の方針によってノンフィクションや事件への志向が強まったり、独自の言論に力点を置いたり、誌面は変わり続けてきました。
 しかし、一つだけ変わらない「芯」のようなものがこの雑誌にはあります。
 それは「人の生き死に」について考えるということです。
 扱うテーマや素材は、政治経済から殺人事件、芸能スキャンダルやスポーツ・ドキュメントに至るまで多岐にわたります。叙述の仕方も、論考あり、エッセイあり、重厚なノンフィクションありとさまざまです。けれども雑誌の真ん中には、尽きることのない「人間への関心」がある。
これからも「新潮45」は変わり続けるでしょう。時代に向き合いながら、新しいテーマに挑み、表現の幅も広がっていく。しかし、その「芯」の部分は変わりません。ネットの時代になっても、いやネットの時代だからこそ、「新潮45」は「人間」を書き続けていきます。

 ちょっと危険で、深くて、スリリング。
 死角を突き、誰も言わないことを言い、人の生き死にを考える。
 一度読むとクセになるような「毒にも薬にもなる雑誌」。
 
「新潮45」はそんな雑誌であり続けたいと思っています。

雑誌主催・共催・発表誌の文学賞