【特集】私の憲法論
新潮45 2013年8月号
(毎月18日発売)
発売日 | 2013/07/18 |
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JANコード | 4910049370834 |
定価 | 880円(税込) |
◆ケンポー、ケンポーってうるさいよ/小田嶋隆
◆改憲論者の私が自民党案に反対する理由/小林節
◆日本人にとって憲法とは何なのか/佐伯啓思
◆防衛大臣として考えたこと/森本敏
◆後藤田正晴の遺言/保阪正康
◆アメリカからの「警告のシグナル」/内田樹
◆「一大災厄」でもなく「大願成就」でもなく/櫻田淳
◆一九四六年の記憶から/岡井隆
◆いまこそ「選挙権免許制度」を/呉智英
◆尊重すべきは条文ではなく法の精神である/薬師院仁志
◆J-POPのような「自民党改憲草案」/古市憲寿
◆日本のエロスの豊饒さ、ナイスですね/村西とおる
◆憲法は貧乏人を助けてはくれない/末永直海
◆なぜ男ばかりが憲法を語りたがるのか/黒川伊保子
昭和天皇と「よもの海」の謎/平山周吉
御製の力はいかにして封じられたか
◆父は人造石油のドイツ人技師だった/松本詔子
◆日本はソ連参戦をどこまで掴んでいたか/有馬哲夫
◆【対談】マッカーサーはなぜ天皇を救ったのか/奈良橋陽子×秋尾沙戸子
歴史を動かした陰の主役たち
北朝鮮への能登密入出ルート
『ワンピース』を語る
超心理学の達人/石川幹人vs.ビートたけし
◆地球生き物語23 オーストラリアアシカ/福田幸広
◆〈巻頭随筆〉風が時間を/徳岡孝夫
◆人間関係愚痴話/曽野綾子
◆閻魔堂の吹き流し/山本一力
◆だまし庵日記/野坂昭如
◆おとこのるつぼ *ますます男はつらいよ/群ようこ
◆イマイマイズム見聞録 *東京電力株主総会/今井舞
◆国道者 *日本最短の国道/佐藤健太郎
◆[切り絵パロディ]新世界文学名作選〈22〉/高木亮
■Review■
・BOOK
・CINEMA
・EXHIBITION
・ざ・ベストテン
[読書日記]渡部潤一
[インタビュー]谷口忠大
編集長から
しかしその割には、なんだかすべてが「軽い」。聞こえてくるのは96条問題という脇筋の話ばかりですし、自民党改憲草案は学生のレポートのような試作品レベル。議論するのであれば、そもそも日本人にとって憲法とは何かといった根本的なところから論じるべきでしょう。参院選を機に今月は「私の憲法論」という特集を組んでみました。
もう一つの特集「戦史発掘」の目玉は、一挙百枚掲載の平山周吉「昭和天皇と『よもの海』の謎――御製の力はいかにして封じられたか」。御前会議で開戦を避けるために読み上げられた明治天皇の御製。その「解釈」をめぐる戦いを追った力作です。
猛暑の夏。少し頭を冷やせる号です。
バックナンバー
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雑誌から生まれた本
新潮45とは?
「新潮45」の創刊は1982(昭和57)年3月で、創刊当初は「新潮45+」(シンチョウヨンジュウゴプラス)という誌名でした。その名の示すとおり、もともとは45歳以上の中高年層を読者対象に想定した雑誌であり、新潮社にとっては初の総合雑誌への挑戦でもありました。
3年後の1985年より「+」が取れて、誌名は現在の「新潮45」に変わります。内容も「日記と伝記」を軸にした新たな教養雑誌へとリニューアル。以来、その時々の編集部の方針によってノンフィクションや事件への志向が強まったり、独自の言論に力点を置いたり、誌面は変わり続けてきました。
しかし、一つだけ変わらない「芯」のようなものがこの雑誌にはあります。
それは「人の生き死に」について考えるということです。
扱うテーマや素材は、政治経済から殺人事件、芸能スキャンダルやスポーツ・ドキュメントに至るまで多岐にわたります。叙述の仕方も、論考あり、エッセイあり、重厚なノンフィクションありとさまざまです。けれども雑誌の真ん中には、尽きることのない「人間への関心」がある。
これからも「新潮45」は変わり続けるでしょう。時代に向き合いながら、新しいテーマに挑み、表現の幅も広がっていく。しかし、その「芯」の部分は変わりません。ネットの時代になっても、いやネットの時代だからこそ、「新潮45」は「人間」を書き続けていきます。
ちょっと危険で、深くて、スリリング。
死角を突き、誰も言わないことを言い、人の生き死にを考える。
一度読むとクセになるような「毒にも薬にもなる雑誌」。
「新潮45」はそんな雑誌であり続けたいと思っています。