【特集】「昭和」が消えてゆく
新潮45 2013年12月号
(毎月18日発売)
発売日 | 2013/11/18 |
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JANコード | 4910049371237 |
定価 | 880円(税込) |
◆「教養主義」が死滅した後に/竹内洋
◆「世間体」が支えていたもの/大江舜
◆「能力への敬意」がなくなった結果/森口朗
◆「マネジメント」という言葉の罪/三宅秀道
◆「恥を知る」政治家がいなくなった/適菜収
◆「開かれた皇室」は何をもたらしたか/井上亮
誰も書かなかった神吉晴夫
◆忘れられない証言者たち/保阪正康
◆「中国残留孤児」だった父のいた場所/城戸久枝
◆消滅する「戦友会」/笹幸恵
◆安保の若者に支持された『アカシアの雨がやむとき』/西田佐知子
◆他の歌手の歌に聞き惚れていました/いしだあゆみ
◆日本語をどう伝えるか それだけを考えて/由紀さおり
ヤバい昭和言葉の移ろい/泉麻人
山下祐介×藻谷浩介
むかしはよかったね? ありがた迷惑、火の用心/パオロ・マッツァリーノ
シーズンの後で
津軽海峡にある国境
ゴルフの達人/中嶋常幸vs.ビートたけし
◆ニッポン猫景色3 尾道/相澤秀仁・相澤京子
◆居酒屋チエコ亭3 春菊とレバーのフォアグラ風/オガワチエコ
◆〈巻頭随筆〉風が時間を/徳岡孝夫
◆人間関係愚痴話/曽野綾子
◆閻魔堂の吹き流し/山本一力
◆だまし庵日記/野坂昭如
◆イマイマイズム見聞録 *ボートレース平和島/今井舞
◆国道者 *日本橋の小さな空/佐藤健太郎
◆[切り絵パロディ]贋作名画大全 2/高木亮
■Review■
・BOOK
・CINEMA
・EXHIBITION
・ざ・ベストテン
[読書日記]渡部潤一
[インタビュー]中島恵
編集長から
かくて「昭和」が消えてゆく
ところで「75」は後期高齢者の年齢からとったものですが、そう話すと「じゃあ45も年齢だったのか!」と言われることが多くて、こちらも驚きました。もともと1982年の創刊時には「新潮45+」で、後に「+」がとれて「45」になったという経緯があります。「斜め45度から世の中を斬る」でも「四の五の言う雑誌」でもなく、今風に言えば「R45」だったのです。
当時の45歳は「老境の入り口」のイメージでしたが、今の45歳はまだまだ若造。わずか30年で社会はこれほどまでに変わったのです。その変化の中で失ったものがありはしないか。平成25年が終わる節目の号で「『昭和』が消えてゆく」という特集を組んだ次第。
バックナンバー
雑誌バックナンバーの販売は「発売号」と「その前の号」のみとなります。ご了承ください。
雑誌から生まれた本
新潮45とは?
「新潮45」の創刊は1982(昭和57)年3月で、創刊当初は「新潮45+」(シンチョウヨンジュウゴプラス)という誌名でした。その名の示すとおり、もともとは45歳以上の中高年層を読者対象に想定した雑誌であり、新潮社にとっては初の総合雑誌への挑戦でもありました。
3年後の1985年より「+」が取れて、誌名は現在の「新潮45」に変わります。内容も「日記と伝記」を軸にした新たな教養雑誌へとリニューアル。以来、その時々の編集部の方針によってノンフィクションや事件への志向が強まったり、独自の言論に力点を置いたり、誌面は変わり続けてきました。
しかし、一つだけ変わらない「芯」のようなものがこの雑誌にはあります。
それは「人の生き死に」について考えるということです。
扱うテーマや素材は、政治経済から殺人事件、芸能スキャンダルやスポーツ・ドキュメントに至るまで多岐にわたります。叙述の仕方も、論考あり、エッセイあり、重厚なノンフィクションありとさまざまです。けれども雑誌の真ん中には、尽きることのない「人間への関心」がある。
これからも「新潮45」は変わり続けるでしょう。時代に向き合いながら、新しいテーマに挑み、表現の幅も広がっていく。しかし、その「芯」の部分は変わりません。ネットの時代になっても、いやネットの時代だからこそ、「新潮45」は「人間」を書き続けていきます。
ちょっと危険で、深くて、スリリング。
死角を突き、誰も言わないことを言い、人の生き死にを考える。
一度読むとクセになるような「毒にも薬にもなる雑誌」。
「新潮45」はそんな雑誌であり続けたいと思っています。