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【特集】反ウェブ論

新潮45 2013年6月号

(毎月18日発売)

880円(税込)

雑誌の仕様

発売日:2013/05/18

発売日 2013/05/18
JANコード 4910049370636
定価 880円(税込)

【特集】反ウェブ論

やっぱりウェブはバカと暇人のもの/中川淳一郎

ネットで人生台無しになった人たち/酒井信

信者でもアンチでもなく/濱野智史

唯ぼんやりした不安/西村賢太

[手記]われコンピュータ将棋と引き分けたり/塚田泰明

XPがあまりにも普及しすぎたので/林操

死んでからも残り続ける「生の痕跡」/古田雄介

ウェブから遠く離れて/六光寺弦

小林秀雄とテープレコーダー/池田雅延

ニュースがポエムになるとき/小田嶋隆

【徹底討論】
日本が一夜にして蘇る「秘策」あり/佐伯啓思×西田昌司

「自民党青年局」の研究/常井健一

◆小泉進次郎に続け! 〈自民党若手一年生議員座談会〉/今枝宗一郎×石崎徹×藤原崇

【大型ノンフィクション】
死刑のための殺人/小林泰明
「土浦通り魔事件」死刑囚全記録

◆「鉄の女」サッチャーはファザコンだった/黒岩徹

◆すでに自由を謳歌 ミャンマー「夜の女たち」/森哲志

【御成婚二十年】
雅子妃「適応障害」の核心/鳴門真彦

【対談】
「国民的映画」は復活できるか/春日太一×與那覇潤

◆わが行司人生「結びの一番」/36代 木村庄之助

◆私しか書けない「歌舞伎座への誘い」/岩下尚史

◆あなたは慎重型? 楽観型?
 数千円でわかる「DNA性格診断」/中原英臣 佐川峻


◆私が堕ちたカード地獄/末永直海

◆浮浪児1945 彼らはどこへ消えたか[最終話]/石井光太
 浮浪児たちの今〈2〉


◆『日本書紀』はどのように創られたか[最終回]/岡田英弘
 ホムツワケ皇子は建皇子


【新連載】国道者〈1〉 階段国道/佐藤健太郎

◆静かなスタンダード――成瀬巳喜男論〈2〉/川本三郎
 消えゆく芸者のはかない美しさ


◆ドキュメント斎藤佑樹〈2〉 密着・入団3年目の苦闘/中村計
 脱「佑ちゃん」宣言


◆不眠を抱いて〈3〉 ライオンのように眠りたい/椎名誠

◆女が女に出会うとき〈11〉 遅れて来た暴君/小島慶子

◆歌謡曲が聴こえる〈13〉 1960~70年代の名曲たち/片岡義男

◆国境再考 いまそこで何が起きているか〈6〉/山田吉彦
 福江島中国漁船団襲来事件


◆名門と国家[第二部]〈15〉 満洲某重大事件と婚礼/徳川家広

◆人生はベンチャーだ〈6〉 上司から学んだこと/岩瀬大輔

◆日本のビョーキ〈3〉 「自己決定」の呪縛について/里見清一

◆思惟の畔にて〈7〉 「雨の降る品川駅」中野重治/福田和也

◆日本国の形式〈10〉 未来の尺度の読み違え/片山杜秀

◆反・幸福論〈29〉 「砂漠の経済学」と「大地の経済学」/佐伯啓思

【達人対談】「人類の旅」を逆ルートで辿る
探検の達人/関野吉晴vs.ビートたけし

◆[扉]蝸牛/高木亮
◆地球生き物語21 マユグロアホウドリ/福田幸広

◆〈巻頭随筆〉風が時間を/徳岡孝夫
◆人間関係愚痴話/曽野綾子
◆閻魔堂の吹き流し/山本一力
◆だまし庵日記/野坂昭如

◆[記者匿名座談会]「4・28」「96条」をめぐる綱引き
◆おとこのるつぼ *いい寄るお作法/群ようこ
◆イマイマイズム見聞録 *シニア海外ボランティア説明会/今井舞

◆[切り絵パロディ]新世界文学名作選〈20〉/高木亮

■Review■
・BOOK
・CINEMA・DVD&CD
[読書日記]小川真司
[インタビュー]大野更紗

編集長から

ウェブの時代と「観念の暴走」
「インターネットは便所の落書き」という論考が小誌に載ったのは97年3月号。あれから技術やサービスは格段に進化し、もはやウェブ抜きでは社会が成り立たないところまで来ています。しかしある面では「落書き」よりタチが悪い。気分が悪くなるような罵詈雑言、異端者への執拗な攻撃……非寛容で強烈な言葉がネットから現実世界へ浸み出し、悪意を増幅させているように思います。反時代的と謗られるのを承知で、「反ウェブ論」という特集を組んでみました。
 皇太子殿下と雅子様のご成婚から6月9日でちょうど20年。皇室でいま何が起きているのか、鳴門真彦「雅子妃『適応障害』の核心」に御注目下さい。
 小林泰明「死刑のための殺人」は、死刑になるために無差別殺人を犯した土浦通り魔事件犯人の「観念の暴走」と、それを生んだ「砂漠のような家庭」を追った力作。常井健一「『自民党青年局』の研究」は、意外に知られていないその内実に迫ります。

新潮45編集長 三重博一

(「波」2013年6月号より)

バックナンバー

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雑誌から生まれた本

新潮45とは?

「新潮45」の創刊は1982(昭和57)年3月で、創刊当初は「新潮45+」(シンチョウヨンジュウゴプラス)という誌名でした。その名の示すとおり、もともとは45歳以上の中高年層を読者対象に想定した雑誌であり、新潮社にとっては初の総合雑誌への挑戦でもありました。
 3年後の1985年より「+」が取れて、誌名は現在の「新潮45」に変わります。内容も「日記と伝記」を軸にした新たな教養雑誌へとリニューアル。以来、その時々の編集部の方針によってノンフィクションや事件への志向が強まったり、独自の言論に力点を置いたり、誌面は変わり続けてきました。
 しかし、一つだけ変わらない「芯」のようなものがこの雑誌にはあります。
 それは「人の生き死に」について考えるということです。
 扱うテーマや素材は、政治経済から殺人事件、芸能スキャンダルやスポーツ・ドキュメントに至るまで多岐にわたります。叙述の仕方も、論考あり、エッセイあり、重厚なノンフィクションありとさまざまです。けれども雑誌の真ん中には、尽きることのない「人間への関心」がある。
これからも「新潮45」は変わり続けるでしょう。時代に向き合いながら、新しいテーマに挑み、表現の幅も広がっていく。しかし、その「芯」の部分は変わりません。ネットの時代になっても、いやネットの時代だからこそ、「新潮45」は「人間」を書き続けていきます。

 ちょっと危険で、深くて、スリリング。
 死角を突き、誰も言わないことを言い、人の生き死にを考える。
 一度読むとクセになるような「毒にも薬にもなる雑誌」。
 
「新潮45」はそんな雑誌であり続けたいと思っています。

雑誌主催・共催・発表誌の文学賞