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【特集】世界を侵蝕する「膨張中国」

新潮45 2014年6月号

(毎月18日発売)

897円(税込)

雑誌の仕様

発売日:2014/05/17

発売日 2014/05/17
JANコード 4910049370643
定価 897円(税込)

【特集】世界を侵蝕する「膨張中国」

◆大国意識の高揚が加速させる「中華民族大移動」/樋泉克夫
◆日本の山林で「ソーラー」を画策する中国資本/本誌取材班
◆狙われる済州島 中国にカジノで食いつぶされる韓国/裵淵弘
◆商船三井事件で新段階に入った「歴史リスク」/山本秀也

セウォル号事故から見る韓国という国/黒田勝弘

駆け出しの頃に取材した「日本の客船事故」/徳岡孝夫

オバマ、プーチン、習近平、せめぎ合う「妄想」/青山繁晴

「日露パイプライン構想」の現実味/兵頭二十八

【対談】
「大衆社会」に抗う/藤井聡×適菜収

【深層追及第三弾】
笹井と理研が仕掛けるSTAP戦争
「山中伸弥追い落とし」の策謀/小畑峰太郎+本誌取材班

防大生諸君! 戦後70年の歴史に誇りを持て/リチャード・アーミテージ

【インタビュー】
歌で誰かの力になりたい 自衛隊ただ一人のヴォーカリストとして/三宅由佳莉


プロ意識をなくした教師たち/尾木直樹

【尼崎連続殺人事件】
角田美代子が胸中を綴った衝撃のノート/一橋文哉


【特集】続・何様のつもり

◆「朝日新聞」のホームルーム民主主義/小田嶋隆
◆古舘伊知郎は「しゃべる天声人語」である/大江舜
◆「NHK」という理不尽/神山仁吾
◆その場の最適解で日本を潰す 東大脳集団「財務省」/小田博利
◆国賓待遇でも日本を軽んじる「オバマ」/和田洋

【対談】
いつまで「若者」でいつから「大人」?/酒井順子×古市憲寿

【インタビュー】
憧れの日本に来て横綱になれた/鶴竜力三郎

歴史なき時代の逆説「マッカーサー道路」/武田徹

ミャンマーに狂乱の「土地バブル」がやってきた/森哲志

玄孫に伝わる「清水次郎長のリーダー論」/高田明和

【連続歴史対談2】
儒学者たちの明治維新
ひっくり返った江戸の「スクールカースト」
/河野有理×與那覇潤

「男性不妊外来」へ行ってきた/羽根田真智
45人しかいない治療のプロ


森コンツェルンに嫁いだ「伝説の女優」/森美香
柴田早苗の生涯(後編)


【話題沸騰! 歴史巨編】
プリニウス 第6回/ヤマザキマリ とり・みき

シリーズ 日本を修繕する〈2〉/稲泉連
コンクリートの鉄道橋をいかに長持ちさせるか


日中百年の群像 ――魯迅と蒋介石が日本に見た夢〈2〉/譚璐美
旧家の没落――魯迅の苦い記憶


国境再考いまそこで何が起きているか〈最終回〉/山田吉彦
海外から日本の国境を見る


むかしはよかったね?〈7〉/パオロ・マッツァリーノ
きれいなおねえさんは、好きですか?


年を取る〈6〉 老いの貧苦/橋本治

日本のビョーキ〈15〉 不信の時代と医者の資質/里見清一

日本国の形式〈21〉 「怒れる時論家」の正体/片山杜秀

反・幸福論〈41〉 京都と西田幾多郎/佐伯啓思

【達人対談】シマウマにはなぜ縞があるのか?
シマ模様の達人/近藤滋vs.ビートたけし

◆[扉]梔子/高木亮
◆居酒屋チエコ亭9 アジのタルタル焼き/オガワチエコ

◆〈巻頭随筆〉風が時間を/徳岡孝夫
◆人間関係愚痴話/曽野綾子
◆閻魔堂の吹き流し/山本一力
◆だまし庵日記/野坂昭如

◆[記者匿名座談会]新聞には載らないオバマ来日報道の舞台裏
◆イマイマイズム見聞録 *裁判傍聴(承前)/今井舞
◆国道者 *全長7メートルの最短県道/佐藤健太郎

◆[切り絵パロディ]贋作名画大全8/高木亮

■Review■
・BOOK
・CINEMA
・EXHIBITION
・ざ・ベストテン
[読書日記]小川真司
[インタビュー]猪谷千香

編集長から

世界を侵蝕する
「膨張中国」

 六年前の北京オリンピックの頃には「中国は日本を三十年遅れで追いかけている」という言い方がされたものでした。そこには中国が経済成長を経て、日本のような民主国家に変わっていくのではという期待も込められていたはずです。ところがGDP世界二位という自信を付けてからの中国は、大国意識とナショナリズムが高揚し、膨張の意志を隠さない覇権国家へと変貌しつつあります。ベトナムとの衝突もそうした現れの一つですが、目に見える紛争だけではなく、いま世界中で中国資本による土地買い占めや乱開発、中国人の移住が増えているのです。世界が中国に呑み込まれつつある現状を特集しました(「世界を侵蝕する『膨張中国』」)。
 このほか、旅客船沈没事故から韓国という国の本質を読み解き(黒田勝弘「セウォル号事故から見る韓国という国」)、論争になった「教師と入学式問題」では尾木直樹氏が登場。STAP細胞問題追及第三弾や特集「続・何様のつもり」もお見逃しなく。

新潮45編集長 三重博一

(「波」2014年6月号より)

バックナンバー

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雑誌から生まれた本

新潮45とは?

「新潮45」の創刊は1982(昭和57)年3月で、創刊当初は「新潮45+」(シンチョウヨンジュウゴプラス)という誌名でした。その名の示すとおり、もともとは45歳以上の中高年層を読者対象に想定した雑誌であり、新潮社にとっては初の総合雑誌への挑戦でもありました。
 3年後の1985年より「+」が取れて、誌名は現在の「新潮45」に変わります。内容も「日記と伝記」を軸にした新たな教養雑誌へとリニューアル。以来、その時々の編集部の方針によってノンフィクションや事件への志向が強まったり、独自の言論に力点を置いたり、誌面は変わり続けてきました。
 しかし、一つだけ変わらない「芯」のようなものがこの雑誌にはあります。
 それは「人の生き死に」について考えるということです。
 扱うテーマや素材は、政治経済から殺人事件、芸能スキャンダルやスポーツ・ドキュメントに至るまで多岐にわたります。叙述の仕方も、論考あり、エッセイあり、重厚なノンフィクションありとさまざまです。けれども雑誌の真ん中には、尽きることのない「人間への関心」がある。
これからも「新潮45」は変わり続けるでしょう。時代に向き合いながら、新しいテーマに挑み、表現の幅も広がっていく。しかし、その「芯」の部分は変わりません。ネットの時代になっても、いやネットの時代だからこそ、「新潮45」は「人間」を書き続けていきます。

 ちょっと危険で、深くて、スリリング。
 死角を突き、誰も言わないことを言い、人の生き死にを考える。
 一度読むとクセになるような「毒にも薬にもなる雑誌」。
 
「新潮45」はそんな雑誌であり続けたいと思っています。

雑誌主催・共催・発表誌の文学賞