【特集】そして「悪者」がいなくなった
新潮45 2013年11月号
(毎月18日発売)
発売日 | 2013/10/18 |
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JANコード | 4910049371138 |
定価 | 880円(税込) |
◆「百年は戻れない」という覚悟を/相馬行胤
◆アメリカが「警察官」をやめた悪夢の世界/吉崎達彦
◆会社から「鬼上司」が消えた/染谷和巳
◆「同調圧力」に屈すれば楽になる世の中/辛酸なめ子
◆「20代で産め」となぜ誰も言わない/大江舜
◆一発勝負の受験こそが子供を鍛える/森口朗
◆「ぽっちゃり」って、ただのデブでしょ/倉田真由美
◆「新型うつ」の大ウソがまかり通る理由/岩波明
◆「去勢済みの室内犬」みたいな男たち/安彦麻理絵
◆冷戦時代の方がよかった?/名越健郎
◆フェイスブックは気持ち悪い/小田嶋隆
アメリカも朝鮮戦争で化学兵器使用を考えていた/有馬哲夫
ともに秘密交渉を行った政治家と官僚たち/吉田猛
いま福島で起きていること〈2〉/木村真三
汚染水はコントロールされていない
今季初の一軍登板
ロシアの「切り札」国後島
卓袱台のある暮し
皮膚科学の達人/傳田光洋vs.ビートたけし
◆ニッポン猫景色2 秋の京都市内にて/相澤秀仁・相澤京子
◆居酒屋チエコ亭2 イクラと長芋の大根おろし和え/オガワチエコ
◆〈巻頭随筆〉風が時間を/徳岡孝夫
◆人間関係愚痴話/曽野綾子
◆閻魔堂の吹き流し/山本一力
◆だまし庵日記/野坂昭如
◆イマイマイズム見聞録 *オリンピック招致パブリックビューイング/今井舞
◆国道者 *730交差点/佐藤健太郎
◆[切り絵パロディ]〈新連載〉贋作名画大全/高木亮
■Review■
・BOOK
・CINEMA
・EXHIBITION
・ざ・ベストテン
[読書日記]片山杜秀
[インタビュー]久松達央
編集長から
誰も「悪役」になりたがらないのは政治の世界だけではなく、社会全体も同じです。鬼上司、鬼教師、頑固親父のたぐいが消えたばかりか、「触らぬ神に祟りなし」と、誰も本当のことを言わなくなってしまった。「政治的な正しさ」とコンプライアンスの行き着く先に現れた窮屈で脆弱な社会について、特集で論じていただきました。
このほか、藤原正彦「世界に誇る日本の出版文化を壊すな」、小津安二郎生誕110年記念特集も必読。
バックナンバー
雑誌バックナンバーの販売は「発売号」と「その前の号」のみとなります。ご了承ください。
雑誌から生まれた本
新潮45とは?
「新潮45」の創刊は1982(昭和57)年3月で、創刊当初は「新潮45+」(シンチョウヨンジュウゴプラス)という誌名でした。その名の示すとおり、もともとは45歳以上の中高年層を読者対象に想定した雑誌であり、新潮社にとっては初の総合雑誌への挑戦でもありました。
3年後の1985年より「+」が取れて、誌名は現在の「新潮45」に変わります。内容も「日記と伝記」を軸にした新たな教養雑誌へとリニューアル。以来、その時々の編集部の方針によってノンフィクションや事件への志向が強まったり、独自の言論に力点を置いたり、誌面は変わり続けてきました。
しかし、一つだけ変わらない「芯」のようなものがこの雑誌にはあります。
それは「人の生き死に」について考えるということです。
扱うテーマや素材は、政治経済から殺人事件、芸能スキャンダルやスポーツ・ドキュメントに至るまで多岐にわたります。叙述の仕方も、論考あり、エッセイあり、重厚なノンフィクションありとさまざまです。けれども雑誌の真ん中には、尽きることのない「人間への関心」がある。
これからも「新潮45」は変わり続けるでしょう。時代に向き合いながら、新しいテーマに挑み、表現の幅も広がっていく。しかし、その「芯」の部分は変わりません。ネットの時代になっても、いやネットの時代だからこそ、「新潮45」は「人間」を書き続けていきます。
ちょっと危険で、深くて、スリリング。
死角を突き、誰も言わないことを言い、人の生き死にを考える。
一度読むとクセになるような「毒にも薬にもなる雑誌」。
「新潮45」はそんな雑誌であり続けたいと思っています。